季節は瞬く間に巡る。庭の木の新芽はぐんぐんと伸び、日々新しく。花は開き、散り、また次の花が咲いては、散る。
朝食の食卓に、初物のマンゴー。アルヴィンドもわたしも大好きな、インドの夏の果物。ムンバイ辺りからやってきたアルフォンソマンゴーを、知らずのうちにモハンが買って来てくれていたようだ。
初物のそれはしかし、すでに甘ずっぱく、風味も芳しく、一口食べれば、思わず笑顔がこぼれる。
さて、今日の午後はまた、ホテル巡り。本日はOberoiへ。バンガロア(バンガロール)のOberoiは、わたしも初めて訪れるのだ。
Oberoi系列のホテルはTaj系列と並んでインドで最もラグジュリアスなホテル。このホテルもまた、緑豊かな庭が広がり、散策に好適な場所だ。
しばし庭園を歩いたのち、カフェテラスで今日もティータイム。カリフォルニアのときもそうだったが、母は実にいい季節に、我々のところを訪れているものだ。
バンガロアへもまた、日差しの鋭い昼間は暑いとはいえ、こうして緑と風の心地よい季節に訪れられたことは、幸運なことと思う。
ホテルでしばらくのあいだ、くつろいだあと、湖畔のベーカリーへ立ち寄り、お気に入りのパンを買う。母が熱い視線を送っていたショーケースの中の「オペラ」(チョコレートケーキ)も味見にと一つ買う。
さて、母とのこともさることながら、書き留めておきたい日々の思いはあふれている。が、相変わらず追いつかない。
表層的な出来事の裏で、わたしたちを取り巻く状況は着実に変わり始めている。夫がまた、次のステップを踏み出すことになった。ここ数年間の、彼の、わたしの努力が、少しずつ実り始めている。
そういうわけで、バンガロア(バンガロール)での日々も、近い将来、幕を閉じるだろう。また、走るような日々。次なる新天地は、デリー、もしくはムンバイ。言葉は胸に込み上げてくるが、ともかくは。