【新しいホテルの新しいカフェでランチ】
すっかり新居で時間を過ごしてしまい、気がつけば2時半。新居からもほど近い、ISTAという新しいホテルでランチを取ることにした。
情報誌などで目にしていたが、訪れるのは初めてのこと。風通しのいいダイニングが心地よい、雰囲気のよいカフェでランチを取る。
メインだけを注文し、サラダとスープ、デザートはブッフェというランチのセットを。ここもまた、なかなかに、いい感じである。デザートは今ひとつであったが、ピザやサラダは結構、おいしかった。
このごろは、「おいしい外食」の選択肢も徐々に増え、バンガロール生活もなにかと華やかである。
【新居小物を求めてコマーシャルストリート界隈へ】
さて、このあと、コマーシャルストリート界隈へ。ギザやファンについて、まだ実は確定するに至らず。引っ越しまでにまだしばらくあるし、悩む時間もないではない。昨日もまた、イエローページをぱらぱらとめくっていた。「なんだかいいかも」とピンと来た店に「これが最後」とばかり本日、訪れたら大当たり。
ギザ、ファンだけでなく、室内やバスルーム、庭などの電灯もバラエティ豊かに扱っている、ごちゃごちゃながらも品揃え抜群の店だったのだ。
デリーのクリスタルショップからオーダーするつもりのリヴィングルームとホールの電灯以外はすべて、ここで調達できそうだ。
たいへんな、安堵感である。
ギザやファンについては、この店の女主人より、新たな情報を入手。この間の「天使かも」なお姉さんへの感謝をすっかり忘れ、この店で買うことに決めた。
ここでも1時間近く過ごす。
その後、コマーシャルストリートへ。土曜とあって人ごみ激しく、「コマーシャルストリート初体験」なアルヴィンドは、ぶーぶーと文句を垂れて一刻も早く出て行きたいと騒ぐ。
本当は、クローゼットのハンドル部分なども、彼の意見を仰ぐために店へ連れて行こうと思ったのだが、いや、こんな面倒をして、わたしはあれこれと調達しているのだということを理解させたかったのだが、無意味であった。
不平野郎をたしなめながら歩くより、一人で決めた方がよほどいいというものだ。
帰りに近所のシグマモールで買いもの。夫は米国のDVDを買う。そしてジェラートを食べる。今日は、なんだかよく食べる。先日気になっていたベーカリーでクロワッサンも買う。一つ一つうやうやしく、箱に入れてくれた。
【ドライヴァー、ラヴィの見合いと結婚】
我が家のドライヴァー。実はすでに、4代目になっている。ケララ出身の26歳独身男性、ラヴィだ。非常に知的で感じのいい人で、今のところほとんど問題のない、とてもいいドライヴァーである。
アーユルヴェーダのふるさとでも知られるケララ州は、インドで最も識字率が高く、就学率も高い、模範的な教育のよい地。避妊教育が行き渡り、出生率が低いのもこの地だ。英国統治以前は、伝統的に女性に権力があり、母系社会であったとのこと。
さて、彼が5日間の休暇から戻って来た。見合いをのための帰省だったから、結果が気になるところだ。彼が帰省する前、
「女性に会うときには、花とお菓子を持っていった方がいいよ!」
と、アドヴァイスをしていたマイハニー。インドの田舎じゃ、そんなことはせんやろ! 心中で突っ込みつつも、「そうね」と相づちを打っていたわたし。
さっそく彼に「どうだったの?」と結果を問うのだが、浮かない顔をしている。
「ひどかったです。Very bad」
「どうして?」
「僕は、相手は20歳だと聞いていたけれど、16歳だったんです」
「そりゃあ、だめだ、子供だよね。それは、だめだよ。君とは10歳も違う」と夫。
「でも、それだけが理由じゃないでしょ。顔が好みじゃなかったんでしょ?」とわたし。
「Very bad」と彼。
笑っちゃいかんが、笑ってしまう。何十時間も列車に揺られて帰省して、収穫はなかったのか。
「もう一人、19歳の女性にも会ってきました。彼女の方は、まあ、いい感じではあったけれど、今、相性のいい星回りかどうか、占星術師に見てもらっているところです」
「占星術師? 本当に彼女が好きと思ったら、そんなこと、気にしなくていいじゃない。ちなみに僕たちは、星回りの相性なんか、見てもらったことないよ」とマイハニー。
自分ちの特異なケースを、一般のインド人に押し付けてどうする。どうにも会話の噛み合っていない、インド人の男二人である。
ラヴィの結婚。果たしてどうなるのだろう。結婚式、呼ばれなくてもケララまで休暇を兼ねて様子を見に行ってみたいものだ。