昨日は、ミューズ・クリエイションのメンバーと共に、盲目の子どもたちをケアする施設、JYOTHI SEVA SOCIETYを訪れた。
わたしがこの施設の存在を知ったのは、9年前の2007年。OWCが支援する慈善団体の展示会イヴェントでのことだ。インドでの暮らしや仕事が徐々に軌道に乗り始めたころ、社会問題から目を背けずにはいられなくなりはじめていたころのことだ。
「慈善活動」「社会貢献」という言葉からは遠い暮らしをしてきたわたしが、インドに移住し、心境の変化があった。無関心だったわけではないが、自ら動くことについては、あまり積極的ではなかった。しかし、バンガロール在住の外国人女性からなるグループ、OWCの活動を通して社会を眺めるうちに、徐々に傍観者ではいられなくなっていた。
毎年行われている、この慈善団体の集いに、初めて参加したのが2007年。そのときの記録にアクセスしてみると、冒頭の写真に、JYOTHI SEVA SOCIETYのシスター・クレアの姿が現れる。今と少しも変わらない、優しげなたたずまいで、接してくれたことを思い出す。
このとき、目の見えぬ人たちが作ったという編み物や、刺繍のハンカチなどを見せてもらい、その繊細な仕上がりに驚いたものだ。
■慈悲喜捨の心で以て。慈善活動を知る日。 (←Click!)
このころから、少しずつ、自分も社会に向けて、何か行動を起こすべきだと思い始めたのだった。
今回の訪問は3度目。この施設に関する詳細は、過去の記録に残しているので、ここでは触れない。関心のある方はぜひ、こちらの記録から遡って、目を通していただければと思う。
■目が見えない子どもたちと、触れ合ったひととき。(←Click!)
情報が溢れる昨今、関心のあるテーマでもない限り、長い文章を読む人は少ないということは重々承知だが、大切なことは、きちんと記録を残すべきだということも痛感している。故に、関心がある方にだけでも、しっかりと状況を理解して欲しいという思いから、過去の記録にも遡りつつ、こうして記す次第だ。
以前の訪問時は、子どもたちと一緒に遊ぶことをメインとしていたが、今回は、施設見学などにも重きを置かせてもらうべく、子どもとの交流は音楽とちょっとした会話に留めることにしていた。
とはいえ、少しだけでも一人一人に触れ合う機会を持ちたいと思われ、お菓子を持参することにした。お菓子を手渡す時に、ほんの少しの時間でも、交流が図れると思ったからだ。
目の見えない子どもたちは、指先の感覚が研ぎすまされている。だから、触って興味深い食べ物を……と考えた結果、マシュマロを思いついた。近所のスーパーマーケットへ立ち寄ったところ、マシュマロだけでなく、綿菓子もあった。これもまた、触れて楽しいおやつだ。このほか、香りが印象的なお菓子ということで、やや人工的ではあるものの、オレオのイチゴ風味ビスケットも調達した。
ミューズ・クワイアのメンバーが、現在、9月のバザール&コンサートに向けて練習中の曲を披露する。子どもたちは、前回も、前々回もそうだったように、わたしたちの歌声に、ぐっと集中するように耳を傾けている。
子どもたちの合唱グループも登壇して、シスターのピアノ伴奏のもと、3曲を披露してくれる。
そして、来週には日本に帰国される二胡奏者のハルヨさんにお願いして、演奏をしてもらう。二胡のことを言葉で説明すると共に、代表の子どもに楽器に触れさせてもらい、彼の口から説明してもらう。
この施設の子どもたちは、他の施設の子どもたちに比べると、とても静かで、比較的、口数も少ない。言葉を発する前に、熟考しているような感じだ。初めて触れる楽器を、慎重に受け止めようとしているような、そんな印象を受ける。
初めて聴く二胡の音色に、子どもたちは真剣な表情で、聴き入っていた。ときどき、そっと微笑む子もいて、なにかが琴線に触れているのだろうと思われ、心に小さな火が灯るような思いがする。
子どもたちに、今、必要だと思われるもの、欲しいものなどを尋ねたところ、子どもたちからの反応は薄い。しかし、本人も盲目の、若い先生から、リクエストを受けた。
