健康によいものを口にする。「医食同源」の精神が、日頃の食生活に反映されている中国料理。数々のスパイスを用いたインド料理もまた、中国料理に通じるものがあるが、同じ「身体に良いもの」でも、両者の出来上がりの味覚は著しく異なる。
さて、今日のランチは、「美心MX」という店で、軽く中国的ファストフードを。初日、街を歩いていたときに目についた、挽肉の上に卵黄が載った丼物を食べたかったのだ。
ところがあいにく、品切れとのこと。やむなくお勧めのチキンを注文。それからハチミツ生姜茶も。路地裏の食堂で出されるような料理が、こぎれいな店内で食べられるとあってか、たいへんな盛況である。メニューには日本の焼き魚定食のようなものもある。
食券を購入し厨房に並べば、従業員が効率的にてきぱきと、料理をトレーに準備してくれる。テーブルは4人席、2人席とさまざまだが、いずれもほぼ満席だったので、カウンター席に着いた。
カウンター席には数席ごとに、上の写真のようなTVのモニターが付いており、ニュースが流れている。食事中にTVを観るのは嫌いだが、やむなく座る。向かいの席では若いカップルが、女の子が携帯電話で話をしながら、男の子が漫画の本を読みながら、食事をしている。
わたしの左横では、サラリーマン風の男性が、TVの画面を凝視しながらスープをすすっている。右横の女性は、ただ黙々と、鶏肉の皮をはがしては肉を口に運んでいる。まるで、日本のどこかにいるような錯覚に陥る。
料理は思っていた以上においしい。鶏肉はほどよく塩味のきいた汁気を含んで風味よく、スープもあっさり。追加で頼んだハチミツ生姜茶は、ほのかに朝鮮人参のような風味がして薬草的だったけれど、健康によさそうだ。
香港では食事と一緒にこのハチミツ生姜ティーや柚子茶、ミルクティーなどを飲むのが一般的なようである。
ところで、今夜は仕事から早めに戻ったアルヴィンドと近所を散策。リフレクソロジーの専門店を見つけた彼、食事前にトリートメントをしてもらおうという。
決してきれいでもおしゃれな感じでもない、大衆的なその店。木桶に湯を張り、「スイスのハーブ」をいれたものを用意してくれる。そこに足を浸し、肩のマッサージをしてもらうこと15分。みるみるうちに、身体のこりがほぐれていく。
そのあと、45分のリフレクソロジー(足裏のマッサージ。反射区療法)。
アルヴィンドは瞬く間にふにゃふにゃとリラックス。気持ち良さそうに寝入っている。トリートメントが終わってもなかなか起きられず、熟睡していたようだ。
夕飯は軽くすませようということで、目に留まった「台灣麺」という名の台湾料理の店へ。
豆腐の厚揚げ風に豚の挽肉が載ったもの、汁なしのヌードル、野菜炒め、そうしてチャイニーズならではの「珍味」を注文。右下の写真がそれである。
見るからに、決して「おいしそう」ではないのだが、こういうものも、一度は試しておきたいものだ。鶏肉の手羽、砂肝のスライスまでは日本でもおなじみだが、右側の二種類はちょっと珍しいもの。
豚の耳&鴨の舌、である。「豚の耳」と「鴨の舌」ね。
砂肝のスライスは臭みが気になったが、それ以外はそれなりに、食べられた。
日本で流行っているところの「コラーゲン」がたっぷり摂取できたような気がする。が、もういい。