コートを着て、目深に帽子を被り、手袋をして、肩をすくめている人があるかと思えば、短パンにTシャツ姿で颯爽と、歩く人あり。あいかわらず、体感温度著しく異なる人々混在の街。
気温は、摂氏10度前後。昨日今日と曇天のせいもあり、寒い。わたしは革のジャケットを着ている。インドの、柔らかなパシュミナが、首の周りでふわふわと、軽く優しく温かい。
モルディヴの写真を見た方々から、とてもきれいな海ですね、とのメールをいただいた。わざわざありがとうございます。お返事を書ききれないまま、ニューヨークに来ています。感想のメールはありがたく、拝見しています。
●デジタルカメラについて。
カメラのことをよく尋ねられので(特にモルディヴ以降)、書いておこうと思う。
今使っているのは、半年前に購入した。シンガポール空港で、店の人に勧められて買ったCANONのIXUS850。これは日本のIXYだと思う。小さいカメラだが、広角で撮れる(という言い方でいいのか?)、つまり自分が後ろにぐいぐいと下がらなくても、そこそこ広い範囲が被写体におさめられるので、風景写真などにも適していると思う。
その前は、インドでEXILIMを買ったが、インドに流れ着いた商品が悪かったのか、本当にその機種が悪かったのか、ともかく使い勝手が悪かった。小さすぎるせいか手ぶれもしやすかった。旅先で調子が悪くなったので、急ぎシンガポール空港で別のカメラを調達したのだった。
その前は、SONYのCYBER SHOTを使っていた。その前は、確かOLYMPUSだった。いずれも、そのときそのときで、満足していたが、故障したりなどを理由に買い替えた。折に触れて捨てずにいる古いカメラを取りだすと、その重量感に驚く。古いものは、重くて大きい。
一眼レフのデジタルカメラも持ってはいるが、最近はあまり使わない。2005年のカリフォルニア時代に、プロ用ではなく、もっとも手頃なCANON EOSのREBELというものを買った。日本では確かKISSという名で売られている。
シャッタースピードが速いし、画像も色がきれいだし、最初は喜んで使っていたが、やはり重く、かさばる。プロ用の、もっとしっかりした高級なカメラであれば、仕上がりはもっとクリアで明らかに一眼レフだとわかる印象を受けるが、そこまでではない中途半端な存在感。
被写体によっては、普通の小さいデジタルカメラで撮ったものと、大差ない場合もある。多分、小さいカメラの機能がどんどん進化して、シャッタースピードも速くなっているから、そう感じるのかもしれない。
ちなみに、去年のニューヨークの写真。1日目、2日目あたりの写真は一眼レフで撮っている。改めて見ると、確かにきれいだな、とは思う。しかし、4日目、5日目と著しく違うかと言われれば、そうでもないと思うのだが、どうだろう。
お気づきかもしれないが、仕上がりの縦横の比率差が大きいもの、つまり若干「縦長」もしくは「横長」の写真が、一眼レフで撮影しているものだ。
両方のカメラで撮り比べると、その違いがかなりわかるが、基本的には撮り比べたりしないので、そこそこその場の雰囲気が伝わればいいと思っている。
そんなわけで、一眼レフはここ1年ほど、ほとんど使っていない。
従って旅行時は、荷物も軽めにCANON IXUSを使用している。モルディヴの写真もすべてこれだ。
他にもいろいろと優れた機能のあるデジタルカメラが次々と販売されているようだが、機械そのものにはあまり関心がないので、よくわからない。
撮影もマニュアルは使ったことがない。買うたびに説明書を読もうと思うが、読まなくてもそこそこ撮影できてしまうので、オート機能一本やり。たまにチューリップマーク(接写機能)を使う程度だ。
デジタルカメラのいいところは、何枚でも「撮り直し」がきくところだと思う。自分が撮りたいと思った同じ被写体を何枚か異なる角度で撮影してみて、自分の好みの仕上がりを選んで行けば、自ずと気に入った写真が見えてくるのではないだろうか。