こうしてカメラに収めると、ちっともおいしそうに見えないのが気の毒なミルク粥。
インドのマルハン家で、料理人のケサールが作ってくれたミルク粥は、疲労した身体に染み入るようだった。だからその、オーガニックの「全粒小麦」を、一袋、もらってきていたのだった。
鍋にミルクを入れ、全粒小麦をササーッと入れて、弱火でゆっくり30分ほど煮込む。最後にレーズンをいれ、ほんの少しはちみつをかけて、木のスプーンで食べる。
今から約2500年前、ゴーダマ・シッダールタは、北インドのボードガヤで、長い修業をしていた。苦行ののち、疲弊しきっていたシッダールタは、菩提樹によりかかり、朦朧としていた。そんな彼に、スジャータという村娘が「ミルク粥」を差し出した。そのミルク粥のおかげで、シッダールタは生気を取り戻し、その後、悟りを開いたという。
なんだかとても、ありがた〜い気持ちになる、ミルク粥は、朝ご飯なのである。