オーディオブックや、幼児向けのCDプレイヤー、それに点字を打つのに使う、丈夫な紙が使われた雑誌やノートなど。この施設は、外部からの寄付で玩具は潤沢にあると思われたが、レゴやブロックなどがありがたいと、シスターからも言われた。
レゴは個人的に好きな玩具で、ドミニカン・シスターズにも以前、寄付したことがある。次回のバザールに出店してくれることになっているMAYA ORGANICも、手づくりでクオリティの高い木製玩具や教育玩具を販売している。MAYA ORGANICもまた、貧困層への職業支援なども行うNGOゆえ、ここから調達するのがいいだろうと思われる。
最後に、子どもたちに、イタリアのアッシジについて、少し話しをさせてもらった。子どもたち、というよりは、シスターたちに向けても。
Jyothi Seva Societyは、フランシスコ修道女会が母体。フランシスコ(フランチェスコ)会とは、13世紀のイタリアはアッシジにて、聖フランシスコによって始められたカトリック教会修道会だ。
前回の記録に記していることに加え、アッシジがいかに、特別な空気が漂う、素晴らしい土地だったかということなど。公私に亘り、世界各地を旅して来たが、最も好きな土地の一つだということも。
宗教を巡っては、もはや、争いや殺し合いばかりが取沙汰される昨今であるが、宗教の力の、目には見えない強さ、大切さを、アッシジではただ、その土地の空気で以て、感じさせられた。
当時の旅のノートを開けば、20数年前が瞬時に蘇り、あの土地の清澄な空気が偲ばれる。
先ほどの盲目の先生から、点字の打ち方と、点字タイプライターの使い方を教わる。
プラスチック製のホルダーにやや厚めのしっかりとした紙を挟む。
赤い版を上にして、一文字の小さな枠内に、文字を打っていく。ドットでアルファベットや数字を表現する。
6つのドットを組み合わせが、文字や数字を表現する。
こちらは点字タイプライター。非常に重い。かなり旧式に見られるが、ノートに打つよりも早く入力できる。6つのキーを組み合わせて打つことで、点字を表現できる。
このタイプライター、かつては12000ルピー程度で購入できていたのだが、シスターによると、販売会社が現在、チェンナイに1社だけとなり、販売独占をする状況となり、値段も3倍ほどにまで上がってしまったとのこと。
このシンプルそうな構造のタイプライターが、コンピュータほどの値段となったとは、なんとも言い難い。もっと軽くて使いやすく、そして丈夫なタイプライターが廉価で入手できないものだろうか。点字タイプライターの需要は、コンピュータの台頭により減ってしまったのだろうか。
上の段は、左からA,B,C,D、
下の段は、左から1,2,3,4,5……と続く。
数字は数字の前に、Lの逆のような記号を入力することで、それが数字だということを表現するのだという。
凹凸があるノート。裏表、使用されている。凸の部分だけを、読む。
両手の人差し指を使って、読む。真似させてもらうが、ただボコボコと触れるだけで、くすぐったい。当然ながら、解読不能。
上面に「−」の突起があるピース。これを、8つの角がある穴にはめ込んで、数を表す。時計の針のように、回転させることで変化をつける。
一般の学校に通っている子どもたちは、テストのときの回答に時間がかかるので、特別に延長の時間枠をもらっているのだという。計算式をメモすることですら、ひと仕事。時間がかかるであろうことは、想像に難くない。
昨日は、公共バスがストライキだったことから、会社を休んでいるという卒業生が、コンピュータルームで作業をしていた。社会人になったばかりの彼は、IT大手のWIPROに勤務しているという。
彼の的確な説明で、コンピュータの使い方を教えてもらえた。
キーボードのFとJに、印がついている。わたしたちが使用してるキーボードにも、突起が認められる。目が見えない人への便宜を図るためだ。コンピュータには、JAWSという盲人向けソフトウエアがダウンロードされており、音声がガイドしてくれる。音声がカーソルの場所をひとつひとつ読み上げてくれるので、クリックすべき場所がわかる。エンターキーや矢印キーが大切。
文字を入力する。音声が、打ち込んだ内容はもちろん、必要に応じてフォント名やサイズ、位置などを読み上げてくれる。
