朝の光に照らされて、樹々の緑は美しく輝き、鳥はさえずり、雲はいずこへかどんどん流れさり、青空だけを残して……。
ふと、福岡のK夫人のことを思い出す。亡き夫とともに、よくお邪魔したK家。ご主人もさることながら、K夫人の斬新な考え方が好きで、K夫人に会うのがとても幸せだった。確か彼女は、アメリカで育ったのだっただろうか。
開放的な彼女には、月並みではない楽しさがあり、大好きな女性だ。彼女の家には芝生の庭があり、一本のシンボルツリーがあって、その下でお茶を飲んだりしたことを、昨日のことのように思い出す。
今、わたしは娘の家の芝生の上で、素足で歩き、お茶を飲み、夢に見ていたような生活を、娘によって叶えられている。願えば叶うもの。他力本願でもなんでもいい。本当にそう思う。