2006年6月29日 (木)

九龍島にて。金魚、茶餐廰、廟、翡翠

29temple08

29subway【地下鉄で九龍島へ】 香港は、繁華街だらけだ。東京ほどではないにしろ、あっちこっちが賑わっている。さて今日は、更なる繁華街が広がる対岸の九龍島へ行こうと思う。フェリーで行くのが眺めよく気分良さそうではあるが、ホテルからは地下鉄が近く、乗り換えなしで行ける手っ取り早さゆえ、地下鉄で行く。

地下鉄路線図は極めてシンプル。間違いなく目的地にたどり着けそうだ。それにしても、地下鉄駅のムードが東京と酷似している。前回同様、日本に戻って来ているような錯覚に、しばしば陥る。それにしても、エスカレータの速度が早過ぎる。波に乗れず、何度か態勢を崩しそうになる。お年寄りには無理な速度だ。危ない。


29pet2【金魚市で金魚、鯉を見る】 地下鉄の旺角(モンコック)駅を下りて歩く。かなり蒸し暑い。まずは金魚市を目指す。市といっても、露店が出ているのではなく、通り沿いに金魚や鯉の店がぎっしりと軒を連ねているのだ。

金魚や鯉、カメなどの店に紛れて、犬や猫、ハムスターやウサギ類のペットショップも見られる。写真のこのフワフワとした生き物の名前は知らないけれど、触ったらものすご〜く柔らかくて、かわいかった〜!! 連れて帰りたくなった。

29fish0129fish0229fish03

それにつけても、あっちこっちで膨大な数の金魚が売られている。これだけの需要があるということが驚きである。金魚は生活必需品なのか? 風水上、欠かせない「アイテム」なのか? 小さなビニル袋に数匹ずつ入れられた金魚の、しかし彩り豊かで美しいこと。香港の人々は、「花を買う」ように、「金魚を買う」のだろうか?


29street2【女人街を通過し茶餐廰探訪】 金魚を眺め歩いたあとは、通菜街にあるレディスマーケット(女人街)へ。どんなものかと興味本位で訪れてはみたが、ここは安物の露天市である。

特に見たいもの、欲しいものが見当たらないので、早々に引き上げて、そろそろどこかでランチでも……と思う。が、これまた選択肢の多さに迷う。

29food07どうしてこんなに食関連の店が多いのだろうかと呆れるくらいに、多い。いったい何を食べればいいのかわからなくなる。

ところで、ランチに便利なのは茶餐廰と呼ばれる食堂。麺類や御飯ものに野菜やドリンクが付いた「定食」が用意されている。一人でも、ふらりと入ってタタッとおいしいものを食べられるのがいい。

餃子に排骨、叉焼、鶏肉……。見た目は怪しげ、精力がつきそうな、漢方臭いっぱいの食べ物もある。

店頭に、日本のガイドブックの記事を貼り出している店も少なくない。記事を一つ一つ読んだりしているうちに、尚更、何を食べていいのやら、わからなくなってくる。

29food0329food0229food01

29food0429food0629food05


29spa01【足ツボマッサージのあと、ランチ】 蒸し暑い上、喧噪と騒音、視覚的情報量の多さにたちまち疲労感。食事の前に、これはフットマッサージに行くべきだと思う。ふらふらと歩いていたら、旺角駅近くのランガム・プレイスに「水云荘」という足ツボマッサージの店を発見。早速入る。

ここは雰囲気もよく、サーヴィスもいい。足を温浴し、軽くソルトでマッサージしてもらったあと、灯りを落とした別室で、座り心地のいいソファーにてマッサージ。抜群の気持ちよさで、あっという間に眠りの中。

前回、数軒の店でフットマッサージを体験したが、ここが今のところ一番である。また来たい。 

29lunchすっかりいい気分のあとは、もう、小汚い食堂でランチを食べる気を失い、ショッピングモールへ。ここのフードコートに、しかし「食堂的」な定食屋を発見。

牛筋肉と上海風餃子が入ったヌードル、それにチャイニーズブロッコリの炒め物、豆乳のセットを注文。予想以上においしくて満足。ちなみにUS$5程度と、手頃なお値段。しかもヘルシーである。

食後、モール内をうろうろとしていたら、MUJI(日本の無印良品)を発見。ついつい、小物やらノートやら胡麻せんべい(!)やらを買ってしまう。荷物が重いと歩くのが辛くなるから買い物はしないと思っていたのに、しょうもないものを買ってしまった。


29temple0529temple0629temple02

【ひたすら歩く。廟を詣る】 南北に走る目抜き通り、ネイザンロードを行き来しながら南下する。賑やかな夜市で知られるテンプルストリート(廟街)を通過して、天后廟に立ち寄る。海の神様である天后は、香港で最も人気のある神様の一人で、天后廟はあちこちに点在しているという。

29temple0429temple03_1

天井には、信者らが購入した渦巻き状の線香が吊るされていて、煙がもうもうと立ちこめている。写真の説明にある通り、十日間、燃え続けるのだという。

蒸し暑い最中ではあるが、線香の香りに身を清められるような思いがして、しばらく境内ですごした。


29market329market2

29market529market

【玉石混淆の翡翠市】 更に歩く。歩いて玉器市場(翡翠マーケット)へ行く。緑色の翡翠は、好きではないのだけれど、これもまた、「見学」である。インドではセミプレシャスストーン(半貴石)が安くで手に入るから、ここで買い物をすることもない。

が、ハートの形をしたガラス玉の、かわいらしいペンダントを見つけてしまったので、しかも格安だったので、2つほど、買う。ここは値段交渉をして買うのが「おきまり」のようである。

