今日は運ぶ鉢植えがないので、ひよこマダムを運んでいます。
ところでみなさん、わたしのこと、覚えてくださってるかしら?
今ではすっかりおなじみの、あの動くお方をみなさんに紹介したのは、わたしだったのよ。あ、NORAのことね。あれ以来、みほさんはNORAのお世話ばかりして、NORAのお手入れには余念がないのに、わたしは放置されっぱなし。おかげで美白自慢だったのに、このごろは埃かぶって、くすんでいるの。
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NORAはといえば、あのときも目つきが悪かったけど、今でもやっぱり、目つきが悪いのよ。元野良&半野良だけにね。
ところで、みなさんもご存知の通り、先週の金曜日に、またしても、新入りの動くお方がやってきたの。
みほさんが、お仕事や考えごとに集中なさりたいご様子だから、今日はわたくしアリスが、ROCKYの様子をお伝えするわね。
金曜日に、排水口にもぐってお尻を見せていたところを、みほさんに引っ張り出されてやってきました。フィラデルフィアの三流ボクサーから這い上がったROCKYに因んでいるらしいわよ。ちょっと、アウトローな感じね。
あと、この足の裏、肉球っていうのかしら? これがボクサーのグローブっぽいんですって。そうかしら?
最初は、みほさんやまるおさんにまとわりついていたけれど、おトイレもすぐに覚えて、お湯で身体を洗ってもらうのも嫌がらなくて、爪切りも素直にしてもらう、とてもいい子らしいです。
最初の日は、まるおさんに抱っこされると、腕をぐいぐいと押しながら、顔を押し付けておっぱいを探す仕草をしていたの。まるおさんの腕が毛深いから、お母さんと間違っちゃってたみたい。笑っちゃうわよね。
まるおさんたら、あれほどNORA、NORAとかわいがっていたのに、すっかりROCKYに心を奪われています。でも、ときどき「こんなことでは、NORAに悪い!」と思っているみたいで、平等に構ってやろうと努力しているみたいですよ。健気です。
ご自分の身の回りのことは、ほとんどなさらないのに(みほさんが、しばしば文句を言っています)、猫のおトイレ掃除や餌やりなどは、とても甲斐甲斐しくなさるんです。
猫煩悩、っていうのかしら?
小さいけれど、アクティヴです。だからマルハンさんちのサンルームは、今はROCKYのジムと化しています。まるおさんは、朝ご飯のあとも、いつまでもROCKYと遊んでいるので、みほさんに「オフィスに行かなくていいの?!」と、詰め寄られています。
ところで昨日、みほさんがROCKYを見つけられず、部屋を見回したところ……。
ここです。ここ! どうやって上ったんだか! さすがROCKYだけあって、やんちゃですね。
それにしても、この子のカメラ目線、なんなんでしょう。うさぎのわたしも、ハートを持っていかれちゃいそうです。
みほさんの追跡調査によると、網戸の穴に爪をひっかけて、よじ上っていたようです。
それで、NORA姐さんはと言えば……。このところ、毎日ご機嫌斜めです。もともと、概ね、ご機嫌のいいお方ではなかったけれど、尚更ね。
なにしろ、女子の割には、テリトリー意識が強くて、ご近所パトロールにも余念がないでしょ? お隣のガゼボのてっぺんに上って監視なさるくらいですから。
だからもう、最初はとても不機嫌だったし、今でもそうなんだけど、でも徐々に、慣れて来ている様子です。
でも、明らかに、外出時間が増えています。書斎の窓を飛び越えて、屋根でのおくつろぎも長くなりました。でも夜はマルハン夫妻の寝室にある自分のベッドで寝ているようですけれど、夜中にみほさんのお腹によじ上って寝たり、股間で寝たりしているそうです。ずいぶん、ですね。
ところで夕べは、ひと騒動がありました。このご近所、野良猫が増えているからこそ、多分、NORA姐さんもパトロールに余念がないと思うのです。実は、マルハンさんちのバルコニーの屋根の上に、ご近所の野良が潜入。それを見つけたNORAが、自分よりも一回りも大きいその野良を威嚇して、追い払ったんですよ! 極道の妻、入ってました!
それで、その野良は逃げようとしたけれど、塀から飛び降りられず、しばらくこの状態。ちなみにこの塀、猫脱出/侵入防止のために、マルハン夫妻が敢えて取り付けたのに、本当に、役立たず、でしたわね。
暗闇の中で、お互い唸り合いながら、かれこれ1時間以上も緊迫状態が続いていましたよ。みほさんはもう、付き合っていられないからと、お仕事をしていましたが、そのうちに野良がなんとか飛び降りる決意をしたようで、その瞬間に、ドタンバタンと音がしていましたよ。あの野良は大丈夫だったかしら。
実は昨日から、みほさんがNORAとROCKYの距離を縮めようと、少しずつ近寄せているのだけれど、NORAはやっぱり、いやみたいです。無理強いをせず、少しずつ、慣れさせていくしかないみたいですね。
みほさんは、NORAとは今まで通りの付き合い方をして、でもROCKYはできるかぎり、かわいがることに決めたそうです。なぜなら、子猫の時期は2カ月くらいで、甘えてくれるのもきっと短い間だけだから、今のうちに、猫っかわいがりしてやるんだそうです。猫だけに。
アパートメントのセキュリティーの人たちが、マルハン夫妻を「猫好き夫婦」と思い込んでいて、電話をしてきたんです。ゴミ箱の近くで、またジュリーが出産したと。
ジュリーとは、ROCKYのお母さんです。ジュリーはこの半年のうち、3度も出産したことになります。猫がそんなに短期間に妊娠出産を繰り返すなんて、みほさんも知らなかったようです。ROCKYの約2カ月後に誕生したその3匹。生まれたてで、まだ胎盤がついていました。
でも、みほさんにはどうすることもできません。生まれたての赤ちゃんには、お母さんが必要です。
セキュリティーのお兄さんに、段ボールを用意して、ジュリーと赤ちゃんを安全な場所に連れて行くようにお願いしたようですが、これはもう、ジュリーに避妊手術を受けさせるしかありません。とはいえ、逃げ足が早く。捕まえるのもたいへんです。
ともあれ、マルハンさんちで飼われるようになったのも、ご縁ですね。ROCKY、ラッキーだったわね。
そうそう、最初の2日間は、がつがつと飲み食いしていたけれど、今はすっかり落ち着いて、お行儀よくしています。食べ物の心配がないって、わかったのでしょうね。いじらしいです。
すっかり長くなってしまいました。
そんなわけで、うさぎのアリスからの、猫レポートでした。ごきげんよう。