インドの都市では最も快適な気候のバンガロア(バンガロール)。一年を通して温暖で、寒すぎもせず、暑すぎもせず、湿気もなくて快適な高原性の気候である。
無論、現在は夏に向かっており、日中は日差しが強く、外を歩くと熱射がきついが、しかし家にいる限りは涼しく爽やかで、非常に心地が良い。朝、爽やかに吹き込む緑の風に触れた母は、とても気分がよさそうだ。
なにしろ、家事を一切せずにいい「ホテルライフ」のような日々。我が花の園、バルコニーのそばで朝のお茶を飲み、朝日にきらめく緑や花々を眺めていると、まるでリゾートのようなのである。
朝のうちは、鳩やからすに紛れて、かわいらしい小鳥の鳴き声も聞こえてくる。今日はバルコニーに小さな小鳥も遊びに来て、それがまた愛らしい。
さて、今日は軽く、町へ出かけることにした。まずは、先日買っておいたサリーのブラウスを受け取りに(また買っていたのだ!)、例の卸屋サリー店へ。母にもサリーを作ることを勧めたものの、着用が面倒とのことなので、サリーの生地でサルワールカミーズを作ってもらうことにした。
長めのドレスにパンツ、それからスカーフのセットである。生地を選び、採寸をし、大まかなデザインを決め、注文する。仕上がりは木曜日。どんなドレスに仕上がるか楽しみだ。わたしもちょっとおしゃれなサルワールカミーズを作ってもらおうかしら。仕立て賃は10ドル程度だから、気軽に「オーダーメイド」できる。
サリー店のあと、花屋でデイジーを買って替える。母は「草月流」の師範でもあり、花の生け方のセンスがとてもよいのだ。
夕刻には、アルヴィンドと3人で、小汚い近所を散歩したりなどして、のんびりと過ごす。
食事の準備も片付けもせず、洗濯掃除も不要で、読書をしたり、書き物をしたり、好きに出かけたりの日々。約1カ月ののち、母は日本に戻って日常生活に復帰できるのだろうか。なんだか、たいへんそうである。