29mangoそんなこんなで数時間歩き続けた。途中の甘味処でマンゴーのデザートなどを味わい、休憩をいれつつ、歩いた。

蒸し暑いと、さすがに疲労度も高まる。夕方、地下鉄に乗って、ホテルに戻った。プールでひと泳ぎし、ジャクージーでリラックスし、スチームサウナで汗を流し、シャワーを浴びてすっきり。

夫は本日、同僚とのディナーミーティングにつき、わたしはモール内のレストランで軽く夕食をすませた。

よく歩いた。いい一日だった。

2006年6月28日 (水)

香港に着いてます。食べてます。米、買ってます。

28dinner

■シンガポール経由で香港到着。初日は四川料理

27view0127日の午後、香港に到着した。空港から地下鉄で市街へと向かう。今回の滞在先も、九龍島ではなく香港島。アルヴィンドのオフィスがあるセントラルに近いアドミラルティ(金鐘)にあるホテルだ。

前回は雨降りだったため車窓からの眺めが悪かったが、今日は道中の風景を楽しみながら行く。香港はバンガロールに比べると遥かに蒸し暑い。

27pool012ホテルにチェックインしたあとは、早速プールへ泳ぎに行く。なにしろ、深夜にバンガロールを出発して以来、シンガポールまでの数時間と、シンガポールから香港までの数時間のフライトで、ほんの少し寝ただけだから、疲れている。こんなときには、泳いで体調を整えるのが一番である。

27mall02泳いでさっぱりしたあとは、ホテルに隣接するパシフィックプレイスというショッピングモールへ。建物の外に出ることなくモールに直行できるのがとても便利。香港は今、セールのシーズンらしく、あちこちでディスカウントの表示が見られるが、取りあえずはウインドーショッピング。

インド価格に慣れていると、久々に見る高級ブランドのブティックなどの価格がとてつもなく高く思えて、すんなり通過してしまえるところがいいような寂しいような……。

さて、この日の夕餉は四川料理を食べに行った。麻婆豆腐にエビチリ、チンゲンサイのガーリック炒め。相当にスパイシーだ。

27mall0427dinner01

わたしは辛い料理は好きで、問題なく食べられるが、アルヴィンドは好きだがあまり辛みに強くない。ちなみに義父ロメイシュは、ちょっとでも辛いものを口にすると汗をかいて、たいへんである。親子揃ってインド人らしからぬ、二人である。

さて、辛みに強くないにもかかわらず、マイハニーは麻婆豆腐が食べたいと主張するので注文したが、やはり彼には辛すぎたようだ。唐辛子に加え黒こしょうも利いている。涙目になりながら、お茶をがぶがぶ飲みながら、「おいしいよね!」と負けん気を見せながら、食べていた。

さて、明日から夫は出社である。妻はヴァケーションである。お互い、がんばろう!


■雨の一日。モールを散策し、米を買い、今夜は北京料理

27mall03あいにく翌日28日は、雨である。しかし、モールが隣接しているので、外へ出なくても歩き回れるのがよい。

朝食ブッフェは朝粥が美味である。スモークサーモンもおいしい。朝から飛ばしすぎないように、ほどほどを食したあと、モールへ出かける。モールの地下に、インターナショナルなスーパーマーケットがあるのを、夕べ発見しておいた。

衣服その他は眺めるばかりで、ついにはスーパーマーケットへ。そうして今回の香港旅の目的であった(のか?)、日本米を早速購入。ホテルまで配達してくれるというので、重量を心配することもない。

ちなみにバンガロールから香港までのシンガポール航空は、ビジネスクラスでもチェックインの荷物は一人30kgまでと少なめ。これでは大した量を買えないではないかと一瞬、落胆したが、じっくりと確認したところ、夫がスターアライアランスのゴールドメンバー、わたしがブロンズメンバーに付き、それぞれ30kg、10kgの追加が可能となった。ふふふ。

米国時代はカリフォルニア米(日本の短粒米)が手に入っていたので、米に飢えることはなく、同時にそのありがたみを実感することもなかった。ところがインドに来て、よ〜くわかった。わたしには、日本の米が必要だと。いや、カリフォルニア米でもいいのだ。日本的な短粒米であれば。

28menu0328menu04

米と醤油さえあれば、やっていける。みりんと料理酒、味噌があればなおよい。インド移住後半年を経て、そんな心境である。そりゃあ、新鮮な魚が欲しい、刺身が食べたいなどと欲を言えばきりがない。そんなものは、たまに食べられればそれでいいのだ。

そんなわけで、日本米。そのスーパーマーケットには、米国時代によく食べた懐かしの「田牧米(カリフォルニア産アキタコマチ)」があった。虫がつくのを避けるために、小さな袋入り(5ポンド、約2.26キロ)を4つカートに入れる。その時点で小さな袋入りが売り切れてしまい、もう一つ、10ポンド入りを買った。計15キロの米。

今日のところは、このくらいにしといたろか。

と、米のコーナーを離れて後、あっちへふらふら、こっちへふらふら、パン粉、きな粉に讃岐うどん、ハーブティーにカカオパウダー、片栗粉にせんべい、おかき、あれこれ購入し、幸せである。香港へ、なにしに来ているのだろうか、などと込み入ったことを考えるのはよそうと思う。

28dinner0128dinner02

さて、この日の夕食は、仕事を終えたアルヴィンドと合流して、北京料理の店へ。ダックとポークのグリル(バーベキュー)の盛り合わせ、シーフードの載った揚げ麺、そしてチャイニーズブロッコリのガーリック炒めを注文する。

