5月も半ばとなり、マンゴーシーズンは真っ盛りで、昨日もFM熊本『グローバルビート』の収録で「インドのマンゴー」について、熱く語った。昨日の午後はまた、インド赴任1年弱の友人らを招いて、アルフォンゾ・マンゴー試食会を開いたのだった。
今年のマンゴーはいまいち、のような気がしていたが、しかしあちこちで、
「酸っぱい」「味が薄い」「苦い」「渋い」といった声を耳にするにつけ、インドの国果マンゴーが正しく理解されていないようで、ささやかに、胸を痛めていたのだった。
従っては、誰に頼まれたわけでもないのに、「バンガロールでも手に入るところのアルフォンゾ・マンゴーを、敢えて本場ムンバイから持参するマルハン家の情熱をお裾分けするお茶会」を開催したのだった。
詳しくは「キレイブログ」に記しているので、ご覧いただければと思う。
■マルハン家の情熱をお裾分けするお茶会 (←Click!)
ところで。
昨日わたしが、「アルフォンソ・マンゴーがうんたらかんたら」と連発していたら、夫曰く、アルフォン「ソ」じゃなくて、アルフォン「ゾ」だよ。というではないか。
スペルはALPHONSO。だが、発音はアルフォンゾ、らしい。まじかよ。
日本語のサイトなどを検索してみれば、圧倒的に「そ」が多い。英語のサイトでは、ご丁寧に発音記号を記しているところなどない。
それは「ニューヨークタイムズ」を、「ニューヨークタイムス」と書くようなものであり、「ヤンキーズ」を「ヤンキース」と書くようなものであろうか。
ライターとしては正式な発音を採用したく、今後は「アルフォンゾ」で統一したいと思う。
と思ったが、「ゾ」に変わった途端、旨味が減少する。気品が損なわれる。夫の意見を真に受けていいものか。やはり気になる。
あれこれと調べてみるが、決め手が見つからない。今朝、再度夫に確認したら、
「ん〜。アルフォンソでもいいんじゃない。僕はアルフォンゾって言ってるけどね。どっちでもいいかもよ」
などといい加減なことを言うではないか。さすがインド人。柔軟性があるというかフレキシブルというかいい加減。やっとられん。どこに決め手があるのか。今後インド人に会うたびに、聞き取り調査を行おうと思う。
そんなどうでもいい話題はさておき、一番上の写真は、今朝のTHE ECONOMIC TIMESの記事だ。
「ここ10年、日本の家電メーカーは、急成長するインド市場において、韓国の家電メーカーに破れ続けてきた……」
で始まるこの記事。しかしここに来て、日本の家電メーカーも、ふんどしの紐を締め直して、LGやSAMSUNGなど、インドに浸透している韓国家電メーカーを打倒すべく、商品の低価格化を押し進めているというニュースだ。
日本企業がインド市場に「より深く関わろうとしている」との主旨で、ダイキン、パナソニック、ソニー、キヤノン、ニコンなどの企業名が連ねられている。
何も韓国だけに限ったことではなく、欧州の企業もそうであるが、しかしインドにおける韓国人コミュニティの強さ、たくましさは、目に見えて伝わってくる。
ここインドにおいてだけでなく、米国在住時もそうだった。ニューヨーク、ニューヨーク郊外。ワシントンD.C.及びその近郊エリア。そしてカリフォルニア……。
彼らの「捨て身」とも思える、母国を離れての、異国での活路の見いだし方。そこで感じるのは「同胞(コミュニティ)意識」の強さだ。
同じ韓国人同士の助け合いが、見事に行き渡っているのである。大企業の駐在員であれば、あらかじめのサポートもあろうが、独立した個人、起業を目指す人も、すでに異国で成功している人を頼って、海を渡る。
成功者は、新参者のサポートをする。
その同胞の交流の場として、最も重要視されている場所が「キリスト教会」であろう。これはワシントンD.C.在住時に、韓国系スーパーマーケットの若きオーナーに聞いた話。
彼らは「教会」という場を通して、新たな移住者を歓待し、みなに紹介する。その人物が、起業をしようとすると、すでに利益を上げている人たちが独立援助のための「投資」をする。
投資だけでなく、その国で成功するために必要な提言もする。
投資をしてもらった人は、懸命に努力をして、事業を軌道に乗せる。やがて自分も利益を上げられるようになったら、次なる新人の支援をする……。といった、それはコミュニティ内における、強力な相互援助だ。
インドでも、その傾向は見られる。
先日、ムンバイのマラバーヒルを散歩していたら、小さな石造りのキリスト教会が目に留まった。
とてもかわいらしかったので、入り口に立って眺めていたところ、門番が笑顔で手招きをし、中へ入るよう促す。
ずいぶんウエルカムな人だと思い、敷地内に入り、窓から教会内をのぞいたら、韓国人たちによる礼拝が行われていたのだった。
門番はわたしを韓国人だと思ったのだろう。
韓国とはそもそも儒教を「徹底的に」受け入れてきた国であるとのことだが、1945年以降、キリスト教に改宗する人が激増したという。それも、「インテリ層」に多いとのことで、他国では見られない傾向だとか。
このあたりのことについては、まだまだ込み入った話があるのだが、さらっと語れることでもないので、割愛する。
ともあれ、「タフな異国」で成功するための鍵はいくつもあろうが、こうしたコミュニティ意識の強さと、「足の引っ張り合い」ではない、「前向きな助け合い」といったことが、ポイントになっているのかもしれないと思う。
そのまま忘れ去るところだったが、取り敢えず載せておく。
これは中国系テレコム会社の話題。
日本のNTTドコモも印タタ財閥系の携帯電話会社タタ・テレサーヴィシーズと提携して、インドで携帯電話ブランドTATA DOCOMOを展開しているが、現在、インドにおける最も競争の厳しい市場のひとつであろう。
そこに、そもそもインドからは「悪しき国民感情」を持たれている中国のテレコム会社が参入するとのこと。
HUAWEI華為(ファーウエイ)と呼ばれるその会社。
インド社会にいち早く浸透すべく、トップエグゼクティヴらがまず行ったのが「自分たちの名前のインド化」。
中国の名前は異国人に発音しにくく覚えてもらいにくいというのもその理由にあるようだ。
Ling Yong Xu氏はChetan Chen氏に。Li Ginさんは、Deepika Fangさんに……。
名刺にも、インド名を記しているという。なんだか、ふざけているというか、楽しんでいるというか、よくわからんが、本人たちにとっては至極真面目な戦略の一つであるに違いない。
わたしも、自分にインド名をつけてみようかしら……。
夫に「わたしがインドの名前を付けるとしたら、何がいい?」と問うた。しばらく考えた後、
「カトリーナ、カリーナ……っていうのはどう。エレガントだし。あとビパーシャもいいね」
……。
どれもこれも、ボリウッドの美しい女優たちの名前じゃないのよ。そんな名前でインド世間に現れた日には、パンチを食らうこと間違いなしである。
やっぱり、ミホが無難のようである。
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