●世界最悪なバンガロール国際空港から4時間あまり。世界最高レヴェルのシンガポール空港に到着。ターミナルを出れば、ホテルのドライヴァーがMIHO SAKATAのプレートを持って、ぽつんと立っている。インドの空港の、ドライヴァーの「群れ」から該当者を探し出すのとは、雲泥の差である。それにしても、街がきれい。同じ地球上の、同じ人間の仕業とは思えぬ。
●スコールが打ち付ける朝の街を走り抜け、今回の滞在先、Shangri La Hotelへ。やや古いタイプのリゾート系ホテル。まずは部屋の準備ができるまで、ダイニングで朝食を。バラエティ豊かなブッフェのようすに、旅の疲れも忘れて旺盛な食欲である。誰がって、母がである。
●このホテルは、オーチャードロードからやや離れた市街北東部にある。ここ数年のうち、3回ほどシンガポールに立ち寄ったが、いずれも南部のマリーナ周辺だったので、今回はロケーションを変えてみたのだ。チェックインをしたあと、部屋で1時間あまり、仮眠をとる。なにしろバンガロールを発ったのが夜の11時過ぎ。4時間半ほどのフライトを経て、早朝到着。睡眠不足なのだ。
●仮眠の後は、スパへ。母とわたしはそれぞれに、フェイシャルとマッサージを。わたしはアポイントメントの時間を待つあいだ、プールで泳いだり、読書をしたり。マッサージは、最高の気持ちよさだった。アーユルヴェーダとはまた異なる、「ツボをぐっと押さえる」マッサージで旅の疲れもすっかりとれた。たとえ短いフライトだとしても、バンガロール空港は、ただバンガロール空港というだけで、そこに足を踏み入れる者を疲労困憊させてやまないのだ。
●ランチにはすでに遅く、夕食にはまだ早く。ラウンジでハイティーもやっているが、ここで中途半端に満腹になっては、夕食が入らなくなる。ベーカリーでコーヒー&ペイストリーを。その後、ホテル内の庭園を散策。バンガロールで見られるのと同じ植物がいたるところにある。思えばここもガーデンシティ。バンガロールもガーデンシティ。バンガロールも、10年前くらいまでは、きっとその名にふさわしい、緑が麗しい平穏な高原都市だったに違いないのに。
●シンガポールには、オーキッドガーデンやボタニカルガーデンや、バードパークや、ナイトサファリといったスポットもあるけれど、外を歩くのはなかなかに暑いし、母もゆっくりしたいということなので、小さいながらもホテルのガーデンでのお散歩で、見どころ見学終了である。
●ディナーはホテル内のダイニングでと決めており、最初は日本料理店のなだ万へ行くつもりだった。が、母はどうせ帰国すれば思い切り日本料理が食べられるし、わたしもここで凝った懐石料理などを食べることもない、と思い直し、ブッフェを選んだのだった。写真は母のために注文したキール・ロワイヤル。アルコールメニューのCAUTIONがキュート。
●インド料理に日本料理、中国料理にシンガポール料理、コンチネンタルと、バラエティ豊かな料理が並ぶダイニングは危険地帯。おいしそうなものを、少しずつ、厳選してお皿に盛るのである。ちなみに今夜はオイスターフェア。生ガキにひかれたが、どんな新鮮な牡蠣でもあたるときはあたる。グリルされたオイスターだけを賞味した。十分に美味であった。それにしても、母の食欲に圧倒される。わたし並みに食べる。いや、それ以上に? わたしはデザートまで到達しなかったが、母は目星をつけていたものを、制覇していた。
●部屋に用意されたウェルカムフルーツとチャイニーズティー。ベッドの寝心地もよく、なかなかに快適なホテルだ。今回、少々割高になるものの、ホテルのウェブサイトを通して「ヴァリューパック」を予約した。空港からの送り迎えリムジン、朝食ブッフェ、インターネット接続、ランドリーサーヴィスなどが無料提供されるうえ、最終日は午後6時までのレイトチェックアウトが可能。母は日本に帰ってからと思っていた衣類をクリーニングに出せて喜んでいる。総合的にみるに、お得なプランだ。