28dinner03今日の料理は、昨日よりもずっとおいしい。脂っこいのが気になるが、インドでは食べられない料理ばかりだ。せっかくだから食べておきたい。今日は夫も本音で「おいしい!」と喜んでいた。

さて、明朝もちゃんとヨガをやって(ヨガマットを持参してるのよ)、プールで泳いだりして、体調、胃腸万全の態勢で、香港滞在を満喫しようと思う。

2006年4月 2日 (日)

今からサンフランシスコ

0139現在、香港の空港のラウンジです。あっという間の1週間でした。昨日は香港セブンズ(ラグビー)を観戦しました。楽しかった! 詳細はまた改めて。 

ブログに記録を残す余裕がないままに、サンフランシスコ行きです。十数時間の長いフライトですが、幸いシンガポール航空のビジネスクラス。快適なのでゆっくりできると思います。ふふふ。

サンフランシスコは滞在が短いので、ブログの更新ができるかどうか定かではなく、更にはハワイにおいては、コンピュータから離れようと思っています。つきましては、ときどき様子を見に来ていただければ幸いです。


●1カ月旅のスケジュール●

3月26日〜4月2日:香港
4月2日〜4月5日:サンフランシスコ
4月6日〜4月12日:ハワイ(カウアイ島のみ)
4月12日〜4月16日:サンフランシスコ、ナパ
4月16日〜4月22日:ニューヨーク

2006年4月 1日 (土)

香港セヴンズ:ラグビー観戦!/ ヴィクトリアピークの夜景

0105_2

わたしたちが滞在中の3月31日から4月2日の3日間にかけては、香港が一年のうちで最も、熱く賑わうころだと聞いていた。実際、31日に金曜日からは界隈の交通量も増え、ホテルのゲストも急増しているように見受けられた。

この3日間、「香港セヴンズ (Hong Kong Sevens)」と呼ばれる7人制ラグビーの国際大会が行われるのだ。ラグビーについては詳しくない我々だが、年に一度の「お祭り」と聞けば行ってみたいもの。直前のチケット入手は困難と思われたが、CEOのヴァロンがわたしたちのために手配してくれ、今朝、2枚のチケットを手に入れることができた。

ラグビーと言えば通常15人制だが、セヴンズはその名の通り7人制。基本的なルールはほぼ同じらしいが、試合時間もハーフ7分と短く、スピーディーなゲーム展開が楽しめるとのこと。

昼頃、チケットを受け取り、ホテルからほど近いスタジアムを目指す。チケットは最終ゲームが終わる8時まで終日有効。わたしたちは数時間、観戦する予定でゲートをくぐった。

0101_40103_4
今日はホテルの最上階でブランチ。ホテルからの眺めはなかなかに壮観。バスルームの窓から、スタジアムが見下ろせる。遠目からにも、観衆の熱気が伝わってくるようだ。さあ、わたしたちもあそこへ。

0104_30113

バスケットボール、ベースボール、テニスと、米国でもいくつかのスポーツ観戦を経験したけれど、満席のスタジアムには、なんとも言いがたい独特の熱気が漂っていて、知らずのうちに心が高揚させられるものだ。

日差しを避けるために、さっそくキャップを買い、ボトル水を買い(ビールは観客席に持ち込めないので)、空いている席に着く。ちょうど、ポルトガル対南アフリカの試合が始まるところだった。

01110109

なるほど、7人制というのは、人数が少ない分、一人一人の動きが遠目からでもはっきりとつかめ、「素人」にも試合展開が理解しやすい。加えて、ハーフ7分という短さが、もちろん試合の質にもよるけれど、見る者を退屈させない。

01160114

01170118

3試合目には日本チームが登場。強豪チームのニュージーランドと対戦だ。自ずと応援にも力が入る。日本チームは大健闘で、勝利かと思われたのだが、最後に逆転され残念ながら破れてしまった。それでも、観客が大いに沸く、非常にエキサイティングな試合だった。

01200121

数時間で引き上げて、香港の街を巡るつもりだったのが、次々に始まる試合に「もう一試合」「もう一試合」と見てしまう。巨大なホットドッグなどを買い、アイスクリームを買い、観戦気分も満喫。

再び日本チームが登場して、しかし対するシンガポールは非常に弱く、大差で日本の勝利。あまりにも弱い相手だと、試合そのものが単調で、いくら日本が勝ったとしても、見ている方はつまらない。

そんなこんなで、6時半を過ぎてようやく、スタジアムを離れた。

香港最後の夜は、せっかくだから夜景を見に行こうと、ヴィクトリアピークを目指す。タクシーでトラム(登山列車)乗り場まで行き、そこから長蛇の列に並んでチケットを買い、列車に乗る。

0139_1

01310138

それは、スイスの登山列車も真っ青の、たいそうに急勾配な坂をゆくトラムだった。たいそうなエネルギーで引っ張られているのがよくわかる。

支えを失ったらたちまち転げ落ちるような角度。乗っているだけなのに、なぜか自分まで動力の一部になっているような気がして、腕に力が入ってしまう。

ピークからの夜景は、すばらしかった。スモッグがかかっていて、今ひとつ鮮明さに欠けてはいたけれど、十分にその景観を堪能できた。

展望台から離れ、尾根伝いの道をしばらく歩いた。空に浮かぶは細く冷たい三日月。

8時を過ぎたころから、見下ろすビルディングがそれぞれに、光のショーを開始。サーチライトが闇を照らし、色とりどりのライトがリズミカルに点滅し、眺める我々の目を楽しませてくれる。

さて、明日の夜にはこの地を離れ、4カ月ぶりの米国だ。

無沙汰ののちの、彼の国を、我らはいかに、思うだろう。

2006年3月31日 (金)