フォントなどを変更する時にも、選択肢を音声が猛スピードで読み上げてくれるので、そこから選べる。息継ぎなく読み上げる音声。かなりうるさい。早口すぎて何を言っているわからないくらいだが、そういう耳からの情報をたちまちのうちに吸収し、判断するのだろう。
「この男性の声、他の声に変えられるの?」と尋ねたら、速やかに変更画面に移り、女性の声に変えてみてくれた。
「年配の話し方が好みなら、それもできますよ」
と、おばあさんの声を出してくれたりもする。おもしろい。
このソフトウエア、JAWS (screen reader)は、WINDOWS95以前、MS-DOS時代からあったのだという。日本語版も普及しているようだ。
彼は小さいころからコンピュータの扱いが非常にうまく、このスクールにあるコンピュータのメンテナンスや修理もしているのだとか。シスター曰く、パソコンの本体を開いて、部品を修繕したりもするという。すごい。としか、言いようがない。
目が見える人と見えない人とでは、脳の構造、記憶の仕組みが根本的に異なるのだろうということだけは、想像できる。
先ほど、点字を教えてくれた先生に尋ねたことを思い出した。最初から目が見えない子どもよりも、文字を覚えたあとに見えなくなった子どもの方が、点字を覚えるのに時間がかかるということ。
「見える」→「見えない」というプロセスを経験している人の方が、新たな仕組みに適応するのに、時間がかかるであろうことは当然といえば、当然のことかもしれない。よりいっそうの努力が要せられるのだろう。
今回は、施設を案内してもらった。大半が写真撮影禁止だったので、一部を紹介するに留めるが、ここで暮らす子どもたちの部屋は、他のエリア同様、非常に清潔に、そして快適に整えられていて、改めて感嘆させられる。シスターはじめ、スタッフが細心の心遣いで管理していることが、一目で察せられる。
ハンディクラフトの部屋には、手づくりの作品が展示されている。もしも作品の在庫があれば、9月のミューズ・チャリティバザールでも販売してくださいとシスターに頼んでおいた。従来から、慈善団体などが販売する商品については、テーブルを無償で提供することにしており、メンバーも販売のサポートをしている。
見学を終えたころ、シスターがランチを召し上がりませんかと勧めてくださった。ドミニカンシスターズでもそうだったが、17名もの大人数にランチを提供してくださるとは、本当にありがたいことである。「ちょっとスパイシーだけど、大丈夫かしら」と気遣ってさえくれるシスター。
ランチ参加はもちろん任意。インド料理が口に合わない人もあるだろうからと参加者に尋ねたところ、みなごちそうになるということだったので、一同、食卓を囲む。
シンプルな野菜カレーとごはん。確かに少々スパイシーではあったが、野菜たっぷり、おいしかった。
ドミニカン・シスターズにしてもそうだが、こうして突発的に訪れる我々に対しても、常に歓迎してくれ、やさしくもてなしてくれるその温かな姿勢には、本当に、すばらしい、としか、言いようがない。
目の見えない大勢の子どもたちと共に暮らし、教育することが、どれほどたいへんなことか。彼女たちとて、「スペシャリスト」というわけではなく、試行錯誤しながらの生活のようでもある。
彼女らの献身に学ぶことは、本当に多い。
そういえば、先日ドミニカン・シスターズのシスター・ジャシンタにバザールの件で電話をしたところ、体調不良でしばらく故郷に帰るという。あんなに元気でパワフルだった彼女が、低血圧などで養生が必要なのだとか。彼女は多くを語らなかったけれど、
「毎日、たいへんだったから」
というひと言の重みが、どっしりと感じられて、「どうぞ、お大事になさってください」と伝えることしか、できなかった。「神のご加護を」という言葉が出てきそうになり、しかしクリスチャンでもないわたしが口にするのは軽率な気もして、刹那、言葉を飲み込んだ。
米国で暮らしていた時、くしゃみをした人に対して気軽に“God bless you!”と言っていたのとは、まったく重みが違う“God bless you!”を、言えずじまいだった。
ドミニカン・シスターズが面倒を見ている託児所の子どもたちはまた、やんちゃで元気いっぱい。シスターたちは毎日、どれほどのエネルギーを使っていることか。
