バンガロールは蒸し暑さも落ち着き、ここ数日は、朝晩の涼しい高原の風が心地いいですよ。
ところでこの1週間も、マルハンさんちは、猫らに振り回されて、さまざまなドラマが展開されていました。
人間の出来事については、みほさんが書くとして、わたしは猫関係のことだけに、触れたいと思います。
by NORA
NORAが見つめているのは、大工さんです。
ついには、柵の工事が完了したのです。
NORAがマルハンさんちにやってきて、来月で早くも1年になります。これまでは、彼女の自由も尊重して、半野良生活をしてもらっていましたが、前回の事件で、NORAの生命の危険を感じたみほさんは、「やれるだけのことはやろう」と決めました。
もしも、これで更に脱出したら、もう、仕方がない。のだそうです。できることをせずに、あとから「ああしておけばよかった」と思わないためにも、思いつく限りの脱走防御策、を練った様子です。この際、庭の景観は二の次、なのだそうです。
NORAが来て直後、脱出経路だった塀の角のあたりだけに、パーティションを設置していたのですが、他のところから近所の野良猫が侵入したり、ROCKYがメタルの柵をよじ上ってジャンプして飛び越えたりと、まあいろいろありましたので、全面封鎖、することにしたそうです。
インドでは、なんでもかんでも、一からの手づくりが一般的です。庭に木材を運び込んで、木屑を飛び散らしつつの作業です。
まるおさんは、「要塞のようだ」とご不満ですが、仕方がありません。NORAが脱出した時に、心配で心配でたまらなかったのは、まるおさんですのにね。
みほさんは、なにか蔓科の植物などを這わせればいいのだ、と考えています。少し落ち着いたら、ランドスケープデザイナーの人と相談をするそうです。
工事は2日間に分けて行われました。昨日土曜日の夕方に完成です。
こちらは、反対側の塀の上です。ここからも、近所の驚異的なジャンプ力を持つ黄土色の猫が侵入してきたことがありましたので、全面的に防御しています。
そして肝心の仏像の背後。NORAの一番お気に入りの脱出経路です。ここは、プラスチックのパネルを張って、足場をブロックしています。
NORAがどうやって逃げていたかは、こちらの記録をご覧くださいね。
ところで、この11カ月の経験をもとに、やれることはやった、と思っているみほさんですが、だからといって、完全に封鎖できているとは思っていません。NORAは賢い猫ですから、また別の方法を編み出す可能性も高いのです。
万一、どこかから脱出した時に、今の状態だと、帰って来ることができなくなりそうです。そのために、「おかえりドア」をつけておきました。NORAが万一、脱出した際は、一応、このドアを開けておくそうです。
蝶番や鍵までついてますよ! あは!
このドアは、NORAの好む経路の一隅にありますので、彼女は発見できるに違いないと、みほさんは言っています。
ドアをあけると、ずっと向こうへ続く小道です。ちょっと、わくわくしますね!
ここを歩くのが好きなNORAの気持ちがわかります。わたしも、抜け出してみたくなりました!
NORAはといえば、先日、やつれて帰宅して以来、一度もご近所へ脱出していませんから、遊びに行きたい気持ちでいっぱいです。
夜になると、毎晩、ミャアミャアと鳴いてまるおさんとみほさんを叩き起こし、苦情を申し立てていました。みほさんは、柵ができるまでは、夜はNORAを家の中に入れておこうと決めたものの、彼女の自己主張の強さには辟易しています。
夜は散々、騒いでおきながら、日中はみほさんの書斎のバルコニーのあたりで、くつろいだり、熟睡したり。気ままなものです。
このベルは、近所のペットショップでみほさんが見つけました。かわいいですね! いちごの形のもあるんですよ。
ところでROCKYですが、益々、お兄さんになっています。発情期のROCKYをNORAが疎ましがっている……とばかり思っていましたが、だからといって、ROCKYばかりに問題があるわけではないんですよ!
追っかけっこをする様子などは、以前とあまりかわりがありません。ただ、深夜になると、ROCKYの発情度、がアップするようなので、彼の手術が終わるまでは、夜は別々の場所に隔離しています。
こちらは、寝ているNORAに、ちょっかいを出そうと構えているROCKY。
みほさんが、ピアノを弾きながら歌っていると、必ず2匹はやってきます。音楽が好きなんですね!
でも、2匹とも、あっという間に寝てしまいます。幸せそうです。
こうして2匹が並んでいるのを見ると、ROCKYがいかに大きくなったかがわかります。NORAはまだ、逃亡前の体重に完全に戻っていなくて、3.4キロ〜3.5キロ程度。以前より200グラムほど軽いのですが、体調はすっかり元に戻って元気です。
NORAを抱っこすると、ふわふわと軽い気がして、みほさんはちょっと心配なのです。
ところが、今朝、ふと思い当たりました。ROCKYが、重いから、NORAが軽く感じるのだ、ということに。
そういえば、ROCKYの体重は、2キロくらいのときから、測っていません。超久しぶりに測定したところ……。
なんと! 4.2キロもあるではありませんか!!
見た目はさほど太っても見えなかったのですが、さすが「細マッチョ」ですね! 動きも機敏ですし、軽やかに駆け巡るので、とてもそんなに重いとは、みほさんは思ってもみませんでした。
でも、こうして見ると、お腹のあたりの密度が、NORAよりもずっと高いのです。よく食べ、よく遊んで、よく成長しています。さすが男子です。
でも、どんなに大きくなっても、やることは子供っぽいです。
みほさんの嫌がることを、優先するように、やります。書斎の書棚によじのぼって、もぐってみたり。
でも、ROCKYのかわいらしさに、みほさんはついつい、甘やかして許してしまいます。
NORAの後ろ姿。この脚の感じが、みほさんは大好きなのだそうです。
猫の飼い主歴、1年足らずのみほさん。猫にとっても、自分たちにとっても、最もいい環境がどのようなものなのか、よくわかりません。いろいろな資料を読むと、それぞれにいろいろな説があります。
でも、どれもこれも、人間が書いた物ですから、猫の気持ちはわかりません。ましてや、アメリカの猫、日本の猫、インドの猫とでは、考え方も、外の環境も違います。
取り敢えずは、おいしくて健康的な食べ物と、水と、ゆっくり眠れる場所。自由に駆け回れる場所。それらがあるので、大丈夫なはず、です。
NORAさん。ご近所に出られなくてご不満かもしれないけれど、あまりふてくされないでくださいね。