新しい会社。新しい人々。新しい日々。

3108

ヴィクトリアピークに九龍に、夜の港やストリートショップ、訪れるべきところはたっぷりある香港だが、また近々来ることになりそうだと思うと、余裕の心持ち。今回はのんびりと、過ごそうと思う。

とはいえ、ホテルの界隈を歩くだけでも、渋谷や銀座やマンハッタンや新宿や中洲や台北を歩いている気分になるわけで、ランチを食べに出かけるだけでも、たいへんな賑わいの中に身を置くことになり、すでに「のんびり」からはほど遠い。

3104さて、夕方にはまた、アルヴィンドのオフィスに足を運ぶ。彼の会社のCEOたちとのカクテルに参加し、そのあとは新しい同僚たち夫妻と夕食に出かけることになっているのだ。

夕暮れ時のオフィスの一室。オレンジ色の太陽が沈み行くのを眺めながら、皆が揃うのを待つ。やがて夫とともに、知的で気さくな風貌の男性、CEOのヴァロンが現れた。40代後半の、インド人男性だ。

彼は米国の大学、MBAを出て、アルヴィンドと同様、マッケンンジーカンパニーのニューヨークオフィスに勤めていた時期があったという。その後、東京オフィスにもしばらく赴任していたとか。

3106香港を拠点に、米国、オーストラリア、中国、インド、韓国、日本などに、ビジネスの輪を広げている。ほどなくして、もう一人の同僚、エド(米国人)も現れ、さらには米国から出張で訪れているという取引先の男性二人(インド人と米国人)も参加して、みなでオフィスを出る。

ヴァロンを先頭に、目的のバーを目指す。オフィスビルディングを出て、モールを通過し、舗道をすり抜け、横断歩道を渡り、また別のビルディングを通過し……それぞれ、互いに言葉を交わしながら、人ごみを縫いながら、皆が揃ってすいすいと歩いて行く。

スーツの似合う男たちの、その歩調の速さと軽やかさが、無性に心地よい。またしても、わたしまでもが、同じ業界で働いているかのような錯覚に陥る。

さて、到着したそのマンダリンオリエンタルホテルのバーは、金曜の夜とあってか、込み合っている上にBGMがうるさすぎる。ヴァロンは早速、目的地を変更。再びビルディングの谷間を抜けてゆく。

到着したそこは上海レトロなムード漂う、アートギャラリーのようなインテリア。ファッションブランド「シャンハイ・タン」のオーナーが経営している店なのだとか。

ここでエドの妻、ヴァロンの妻らとも合流。みなそれぞれに、シャンパンやワインのグラスを片手に乾杯。

3109しばらく妻3人で話をする。それぞれが、欧米、アジアを含む何カ国もの居住経験を持ち、旅多く、見識豊かな女性たちだ。二人とも北海道が好きらしく、北海道に行ったことのないわたしは、彼女らから彼の地の魅力を教わったりもして、なんだかよくわからない。

さて、1時間ほどバーで過ごしたあと、わたしとアルヴィンドはお先に失礼して、今度は同僚たちとの夕食へ。何でも「日本語のメニューしかない」店があるとのことで、そこに行こうということになっているようだ。

わたしたちの滞在しているコーズウェイベイにある「いろり」という名の居酒屋がそこだった。

先日ランチをともにした北京出身のハンとその妻(インド人)のソニャ、その叔母、もう一人の同僚ダン(上海出身)とその妻(中国人)、更にはダンの友人のモルジブ出身中国人青年も合流して、総勢8人ながら、非常に多彩なバックグラウンドである。

しかし、わたしを除く妻らを含めた全員が、米国で教育を受けたエリートであるという点では共通している。ちなみに上海に住んでいるというソニャの叔母(インド人)は、夫が貿易関係の仕事をしているとかで、彼女もまた日本を含む世界各地に居住した経験を持っている。そしてなぜか、彼女もまた北海道が好きらしい。どうしたことか。

それはそうと、会話の傍ら、わたしは責任重大である。何しろ、料理の注文を一任されたのだから。刺身、寿司類だけは、個々人で頼んでもらうとして、あとはすべて、わたしの選択である。

「日本の居酒屋なんて、久しぶり〜!!」

と、感慨に浸る間もなく、海藻サラダ、小エビの唐揚げ、きんぴらごぼう、サツマイモの天ぷら、天ぷらの盛り合わせ、カボチャのサラダ、おでん、手羽先グリル、銀ダラの照り焼き、ハマチかま、レバニラ炒め、野菜炒めなどを次々に注文。

なぜか、誰もアルコールを摂取せず、ひたすら食べてしゃべるのがまたいい感じ。みなそれぞれに饒舌で、仕事の話というよりは、プライヴェートの話題。わたしたちのデリーでの真夏の結婚式の話題はやはりポイントが高く、ダンたちの4度の結婚式(ニューヨーク、上海、香港2回)や、ハンたちの3度の結婚式(米国、北京、香港)の話も興味深い。

同じような経験を持つ人たちだから、気兼ねなく話せて本当に楽しいものだ。夫が転職してくれたおかげで、わたしもまた、新しい人たちとの出会いがあってありがたい。

ちなみにダンたちはまだ20代。お肌がつやつやしている。どこを見ている。アルヴィンドがわたしよりも若いお陰で、わたし自身もまだ30代前半の気分で場に溶け込んでいられるのもいい感じ。

3110最後は鍋焼きうどんや焼きおにぎりでしめくくり、みな、「おいしかった!」ときれいに平らげてくれ、選びがいがあったというものである。

「また、アルヴィンドが出張の時には、ミホも一緒においでね!」

と、皆に声をかけられ、さて、次はいつだろう。

ヴァロンをはじめ、エド、ハン、ドン。とても温かみのある上司や同僚たちで、本当によかった。夫が久しく恵まれていなかった、会社での「平和な人間関係」が、ようやく実現しそうな気配である。

これからはアジアの時代だ。

がんばれよ、アジアの若きビジネスマンたち!

