旅から戻った日、つまり昨日。午前4時に就寝し、8時起床。途中に何度も目が覚めて、疲れは少しもとれていない。しかし、電話会社に出かけたり、買い物に出かけたりとするべきことがあって、ゆっくりできなかった。
さて今日は、身体をリフレッシュさせるために、夕刻よりスパの予約を入れていた。母と妹を連れて行って大好評だった、郊外のアンサナスパである。アルヴィンドは初体験。
いくらヴァケーションだったとはいえ、旅をするということは、肉体疲労を伴うものである。知らず知らずのうちに普段よりもよりいっそうの精神力や体力を要しているものだ。
数えてみれば、8回飛行機を乗り降りし、7つのホテルに泊まり、3種類のレンタカーに乗った。加えて、普段からバトルの絶えない夫と、1カ月間、朝から晩まで密着である。
最近では敢えて明記することもなくなったが、我々は出会った当初から、ささいなことで喧嘩をしてしまう、エネルギー消耗型夫婦なのである。特に夫が大人げないのである。などと臆面もなく書くわたしも大人げないのである。そんなことはどうでもいいのである。
普段ならばヨガなどをやり、精神の沈静化を図ることも可能だが、狭いホテルとなるとそれもかなわない。特に都市のホテルの場合は窓を開けることさえかなわず、そんな換気の悪い場所で汗かきの夫とヨガをともにするなど、むしろ身体に悪いというものだ。
旅行中はまた、食生活も乱れがちである。日頃の健康的な食生活に比して、塩分、糖分、油脂分の摂取が著しく上昇する。野菜を多めに、肉類を少なく、水を多く摂取し、なるたけ食べ過ぎないよう心がける必要がある。
従っては、「だっておいしいんだもん」「食べたいもん」と言い張り、カウアイ島のRoy'sにて、モルテンチョコレートケーキ(おいしいけど、劇的高カロリー。1個に卵が4つも入っている!)を2日続けて夫が注文した日には、妻はしばらく、冷戦状態をとった。
なにしろ夫は、年々太り続けているのでね。妻は昨年一年間のじわじわ減量で、渡米前の体重に落としたというのに。夫は家族性高脂血症(遺伝的にコレステロール値が高い)でもあるゆえ、体重増加だけでなく、各種成人病も気になるところなのである。
……いったいわたしは、なにを書きたかったのか。
どうもまだ、脳みそ内が混沌としているようだ。
さて、そんなわけで午前中は無事に4つの荷物がルフトハンザ航空から届けられた。とりあえずは洗濯物だけを取り出して仕分けし、モハンに託す。ただそれだけで、重労働をした気になる。
それから夫の新しいオフィスの契約とリノヴェーションの依頼に立ち会うべく外出。
夫はボディスクラブとマッサージ。わたしはマッサージとフェイシャル。小鳥や虫の声を聞きながら、そよ吹く風のなか、相変わらず、極楽なトリートメントだった。
夫はトリートメントが終わったあとも、そのコテージ風の広々としたトリートメントルームでゆっくりとお茶を飲み、なかなか出てこない。「次のゲストがいらっしゃいますので……」と催促されてようやく、着替え始めた模様。
すでに日は落ちて、薄暮の空を見上げながら、二人それぞれに、心地よさに嘆息を漏らす。
「ミホ、今日のマッサージは、旅を締めくくるエクスクラメーションマーク(感嘆符)だったね」
と夫。
旅のピリオド(終止符)ではなく、エクスクラメーションマーク。うまいこと言うじゃん!
まさに、感嘆符で旅を締めくくり、さて、明日からはまた、体調を調えて、日常生活に戻って行こう。