クリスマスの前後は、新居で過ごした。バンガロールのサグラダファミリア(新居コミュニティ)は、まだまだ完成に程遠く、しかし我が家に隣接する2軒の工事が急ピッチで進められており、少しずつ時の経過を感じさせる。
いつになったら4猫らをここに連れて来られるのだろう。小さなことから大きなことまで、未来はわからない。
クリスマスのランチは、パスタとシャンパンで、シンプルに。あまりにも食卓が地味だったので、以前プラハで購入していたボヘミアン・グラスのシャンパングラスを取り出す。実は初めて使うのだ。
わたしが、プラハに関心を持ったのは、中学1年のとき。サントリーのメルツェンビールのコマーシャルで、チェコの作曲家スメタナの交響曲『わが祖国』の第2曲『ヴルタヴァ(モルダウ)』を聞いたのが契機だった。そのことについては、ニューヨーク在住時に発行していたフリーペーパー『muse new york』の「旅するミューズ」のコラムで触れている。
1994年、欧州を3カ月、列車で放浪旅した時に、初めてプラハを訪れた。カレル橋からモルダウ川を見下ろしながら、歳月の流れを噛み締めた。しかし当時はまだ28歳。今となっては20代など、中学時代からはさほど遠くなかったと感じる。記憶の固執。
このグラスは、それから24年後の2018年にプラハを再訪した際に、プラハ城内のガラス工芸品店(Egermann)で見つけた。ボヘミアの森のような、深い緑。街中の店舗では見つけられなかった、伝統的な風合いにたちまち目を奪われたのだった。シャンパンを注ぐと、グラスの麗しさが引き立つ。
🎂
お菓子作りの頻度がめっきり減ってしまった昨今。自分で作らなくてもおいしいスイーツが手に入るようになったことも大きな理由の一つだ。お気に入りのSMOOR(バンガロール拠点)でニューヨーク・チーズケーキやマカロンを注文。シンプルなデコレーションなので、自分でフルーツをトッピングした。いい感じでゴージャスになった。味のバランスもよくなった。
🥂
昨日は、ムンバイから友人カップルが訪れた。二人はつい数カ月前に日本を旅して、日本料理も好きなのだという。無論、彼らはヴェジタリアンなので、精進料理やインド料理を楽しんだらしいが……。
わが夫が初めて日本を訪れたのは1998年の冬。わたしたちは京都で年を越した。京都でインド料理店を訪れた際、夫が「日本のナン」に感動し、ナンをおかわりした話をしたところ……彼女も同じく、日本のインド料理店のナンに惚れたという。
「あのふわふわのナン、最高! わたし普段はナンを食べないのに、日本では食べまくってたの!」と大笑い。
インドにおけるナンとは、精製小麦粉 (Maida)を用い、発酵させ、タンドールという窯で焼かれる北インド料理。日本のナンとは違い、みっちりと詰まっていて噛みごたえあり。基本的には外食だ。
一方、一般家庭ではチャパティ(ロティ)と呼ばれる無精製の小麦粉(Atta)に水を加え(家庭によっては塩も)、捏ねて焼いたシンプルなものを食す。大雑把に言えば、北インドは小麦文化、南は米文化だ。
彼女は昨日、祈願のために軽いファスティング(断食)をしており、果物しか食べられないとのことだったので、彼女にはフルーツ盛り合わせを用意し、わたしたちは日本食的なものを作った。
柴田慶信商店の秋田杉の曲げわっぱは、本当に、すばらしい。炊き立てのご飯を入れると、杉のやさしい香りがふわっと立ち込めて、心底、幸せな気持ちになる。ご飯をほどよい潤いで、おいしく保ってくれる最高の器だ。
数年前に三合用の「飯切」を購入していたのだが、パーティの時などに重宝するので、1年前の一時帰国時に五合用も購入した。三合用は旧居においていたので、少人数ながら五合用に盛り付ける。巨大な重箱/弁当箱としても便利。一生ものとして使い続けられる伝統工芸品だ。
😼
さて、今日はこれから猫らの待つ旧居へ戻る。猫らがいなければずっと新居にいたいところだが、なかなか思うようにはいかず。車で45分程度の距離につき、大したことではない……と自分に言い聞かせ。さて、そろそろランチの準備をするとしよう。
🇨🇿【欧州旅 Day 12 プラハ】高台から望む市街。プラハ城、そして極上の夕餉(2018/09/30)
https://museindia.typepad.jp/2018/2018/09/12.html
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。