ニューヨークを訪れるにあたって、食事に関する目標と言えば「寿司」と「ステーキ」であった。インドでもビーフステーキは食べられるが、やはり豪快なアメリカのそれを食したい。
夕食にステーキを食べると胃にもたれるので、ランチタイムに食べようと出かけた。これまでいくつかのステーキハウスを試して来たが、今回、約7年ぶりにPOST HOUSEへ出かけることにした。
ところで街をゆけば、不思議な光景。工事作業員の兄さんが、こんな姿で。
一瞬、なんなのだ? と思ったが次の瞬間、気がついた。
そう、今日はハロウィーンなのだ。
昼間とはいえ、町中はユニークな服装をした人がちらほらと。
無論、ニューヨークは平時でも不思議な服装の人が多く、仮装なのか平服なのか、判断しかねる場合が多いのも事実。
さて、ステーキハウスである。なぜPOST HOUSEを選んだかといえば、7、8年前に出かけたとき、AGED BEEFが非常においしかったからだ。
牛肉のきめが細かくなめらかで、米国の典型的なラフで硬いステーキとは違ったのだ。この店のプライムリブ(肉塊を炙り焼いたあとにスライスする、ローストビーフのような製法のステーキ)もおいしかった。
プライムリブといえば、ワシントンDCのその名も「THE PRIME RIB」というレストランのプライムリブがまた、おいしいのである。
さておき、今日のランチであるが、あの滑らかなビーフはいずこ。米国にありがちな、粗い舌触りの肉にかわっていた。がっかりであった。しかし、それなりに、おいしかった。
それにしても、だ。このボリューム。サイドディッシュも半端じゃない。1人前だが、2人でも食べきれないほど。最早「苦笑い」な我々だ。
1年半前に訪れたBLTもすごかった。
1年前にエミさんたちと会ったSPARKSもすごかった。アメリカのステーキハウスのステーキは、本当に、呆れるほどに大きい。それを平らげ、更にはデザートまでも注文する米国人の胃袋に乾杯である。
さてさて、今日はハロウィーン。せっかくだからダウンタウンのパレードでも見に行こうということに。
実は昨日、イーストヴィレッジで「被り物」を買っていたのだ。なにしろ旅行者。全身仮装するほどのパッションは持ち合わせておらず、しかし「しらふ」で歩くのもつまらない。
おまけにオウムも買ったのだ。
特にセクシーなお姉さんたちに見とれる。
手足がすんなり長い人が、本当に多い。
ジーンズを試着するたび、「はかま的」になってしまう理由がよくわかる。
裾直しをせずにすむジーンズを探すのには、なかなか苦労するのであるここニューヨーク。
露出度の高いお姉さんたちとすれ違うたび、首が180度回転するアルヴィンド。
あからさまにもほどがあるというものである。
ポリスですら、仕事中にも関わらず、お姉さんたちに記念撮影を頼んでいる。いいんですか? お仕事中に。
「僕も、一緒に撮ってもらいたい!」
と訴える夫の手を引っ張って歩く。
パレードそのものは人だかりがすごすぎて何が何やらわからず面白くなかったが、界隈を歩く人々を見ているのが楽しい夜であった。
本物のオウムを連れているおじさんもいた。
とても美しい声で鳴くオウムに目を奪われつつ、
「負けたね」
と言いながら、自らのオウムの頭をなでるハニーであった。