有閑マダムでも、夕刊マダムでも、ましてや羊羹マダムでもない。インドライフを「勇敢マダム」として生きてみようではないかと思う昨今。勇敢に町を歩き、勇敢に埃まみれになるのはいいが、気になるのはお肌のコンディション。
ワシントンDCからカリフォルニアに移ったときも、気候の変化で恒常的に肌の調子が悪かったが、バンガロア(バンガロール)に移ってからは、よりいっそう「今ひとつの肌状態」が続いている。
そもそも、日本時代(20代)には、フェイシャルやスパなどとは無縁、紫外線を浴びまくって町を闊歩していた。ニューヨークに移った30代になってようやく、フェイシャルにでも行ってみようかという、精神的、時間的余裕が出て来た。
大きなきっかけとなったのは、フランスのちょっと高級な化粧品を用いたのが原因で、にきびがたくさんでき(急に栄養を与えすぎたのが災いした)、今や大切な友人のひとりである静さんが経営しているSHIZUKA new yorkに足を運んだことだった。
日焼け止めがいかに大切かを学んだのも彼女からだし、あれこれと塗りたくるのがいいわけではないということを知ったのも、彼女を通してだった。加えて言えば、身体を毎日ごしごしと洗うのも、肌にとってよくない。石けんを使ってしっかり洗うのは、数日に一度でいいのだということを聞いて、先日の生涯、耳掃除不要。事件と並ぶほどの、衝撃を受けたものである。
それはさておき、35歳を過ぎた頃になってようやく、遅ればせながら「お肌の曲がり角」対策を始めたわたしは、DCに移ってからも、あちこちのスパやサロンを渡り歩き、「お気に入りのエステティシャン」探しをしていた。これが、なかなか難しい。スパの雰囲気はいいが、エステティシャンはいまいち、とか、その逆、とか、なにしろ理想通りにはいかないのだ。
そんな折、数年前に初めてバンガロアを訪れたとき、義父ロメイシュの友人の娘がバンガロアでビューティーサロンをやっていると知った。試しに行ってみた。上の写真のサロンがそれだ。
はっきりいって、全くくつろげる雰囲気ではない。美容院とマッサージールームとネイルケアコーナーが渾然一体となった、非常に使い勝手の悪いレイアウトで、清潔感もない。なんだかんだと散らかっている。それはもう、ホテル内のスパなどの方が遥かにいい。しかし、オーストラリアで修行して来たと言うその娘、ザイナブのテクニックがすばらしいのだ。
加えて、ザイナブがサロンで使用しているナチュラルプロダクツもわたしの肌に合うようで、一度訪れたあと、非常に肌がすっきりとして気持ちがよかった。
彼女に勧められた激安・格安インドコスメを買いだめし、しばらくは米国でもそれを使用していた。それらが切れて、ちょっと高級な化粧品に手を出したりもしたけれど、結論から言うと、高い物も安い物も、効果に大差ない。だったら、高い物を買う意味はない。
わたしが愛用している、アーユルヴェーダのレシピに基づいた激安・格安インドコスメ&シャンプー(コンディショナー不要で洗髪簡単)については、また後日、紹介しようと思う。
しかし40歳を過ぎて、美容液くらいはいいものを使った方がいいのでは、と思う心もある。日本のコスメサイトを調査した結果、ゲランの商品に引かれた。ついてはこの間、米国を離れる際のサンフランシスコ空港免税店にて、奮発してゲランの美容液を買ってみたのだった。
確かに、お肌に張りが出るような気はする。しかし、どうにも栄養過多の傾向は否めない。使ってもいいけど、使わなくてもいい気もする。
さて、インド移住後はや2カ月半が過ぎたが、その間に、すでに2回、フェイシャルを受けた。しかし効果は今ひとつ。ザイナブのフェイシャルを受けたいが、しかしあのサロンには「くつろぎ」とか「リラクセーション」というコンセプトがない。しかし、何を隠そう、このサロン、我が家から徒歩5分の至近距離である上、ホテルなどのスパより遥かに安い。
そんなわけで、今日、久しぶりに出かけたのだった。あいにく、ザイナブ自身は腰痛のため休んでいたが、彼女と同様のスキルを持つと言う女性が担当してくれた。
まとめていろいろやってもらおうと、マネキュアにペディキュア、ヘッドマッサージにフェイシャルと3時間ほどもかけて「磨いて」いただいた。ちなみにすべて合わせて900ルピー。20ドルほどである。ふふふ。
やっぱり、ここのフェイシャルはわたしの肌にあっているようで、非常にすっきりとしている。
いかんせん、散らかってるし、今日などは女学生が3名ほどでやってきて、箸が転げて大笑い状態だし、へんなインド音楽は流れるし、ゲストの携帯電話音はぴゃらぴゃらうるさいしで、決して誰にも勧められないのが難ではある。