夕暮れの街。
車を降りれば、たちまちに喧噪。
毎度、オートリクショーのブンブンとゆき、
煎りピーナッツ売りの鉄鍋鳴らすチンチンと、
肌色の空が、みるみる赤らんでゆくのを、
舗道から溢れながら行く人々の、
波の直中、立っているだけで、
逆らうみたいな様子で。
虚ろに眺めるは、日没の劇場。
空の色はそのままに、不図、舞台は暗転。停電。
叫びを上げ飛び立つカラスら。
漆黒の建築物は影絵となりて、
木枝の様子と溶け合いて麗し。
変わらずの騒音と埃と人ごみの、
終わりなき、芝居。
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