ずいぶんと時間をかけて、ようやくたどり着いたバンガロア。
深夜の空港は、いつものように煌々と灯が点り、
欧州からの飛行機も到着し、活気に満ちあふれている。
市街を覆い尽くす排気ガスも、夜は晴れて、
秋の、軽くやさしい風が心地よく吹き抜ける。
出迎えてくれている、ホテルのドライヴァーにようやく、
山ほどの荷物を託して、
渋滞のない夜の道を、ホテルに向かって走り行く。
もう、旅行ではない。
アメリカに、帰る場所はない。
ここが、わたしたちのしばらくの、帰る場所になる。
……変な感じだ。
長旅の果て、うすら汚れた、というかどよんとしている我ではあるが、この山ほどのスーツケースに、引っ越しの臨場感が出ているかと思い、敢えて載せるのである。
一方、散髪して妙にすっきりした雰囲気のハニー。到着したTaj West Endの部屋のバルコニーで、ウェルカムドリンク(スイカジュース)を飲んでいるところ。ちなみにわたしは、パイナップルジュース。