2006年3月30日 (木)

食深し 隣は何を食う人ぞ。

3003_4

健康によいものを口にする。「医食同源」の精神が、日頃の食生活に反映されている中国料理。数々のスパイスを用いたインド料理もまた、中国料理に通じるものがあるが、同じ「身体に良いもの」でも、両者の出来上がりの味覚は著しく異なる。

さて、今日のランチは、「美心MX」という店で、軽く中国的ファストフードを。初日、街を歩いていたときに目についた、挽肉の上に卵黄が載った丼物を食べたかったのだ。

ところがあいにく、品切れとのこと。やむなくお勧めのチキンを注文。それからハチミツ生姜茶も。路地裏の食堂で出されるような料理が、こぎれいな店内で食べられるとあってか、たいへんな盛況である。メニューには日本の焼き魚定食のようなものもある。

食券を購入し厨房に並べば、従業員が効率的にてきぱきと、料理をトレーに準備してくれる。テーブルは4人席、2人席とさまざまだが、いずれもほぼ満席だったので、カウンター席に着いた。

カウンター席には数席ごとに、上の写真のようなTVのモニターが付いており、ニュースが流れている。食事中にTVを観るのは嫌いだが、やむなく座る。向かいの席では若いカップルが、女の子が携帯電話で話をしながら、男の子が漫画の本を読みながら、食事をしている。

わたしの左横では、サラリーマン風の男性が、TVの画面を凝視しながらスープをすすっている。右横の女性は、ただ黙々と、鶏肉の皮をはがしては肉を口に運んでいる。まるで、日本のどこかにいるような錯覚に陥る。

料理は思っていた以上においしい。鶏肉はほどよく塩味のきいた汁気を含んで風味よく、スープもあっさり。追加で頼んだハチミツ生姜茶は、ほのかに朝鮮人参のような風味がして薬草的だったけれど、健康によさそうだ。

香港では食事と一緒にこのハチミツ生姜ティーや柚子茶、ミルクティーなどを飲むのが一般的なようである。

3001_43004_23005_2

ところで、今夜は仕事から早めに戻ったアルヴィンドと近所を散策。リフレクソロジーの専門店を見つけた彼、食事前にトリートメントをしてもらおうという。

決してきれいでもおしゃれな感じでもない、大衆的なその店。木桶に湯を張り、「スイスのハーブ」をいれたものを用意してくれる。そこに足を浸し、肩のマッサージをしてもらうこと15分。みるみるうちに、身体のこりがほぐれていく。

そのあと、45分のリフレクソロジー(足裏のマッサージ。反射区療法)。

アルヴィンドは瞬く間にふにゃふにゃとリラックス。気持ち良さそうに寝入っている。トリートメントが終わってもなかなか起きられず、熟睡していたようだ。

3006_23007_1

30083009

夕飯は軽くすませようということで、目に留まった「台灣麺」という名の台湾料理の店へ。

豆腐の厚揚げ風に豚の挽肉が載ったもの、汁なしのヌードル、野菜炒め、そうしてチャイニーズならではの「珍味」を注文。右下の写真がそれである。

見るからに、決して「おいしそう」ではないのだが、こういうものも、一度は試しておきたいものだ。鶏肉の手羽、砂肝のスライスまでは日本でもおなじみだが、右側の二種類はちょっと珍しいもの。

豚の耳&鴨の舌、である。「豚の耳」と「鴨の舌」ね。

砂肝のスライスは臭みが気になったが、それ以外はそれなりに、食べられた。

日本で流行っているところの「コラーゲン」がたっぷり摂取できたような気がする。が、もういい。

2006年3月29日 (水)

自分の立っている場所こそが世界の中心

2900_1

タクシーで、夫のオフィスのある中環(セントラル)へ。
Exchange Square 1。そびえ立つ真新しい高層ビルディング。

風が吹きすさぶ、
ビルディングの谷間に立ち、見上げる。

エスカレータ、エレヴェータを乗り継いでゆく。

電話中の彼を待つ間、通された部屋。
眼下に広がる摩天楼。
マンハッタンのそれを凌ぐ勢いで、
天を刺すビルディングの群れ。

1996年の夏、彼と初めて出会ってから十年。
マンハッタン、ワシントンDC、
シリコンヴァレーと舞台を移してのち、
今、インドと中国。
アジアの中心に屹立する。

日ごろの頼りなさはさておいて、
やはり彼は、非凡なる才能と実力を、
持っている男なのだ。

彼にせよ、わたしにせよ、
ひとりではやれなかったことを、
ふたりだからこそ、やれている。

2901_22902_22903

「会社の人に、ランチに誘われたから、ミホもオフィスにおいでよ。彼の奥さんも来るらしいから」

そんな次第で、昼前にホテルを出る。近代的なオフィスビルディングとショッピングモールが林立するあたり。オフィスに通され、夫の同僚、中国マーケット担当の男性、ハンと挨拶を交わす。

北京出身の彼は、アルヴィンドと同様、米国の大学に学び、アルヴィンドと同じMBAを卒業し、米国、香港、中国(北京)を行き来する歳月を送っている。

彼の妻ソニヤはインド系米国人。彼女はニューヨークのアップステイトで生まれ、米国に学び、弁護士の資格を持っている。今は2歳の娘の育児に夢中らしい。

四人でオフィスの近くの日本料理店へ。夫は刺身定食、わたしは寿司定食を注文。本気の刺身を食べるのは数カ月ぶりのこと。トロやウニも入った質の高い料理に感嘆しつつ、饒舌なソニヤの話に耳を傾けつつ。

