The Shivavilas Palace Hotel was really good. Far from Hampi, but I highly recommend you to stay here!
今回、ハンピの拠点となったShivavilas Palace.
ハンピのヘリテージサイトからは車で1時間余りと遠いが、本当にチャーミングなホテルだった。
トリップ・アドヴァイザーのサイトでは、「ハンピから1.5キロ」といった誤った情報が掲載されているし、他のサイトでも「ハンピから近い」ことになっていたりと、なかなかに杜撰だ。
ホテル側にその点を確認したところ、各サイトには通告済みだが、改善は見られないという。彼らも自分たちのサイト経由で予約を取りたいためか、忠実な情報を掲載しないケースもあるそうで、由々しきことではある。
ともあれ、出発前にホテルのサイトで確認して、かなり離れていることを知った時には、他のホテルへ予約をしなおそうかと思ったが、結論としてはここに4泊したことを、本当に幸運だったと思う。
その後、過去のミューズ・クリエイションのメンバー、3家族が、それぞれ、ここに滞在した経験があるとの旨、知らせてくれた。みなそれぞれに、いい時間を過ごされたようだ。
◎Shivavilas Palace Hotel (←CLICK!)
マハラジャ・ファミリーがかつて捕獲した、ハンティングの成果がディスプレイされたビリヤード・ルーム。
英国統治時代の富裕層の趣味、といえば、まちがいなくその筆頭に、ハンティングがはいるだろう。歴史を引き継ぐ邸宅では、たいてい見られるこれらの剥製。
ハンピの街中で、物売りの少年から買ったこのガイドブック。絶景の夕日が眺められる寺院へは、このガイドブックのおかげでたどり着けた。
ホテルの敷地内には、マハラジャが所有するヴィンテージ・カーが数台。たまに敷地内を走っているのだという。
ついにはバンガロールへ戻るべく帰路に就く。夕刻の渋滞を避けたいので、10時半ごろ、ホテルを出た。ホテルのあるサンドゥールは、ハンピよりも南に位置しており、バンガロールに近い。ゆえに、6時間あまりで到着するはずだ。
道は悪いが、大きな道路に合流するよりも、こちらが近道なのだという。
ヤギの群れ!!
ドライヴァーに車を止めてもらい、河原へ向かってぐんぐん歩く。
メヘメへと鳴くヤギら。水を飲んだり、くつろいだり。中途半端な動物園より、むしろライヴすぎて楽しい。
田園風景が続く農道をすぎて、ようやくハイウェイに入る。ここからは休憩を入れて5時間程度か。それにしても、こうして随時、自分の居場所がわかり、目的地までの距離と所要時間がわかるようになった現在の旅。本当に便利だ。
20代のころは、世界のあちこちを、車で取材した。
30代で米国に渡ってからも、夫とともに、米国だけでなく、欧州を何度か車で旅した。
一般的なインド人に違わず、我が夫も、地図が読めない。運転も、わたしの方がうまい。というわけで、異国の地では、わたしが運転しつつ、夫にナビゲーションを頼むしかなく、挙句、お門違いの方向へ進み、なかなか目的地にたどり着けず、どれだけ道に迷ったことか。
スペインのアンダルシアで、激しく道に迷って、地図に地名すら出ていない村に紛れ込んだこと。
責め立てる妻に、逆ギレした夫が地図を後部座席に放り投げてふてくされたこと。
ベルギーのブルージュからアントワープへドライヴし、アントワープにたどり着いたものの、円環の道路が幾重にも重なっていて中心部にたどり着けず、ぐるぐるぐるぐる回り続けて、お腹は空くし、トイレには行きたいしでブチ切れそうになったこと、いやブチ切れたこと。
イタリアのトスカーナで、道行く人に目的地の方向を尋ねるも、みんな陽気に親切に、しかし適当な方向を指差して、本当に全く、あてにならなかったこと……。
世界のあちこちで道に迷った思い出を、次々に、とめどなく、思い出す。
今の世の中、あのような事態は、起こりえない。よくも、寂しくも。
突然視界は広がって、速やかな道路に。しかし車窓からの光景は、農道の方がはるかに楽しい。
途中のドライヴインでランチ休憩。清潔感のある店だった。料理も普通に、おいしかった。
とてつもなく長いトラック。深夜、交通量が少ない時に走るのだろうか。このように路肩に待機している同種のトラックを、何度か目にした。
この白くて長いもの。風車のスタンドなのだ。できあがったものを運ぶとは、なんともダイナミックだ。
バンガロールに近づいたところで、建設中のプレステージ・ジンダル・シティが目にとまった。このごろはもう、バンガロール市内に、このような一大レジデンシャル・コンプレックスが次々に誕生している。都市人口は、増加の一途だ。
今回の旅。わずか4泊5日とは思えない、時空を超えた「線」の旅だった。
前半の二人旅も、そして後半の一人旅も、予想以上に楽しかった。
このごろはもう、夫との旅が中心だったが、友人と旅したり、一人で旅したりすることで得られる「異なる視点」の面白みを、今、この歳になって学ぶ思いだ。
若いころのバックパッカーの旅とは異なる、人生経験を積んだからこその、視点。
20年前、いや10年前に、ここを訪れても、決して到達しなかった現在の心境。人生、そのときどきのステージで、若いころのような体力はなくとも、旅を十分に楽しめるのだということを、改めて教わる思いだ。
ハンピ。本当に、再訪してよかった。
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さすらおう この世界中を 転がり続けて歌うよ、旅路の歌を〜 (by 奥田民生)