祈らずにはいられないようなできごとがある。
そのことを考えながら、花屋に並んでいた花を眺めていた。
背筋がしゃんとするような、心がすっとするような、花を選ぶ。
それらを大切に、腕に抱えて帰る。
野菜のような茎を、スパッ、スパッと切りそろえながら、
気持ちを調える。
わたしは、わたしにできることを、
精一杯やることしかできないし、
そうすることが大切なのだ、と思いながら。
夕方、仕事を終えて帰ってきた夫に、花を指し示す。
「うわあ、きれいなチューリップだねえ!」
この人と出会って、本当によかったと思う。