毎年、1月から3月にかけては、公私ともに立て込む。本業、そしてミューズ・クリエイションの活動に加え、義父の数週間に亘る滞在など。
そんな最中、新たなイヴェント出演が舞い込み、ようやく先週の土曜日無事終了し、ひと段落したのだった。2月は、よく歌い、よく踊った。
All Women World Arts Festival 2017という、かなりダイナミックなタイトルが冠せられたこのイヴェント。主宰者であるスリヴァスタ氏から出演の打診を受けたのは、ジャパン・ハッバを目前に控えていたときのこと。
今ひとつ事情が飲み込めなかったものの、何度か電話やメールでやりとりをし、国や州の文化省からサポートされていることなどがわかった。その後、ミューズ・クリエイションのメンバーと相談をして出演することに決めたのだった。
ダイナミックなタイトルを見ると、複数名の運営者が関わっているのかと思いきや、本業がフォトグラファーだというスリヴァスタ氏が独自で動いている様子。
彼が個人的に、インド各地のパフォーマーに出演を打診し、この1カ月間、毎日のようにイヴェントを実施してきたようだ。わたしたちは、中でも「国際色豊かな感じ」を出すために駆り出された出演者だと思われる。
なお昨年、彼は、ヒジュラーと呼ばれるトランスジェンダーの人々のダンスイヴェントを主宰している。この件については、個人的にも関心のあるところだが、話が長くなるので割愛する。
イヴェント前日の金曜日は祝日だったため、前倒しで木曜日にサロン・ド・ミューズをオープン。平日は義姉スジャータの家に泊まっていたロメイシュ・パパがやってきて、集まりの最中、「嫁」もする。
先日、パパが「このごろアップル・クランブルがお気に入り」だと言っていたので、初挑戦。
アメリカンな感じのレシピにて。素材は、りんご、ジャガリ(無精製の天然の糖)、小麦粉、バター、シナモンパウダー。ともかく簡単! まだ温かいアップル・クランブルに、お気に入りのアイスクリームのミルク味を添えて出す。とてもおいしかった!
焼いている間、ROCKYがキッチンの窓から入りたがってたいへん。猫にとっても、とてもいい匂いだったに違いない。おやつのレシピなどは、後日、食のブログに記したい。
ともあれ、この日が最後のサロン参加となるメンバー母娘のデュエットもすばらしく、非常に心温まる午後であった。女性らに囲まれて、パパもとても、幸せそうだった。
翌日金曜日は、空港近くに現在建築中の物件を見に行く。結構、できてる? と思いきや、こちらはよそのお宅。
我が家は第2フェーズゆえ、現在、基礎及び地下のシアタールームあたりが作られている。当初からの予測通り、工期は絶賛遅延中であるが、ファイナンシャルの面は夫が交渉していることもあり、特に完成を急いでいるわけでもないので、問題はない。1年後には、完成すると予測される。
内装に関する打ち合わせが数カ月後に始まるので、それは楽しみだ。なにしろ、工事現場関係、好きなので。思い返せば購入時はスケルトン状態だった今の家も、わずか2カ月足らずで、本当にがんばって、業者とやりとりをして、作り上げたものである。この件に関しては、我ながら、本当によくやったと思う。
と、我が家の話はさておき。
イヴェント当日は朝から何かとケイオス。
前日に電話取材を受けていた新聞記事を取り寄せて、家族でわいわい盛り上がったりしていたものの。メイドがいないこともあり、朝昼の食事の用意に加え、自分の歌の最終練習に踊りの練習……。
慌てていると、いいことはない。キッチンで、皿を1枚、割ってしまう。
やれやれ落ち着かねばと、わたしが寝室のトイレに入っていたら、JACKがミャオミャオといいながらやってきて、そのあと、こともあろうか、わたしたちのベッドに放尿!!
猫のくせに、連れション?!!
ベッドでもぞもぞと「土を振りかける」仕草をするJACKをがしっとつかみ、文字通りフロアに放り投げ、大慌てでブランケットやシーツを剥がして洗濯機に放り込む。
そうこうしているうちに出かける時間……!
市街西部にあるイスコン・テンプルは自宅から車で45分ほどの場所にある。多くの日本人駐在員家族が暮らすブリゲード・ゲートウェイというアパートメント・コンプレックスのすぐそばだ。
ヒンドゥー教のクリシュナ神を祀るこのイスコン・テンプル。実は古くから、貧困層の子供達に無償で食事を提供する活動を行っており、それを端緒に、「アクシャヤ・パトラ」という世界最大の給食センターに発展している。
わたしがインドへ来て、ミューズ・クリエイション以前にヴォランティア活動を始めようと思うようになった契機の一つが、あるとき、このアクシャヤ・パトラの給食センターのバスを見かけたことだった。
前を走るバスの背後に記された文字に、目が釘付けになった。
"Feeding for a hungry child is not charity. It's our social responsibility.”
「お腹を空かした子供に食事を与えることは、チャリティ(慈善)ではありません。我々の社会的責任です」
ほぼ、自分のためだけに生きてきたわたしは、ヴォランティア活動にさほど関心があるわけではなかった。が、インドで暮らすうちにも、何かをせずにはいられない心境に、なってもいた。そんな中、この言葉は、わたしを「行動に移させる」大きな契機となったのだった。
実は5年前、この給食センターを見学してブログや新聞に記事を書いた。参考までに、以下リンクをはっておく。
◎遍くこどもに給食を。食事が育むインドの未来。 (←CLICK!)
一時帰国中などで参加メンバーが少なめだったものの、クワイア&ダンサーズともに、充実のパフォーマンスを披露することができた。チーム・ハンディクラフトのメンバーや家族の方々の来訪もあり、とてもアットホームな雰囲気だった。
舞台裏はといえば、音響だとかステージの具合だとかはもう、本当に、毎度、問題はつきない。ステージは奥行きがない上に、フロアがカーペットで「つんのめり」やすく、非常に踊りにくかった。
が、無事に終えられた。終わりよければすべてよし、だ。
ダンサーズの指揮を執ってくれたメンバーは、パフォーマンスを終えたあと、空港へ赴いての本帰国となった。最後の最後に、歌って踊ってお別れができて、きっといい思い出になったことだろう。
たとえ数を重ねても、同じようなことをやっていても、メンバーの入れ替わりが多いミューズ・クリエイションにあっては特に、一回一回が、大切な思い出。丁寧に向き合わなければ、と改めて思う。
★以下、披露したパフォーマンスの中からそれぞれ1曲ずつ、計3つの動画をYoutubeにアップロードした。ぜひご覧いただければと思う
★MUSE CHOIR 『花は咲く』コーラス
★MUSE DANCERS『千本櫻』ダンス
★Haruyo & Miho『ふるさと』
主催者であるスリヴァスタ氏の本業がフォトグラファーだということもあるのか、複数のメディア関係者がイヴェントに訪れ、ゲストは少なかったものの、メディアの露出度はかなりのものだった。
下部に、読めない文字の新聞含め(地元カンナダ語)、各種記事や写真などを転載する。
Times of Indiaのローカル版。驚くことに、今回の出演者全員が、写真に収められていた。観客席のメンバーやその家族、アルヴィンドやロメイシュ・パパの姿も。
◎かつて西日本新聞に連載していたとき、アクシャヤ・パトラを取り上げた記事。
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