同じ世代の同僚たちに囲まれて、アルヴィンドの、この新たな舞台は、若くパワフルな力が漲っていることを、間接的に感じ得ることができた。

まるで自分がそこで仕事をするみたいに、わたしの心までもが、はやる。

2904_229112908_1

食事のあと、オフィスに戻る前に、アルヴィンドがオフィスビルディングに隣接するIFCモールを案内してくれる。高級ブランドのブティックやレストラン、フォーシーズンズホテルなどを擁する、きらびやかなショッピングモール。

「あそこのスーパーマーケット、すごいんだよ。日本の食品もたっぷりあるよ」

いつリサーチしたのか、妙に詳しい。

「ここのベーカリーがいいんだよ。ほら見て、"Just Baked" のサインがついているのは、まだ温かいんだよ!」

リトルマーメイド。それは日本のパン屋だ。「焼きたて」サインがついているのも、日本じゃめずらしくないけれど、米国やインドにはないことだから、彼の目には画期的に写るらしい。

「このお茶、おいしいんだよ! ミホも試してごらん」

試飲コーナーではすかさず、お茶の味見。わかった。もういいから、早くオフィスに戻ったら?

2921_1オフィスに戻る彼を見送ったあと、しばらくモールを歩き、フォーシーズンズのスパを「見学」し、カフェでコーヒーを飲んで、ホテルに戻った。

夜は、ホテルの最上階のイタリアンで夕食。夜景のきらめきもまたすばらしい。

久しく続いてきた、夫の仕事最優先の日々から開放される日も、近い。あと数カ月後、デリーもしくはムンバイに引っ越しをすれば、数年はそこに定住することになるだろう。

いよいよ次は、わたし自身の、キャリアを再構築するとき。いよいよ本気で、がんばれるときが、やってくる。


3月26日〜4月2日:香港
4月2日〜4月5日:サンフランシスコ
4月6日〜4月12日:ハワイ(カウアイ島のみ)
4月12日〜4月16日:サンフランシスコ、ナパ
4月16日〜4月22日:ニューヨーク

2006年3月28日 (火)

街に散らばる未知の味。飲食こそが人生か。

2812_3

「いってきま〜す」

夫は晴やかな笑顔で、新しい会社へと出勤。さて、わたしはどうしよう。それなりに、疲労感はある。今日はホテルでゆっくりしていようと思う。

ところが昼も近くなると、自ずと身支度に入り、カメラを携え、歩きやすい靴を履き、いそいそと出かける。どうも、じっとしてはいられない。なにしろ、いい天気だもの。

とりあえずは、ホテルのあるエリア、コーズウェイベイを中心に歩くことにした。

香港に来るのは初めてだ。初めてだが、上海には及ばぬであろうものの、この街が猛スピードで進化しているであろうことが、びしびしと伝わってくる。

林立する真新しい高層ビルディング。見上げれば、マンハッタンのそれとよく似た建築の、オフィスビルディングやアパートメントビルディング、見下ろせば、日本のそれとよく似た風情のコンビニエンスストア、ドラッグストア、ベーカリー、そして世界の都市の多くに見られる、スターバックスの類いのカフェ。

麺の店、饅頭の店、飯物の店……。中国各地の庶民の味が、路傍の至る所に散らばり、合いの手を打つように、漢方の店、薬草の店から、独特の香りが溢れ出す。

ピカピカつやつやのフロアをゆけば、今度は世界各国の高級食材が整然と並べられたインターナショナルマーケット。

ここは一部日本領なのか? とさえ思えるほどに、目に留まる日本料理店の数々。日本語の数々。

異国にいるのに、久しぶりに祖国に戻って来たような気にもなり、いったいどこにいるのかわからない。きょろきょろと、見回しながら歩けば、目に飛び込んでくる情報量の多さに最早、脳みそはついてゆけない。この感覚は、日本の街を歩くときのそれとよく似ている。

2801_22803_328072804_2
- ホテルのそばには、高級ブランドのブティックを擁したビルディング
- 高級スーパーマーケット。日本の食品も豊富。寿司や刺身もたっぷり。
- 時代廣場(タイムズスクエア)。
- 市街をダブルデッカーや2階建て路面電車が勢いよく走り抜ける。

2805_22806_128222802_3
- ペイストリーショップやベーカリーは欧米よりも日本のそれに似ている。
- インドも道行く人は多いけれど、香港も負けてはいない人口密度の高さ。
- ジュースバー。ニンジンとリンゴのジュースを特注で作ってもらった。
- エリアごとに色の違うタクシー。この界隈は赤。

2809_32810_2
- なにしろ食べ物の店が多い。どこで何を食べるか多いに悩む。麺類パン類おいしそう。日本料理も捨てがたい。湯気が立ち上るこの飯物は魅力的。この店にしようかな? もう少し歩いて決めよう。
- おでん風は薬草煮込みか? こういうローカルな味も興味深い。

2813_12814_22816_12820

- 彷徨し、悩んだ末に決めた店。上の写真の鶏肉飯を食べた。美味!
- ランチのあとも界隈散策。こちらは卵専門店。
- スターフルーツにマンゴー、パパイヤ、南国果物も。
- 広告の色合い賑わいに日本の街角を思い出す。

2815_1281828192821
- 一輪ずつ、きれいに包まれたバラの花。
- フルーツショップには福岡のいちごもある。
- あまりにも派手な色合いの花
- 新しいビルディングに挟まれて、老舗がしっかり個性を放つ。

