●全身マッサージを自宅で。
今日でちょうど、インド移住2カ月となった。なんという2カ月だったろうか。うち3分の2はホテルライフで、なかなか落ち着けなかったけれど、これから数週間は、しばらく「定住」できそうだ。無論アルヴィンドは木曜からまたまたまたしてもムンバイ2泊3日だけれど。
実は、来月早々米国に行く予定だったのだが、数日前、キャンセルになった。
ハーヴァードビジネススクールのカンファレンスで、インド経済の動向云々についてしゃべってほしいとの依頼が来ていたのだが(もちろん夫に)、こちらでの仕事が多忙につき、行けなくなったのだ。夫としては行きたかったようだが、わたしとしては、ちょっと気が楽になった。
なにしろ、冬のボストンは寒い。さらにはニューヨークにも行く予定だったのだが、やはり2月のニューヨークも寒いばかりでぱっとしないし。
そんなわけで、なんとなく、肩の荷が下りたここ数日。
その一方で、「月曜日」に届く予定だったカリフォルニア発送の荷物。「予想通り」、月曜が火曜となり、火曜が水曜となり……なかなか予定通りに物事が運ばない。インドでも、更に時間のずれに寛容な(ルーズな)南インド。催促やら確認やらの電話にエネルギーを要する。
予定など、ないに等しいのだとわかっていても、腹が立つ。とっとと片付けて、次のステージに移りたい身としては、切羽詰まっているわけでもないのに、急かしたい。我慢をすれば、ストレスが溜まる。
インド地獄のぬかるみにはまりかけたときには、インドの「天国」部分を満喫するしかないだろう。今朝はオイルマッサージに来てもらうことにした。1時間半ほど、頭の先から身体の隅々まで、マッサージしてもらう心地よさ。わたしは特に「顔」が凝っているらしく(どういう顔だ)、フェイシャルではない、かなり力の入ったマッサージをしてもらう。
すると、フェイシャルでは得られない、「顔の皮膚の柔らかさ」が実現するから不思議。顔の血色もよくなる感じ。で、くどいようだけれど300ルピー。7ドル程度である。……極楽。
●力仕事不要! 一声で男手が集まる。
午後、希望的観測によるところの明日の荷物到着を控え、急に模様替えがしたくなった。家具が届くままに、なんとなくレイアウトしていたのだが、今朝、不動産会社のおじさんが来て、「このデスクは向こうに置いた方がいいのでは?」などとアドヴァイスされたら、すっかりその気になったのだ。
ここが米国や日本なら、「でもね。家具を動かすのは大変だし……」
ということになる。でもインドなら大丈夫! ランチのあとにマネージメントオフィスに立ち寄る。
「模様替えをしたいから、男手を数人、借りたいんですけれど、いいかしらん」
もう、この一言で1時間後に男子2名登場。だいたい1時間に一人50ルピーほど払えばいいらしい。つまり1ドルね。もちろん、模様替えに1時間もかからないから、彼らにしてみても「いいお小遣い」だ。
「この机、あっちの部屋に」
「このショーケースは向こうに。ガラス、気をつけてね」
「TVはあっちに。ケーブルの接続もやってね」
「このチェストは、ここかな……。う〜ん。やっぱりあっちに運んで!」
模様替えも思いのまま、である。
30分もせぬうちに、模様替え完了。ちょうど買い物に出ていたモハンが帰って来たときにはすっかり様子が変わっていて、彼は目を丸くしていた。まさかわたしが一人で動かしたとは思わないだろうけれど、言葉が通じないので、説明もせず、軽く笑っておいた。ふふふ。