2823282428252826
- この風景もまた、日本によく似ている。渋谷辺りの様子を思い出す。
- まばゆいゴールドの置物が並ぶ金専門店。
- リフレクソロジーの店を発見。1時間の全身マッサージをしてもらう。
- あの卵の黄身が載った飯物が気になる。試さなければ。

2811_1282928302831
- 市場を歩くのは楽しい。土地の人々の食卓が見えてくる。
- インドの肉屋と言えばマトンと鶏肉だが、ここでは豚肉と鶏肉が主流。
- 新鮮な葉野菜が山と積まれている。
- 平日の午後。夕餉の買い出しをする主婦の姿が目につくころ。

2832283328342836
- なんて新鮮なエビ! ぴちぴちはねてる! 生きてる!
- 水がきれい! いっしょに泳いでもいいくらい!
- 比べちゃいかんよ、ラッセルマーケットの魚市場と。それは天と地。
- なぜ、ここにはハエがいない? なぜ? 美し過ぎる。

2835283828412842
- この国に住んでいたら、調理人不要かも。ごめんよモハン。
- こんな出来合いの料理でも、十分においしそうだし。
- 麺の種類も実に豊富。手軽にチャイニーズが作れそう。
- ラッセルマーケットとは比べ物にならない清潔感の鶏たち。

市場が、臭くない。インドの汚い市場に慣れてしまった身としては、最早驚愕すべき清潔さである。そりゃあ、中国系の国々にある特有の漢方臭や肉類のロースト臭などが時折鼻先をくすぐるけれど、それはあくまで「くすぐる」程度。

わたしの嗅覚も、すっかり強い臭いに慣らされてしまったものだ。恐るべしインド。

それにつけても、魚売り場の清らかなことよ。思わず水に手を突っ込んで魚に触れたくなる。モハンに見せてやりたい。「魚は臭いので調理できない」などと、言わせぬぞ。

2837283928402827
- 「写真を撮らせて」と頼んだら、大きなエビを掲げてくれたおじさん。
- 夜はこの野菜(チャイニーズブロッコリーかな?)を食べた。
- 干物店では、紹興酒に入れた乾燥梅干しがあった。
- 落ちやしないかと思うほど、大き過ぎる看板。

2843284428452848
- 結局は、市場を歩くのが最も楽しかったりして。
- 学校帰りの女の子たち。お揃いのバックパックがとてもかわいい。
- 夕食。食べたいものはたくさんだけれど、極力軽くて美味なるものを。
- 夜の街はまた、異なる表情。それにしても人が多い。祭り?

ランチを終え、しばらく街をうろうろとし、少々くたびれたので、1時間マッサージをしてもらい、それからまたうろうろし、ちょっと小腹が空いたので、なにか軽く香港らしいデザートをと思い、しかしこぎれいなカフェに入ったら、なぜかブレッドプディングがおいしそうで、ちっとも香港らしくない上に自分でも作れそうなそれを、思わず注文する。おいしかったからいいけれど。

ホテルに戻ったら、夫から電話が入った。初日の今日、とてもいい日を過ごしているという。ディナーミーティングがあるので遅くなるとのこと。

彼が、心の底から楽しそうに仕事のことを話すのは久しぶりのことで、わたしも、本当にうれしい。

「ランチは何を食べたの?」
「チキンの料理」
「僕もチキンを食べたよ。ご飯の上に載ったやつ。」
「わたしも。見た目はインドの米みたいだけど、スティッキーな米で、ソースかけて食べるの」
「そうそう。骨がいっぱいで食べにくいけどジューシーなんだよね。野菜スープが付いてた?」
「付いてたよ」
「僕たち、また同じ物、食べたんだね」
「ほんとね。」
「ミホ。気持ち悪いよ。ストーカーはやめて」

おいおい。そうじゃないだろう。素直に絆の深さを喜び合おうよ。

わたしたちは、かねてから「食の嗜好が似ている」という強い絆で結ばれているが、このように同じ料理を同じ日に食べるということもしばしばなのである。打ち合わせた訳でもないのに。

これだけたくさんの食べ物がある香港の街で、全く同じ料理を選ぶなんて、通じ合っているにもほどがある。ストーカーじゃないわよ。

28532854
またしてもうろうろの果てに、ワンタン麺が自慢らしい小さな食堂へ。新鮮なエビが入ったワンタンと、ビーフが載った麺。小さいサイズが気に入った。スープの味わいもよくおいしい。野菜のスチームもオイスターソースがあっさりめで美味。帰りに果物屋でパパイヤを買ってホテルで食べた。パパイヤは整腸作用があるのだ。今日は自制心を働かせ、迫り来る食の誘惑につられず、なんとか食べ過ぎずにすんだ。よくやった。

2847284928502851

夕食をすませ、ホテルに戻る。夕べの残りの紹興酒を飲みつつ、読書などをする。やがて夫が「ただいま〜」と、晴やかに、帰って来た。

久しく走り続けていた長いトンネルから、ようやく抜け出した気分だ。

なにはともあれ、おめでとう!

2006年3月27日 (月)

1カ月休暇のはじまり。香港到着!

2700

夕べ、母と妹、そして夫と4人で、相変わらず「蚊パラダイス」なバンガロア(バンガロール)国際空港を発ち、シンガポールのチャンギ国際空港へ到着した。

チャンギ国際空港で二人に別れを告げ、わたしと夫は香港行きの便に乗り継ぐ。

先月、ちょうどわたしが母を迎えにシンガポールへ来ていた頃、夫もまた、香港に滞在していた。それは「転職活動」の面接のためだった。その香港に本社をおく会社が、近々インドオフィスを開設するということで、彼がポジションを得たのである。

正式には5月1日より、彼はその会社に勤め始める。無論、インドオフィスの実質的な開設までには数カ月あるゆえ、当面はバンガロアにて準備期間となる模様。準備が整い次第、我々は、多分デリー(もしくはムンバイ)に移転することになるわけだ。

今回の香港来訪は、30日に行われる重要な定例ミーティングに参加するため。今後もしばしば、香港には訪れることになりそうで、つまりはわたしも同行することになりそうで、今回はその序章である。

2713_12712_1

すでに香港二度目の夫は、実は香港初体験なわたしに、「先輩風」を吹かせながらあれこれと説明してくれる。

空港を出たら電車(エアポートエクスプレス)で市街まで出るのだとか、タクシー代は安いのだとか、今夜は超おいしいガチョウのローストにしようかそれとも寿司にする?とか、香港ドルを7で割ると米ドルだから計算を間違えないでよとか、7の段の九九を暗唱してみろとか(!)、いろいろうるさい。

なにしろ、今回の1カ月旅行が確定したのは十日ほどまえで、チケットなどの手配をはじめたのが1週間前。下調べなどする余裕もなく出て来たゆえ、空港の案内所でもらった日本語の情報誌を電車の中で走り読む。急ぎのときは日本語の方がはるかに吸収度が高いので。

香港駅で電車を降り、今度はタクシーでホテルのあるコーズウェイベイというエリアを目指す。ここに今回宿泊するホテルがあるのだ。日本のデパートメントストアなども点在する、繁華街のようである。

それにしても、だ。香港は、空港といい町といい、なんと清潔感みなぎっていることか。無論、インドから出てくると、どの国のどの町も、おおよそきれいに見えるに違いないのだが、香港はかつて混沌としたアジアの都市という印象があったから、近代的な美しい摩天楼の有様に感嘆する。

97年に返還されて以降も、劇的に成長を続けているであろう様子が、初めて訪れるにも関わらず、感じ取ることができる。

ホテルにチェックインしたあと、まずはホテルのレストランで軽く点心を。それから部屋に戻ってシャワーを浴び、わたしは数時間、深く寝入る。夫は早速仕事を始める。


2707_12708_2

そして夜。夫に導かれるがままにタクシーに乗り込み、ランカイフォンというエリアへ。ここは外国人の多い繁華街で、日本で言うところの六本木的な場所らしい。久しぶりに見るまばゆい町のネオンに、心が沸き立つ。

さらには、夫が有無を言わさず突き進んでゆく中国料理店へ、わたしもあなたまかせでついてゆく。前回、一人で訪れたとき、一人で食べに来たという店だ。久々の「受け身な行動」が妙に心地よい。

思えば先月末、彼が香港より帰国した翌日、わたしと母もシンガポールからバンガロアに戻って来たのだが、わたしが面接のことを気にして香港の滞在報告を聞き出そうとしているのに、彼は最初の数十分程は満面の笑顔で、香港のグルメレポートを間断なく語り続けたのだった。

義母のウマが「この話聞くの、わたしこれで三回目」と苦笑しながら、夫による点心やジューシーなガチョウのローストの話題に耳を傾けていたものだ。なにしに行ったのだ香港へ。

2706_12704_2

さて、巨大なネオンサインの看板のふもと、店頭にこんがりと色づいたガチョウが掲げられたその店、YUNG KEEは、観光客と地元の人が混在しているといった風情で、とても込み合っている。しかしながら、すぐに二人席へ通された。

「わお! この間は、ぼく45分も待たされたのに、今日はラッキ〜!」

実にうれしそうに、テーブルに着く夫。ガチョウのローストと野菜炒め、それにチャーハンを頼むことにする。

「ミホは何を飲む? ぼくはプラムワイン(梅酒)がいいな。あるかな」

「わたしは紹興酒にするよ。中国のお酒」

「紹興酒? なにそれ? おいしい? どんな味?」

「ちょっとヘレス(シェリー酒)に似た、風味の強いお酒。おいしいよ」

「じゃ、僕も試してみる」

紹興酒はボトル1本ごとの注文だとのこと。多いとは思ったが、せっかくなので頼んでみた。乾燥した梅干しに粉砂糖をまぶしたようなものを、小さなカップにいれ、そこに温められた紹興酒をついでもらう。おいしい。

「このお酒、ちょっと苦い感じだけどおいしいね。干したプラムもおいしいね。ぼく、プラムワインが飲みたかったから、ちょうどよかった〜」

夫も気に入った様子である。彼はまた、初めて食べるピータンも気に入ったようで、「お通し」で出されているのに追加注文する。

2705_12703_3

「このパリッとした皮、薄い脂身、堅い身の組み合わせがたまらないんだよね〜」

幸せそうに料理を口に運ぶ夫。紹興酒を注ぎにきたウエイターに向かって、

2702_3「僕はこの中国酒、初めて飲むけど、これってシェリー酒の風味に似ているね」

と、いかにもの表情で、得意げに話しかける。だからそれは、わたしのコメントだってば。

気がついたら、ボトルの半分ほども飲んでおり、我々にしては飲み過ぎである。

なんだかとても、酔っぱらいである。半分はお持ち帰りにしてもらった。

さて、明日から夫は主には仕事。わたしは丸5日間を、気ままに過ごそうと思う。


3月26日〜4月2日:香港
4月2日〜4月5日:サンフランシスコ
4月6日〜4月12日:ハワイ(カウアイ島のみ)
4月12日〜4月16日:サンフランシスコ、ナパ
4月16日〜4月22日:ニューヨーク