日本から、障害者施設を襲った衝撃的なニュースが届いてまもなくの、この日。
海外生活の長い人間が、母国の慣習についてを批判的に書くときには、注意深くならねばとは思っているのだが、しかし敢えて書く。日本は、身体障害者や、妊婦や、老人など、身体が自由に動かせない人にとって、本当に、住みにくい国だ。
わたし自身、東京で働いていた時、腰や膝を痛めて普通に歩けない時期が、何度かあった。そのときの出勤時に、心底痛感したのだ。具体的な例はここでは挙げないが、過去、ニューヨーク在住時に記した「メールマガジン」のリンクをはっておく。16年前の記事で、『街の灯』のエピソードのひとつも、この経験に基づいて書いている。無論、『街の灯』では、日本のことには触れてはいないが。
足が不自由な友人が、日本で辛い思いをして、ニューヨークで暮らすことを決意した。この話は脚色したわけでもなんでもない。似通ったケースは、これ以降も、各方面から聞いてきた。
なにが、どうなって、こうなってしまうのだろう。今、読み返してみるに、改めて、辛い。どうすりゃいいのか、さっぱりわからない。
■下部に掲載している「強すぎる、弱き人々」の部分を、お読みください。 (←Click!)
かくなる次第で、今回の訪問もまた、考えさせられることの多い経験であった。参加メンバーからの感想もいつものように掲載しておく。メンバーそれぞれの感想を交換することで、異なる視点からを追体験できる。
感想文は、今後、追加することになると思うので、後日、読みに戻ってきていただければと思う。
【感想01】 ※JYOTHI SEVAへ週に2回、ピアノを教えに行っているメンバー
◎人数
全体では100人程の子供たちがおり、そのうち孤児が20人程度です。残り80人のうち、2~30人程度は外から学校のみ通っており、それ以外の子たちは併設の施設に住んでいます。夏休み(4月中旬から6月)になると、お家がある子は家に帰ります。
◎宗教
Jyothi Sevaはキリスト教ですが、施設内の子たちはヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教など様々です。お祈りの時間などがあり、基本的にキリスト教ベースの教育ですが、シスターたちも理解があるので、食事や彼らの慣習(それぞれのお祭りなど)には寛容です。
◎教育
常駐シスターは20~25人程度。その他講師などとともに授業をしていますが、点字に加え、教える科目などはシスターたち自身が別途勉強しています。お昼は子供たちに教えて、夜は大学に通っているシスターもいます。教育は全て英語教育、それぞれの母語は様々ですが、耳がいいからか子供はすぐになじむようです。
日本でいう、幼稚園から中学校までの子は併設学校でシスターが教えていますが、高校生はすぐ近くにある、普通の子たちが通う高校に行っているため、放課後シスターが彼女たちの勉強のサポートもしています。さらに、放課後にタブラー、カルナタカ音楽、ピアノ、合唱と興味のある子は習い事のようにやっています。
◎その他
年に3回(独立記念日、クリスマス、Jyothi Seva設立記念日)に学芸会的な催しを開いています。そこでは、歌、踊り、劇などを練習し披露します。これもシスターたちが全てコーディネート。当日は、家族や親戚などたくさんの人たちが見に来ます。美穂さんもおっしゃっていましたが、近親婚が多く、視覚障害を持つ子が多いのは事実なようです。
家族から、宗教的観念で前世の行いがよくなかったから、と若干虐げられている子も確かにいます。しかし、大半の家族は、彼らをとてもかわいがっており、一緒にすごしたいけど、どうやって育てたらいいかわからない、専門的な教育を受けれるところがないから、Jyothi Sevaにお世話になっているという状況です。
Jyothi Sevaでの教育が素晴らしいというのもあるのですが、小さい頃から親元を離れて生活している、社会的によい扱いを受ける機会が少ない、などから、子どもたちは状況を敏感に感じ取り、自立している子が多いように思います。
【感想02】
皆さまお疲れ様でした。個人的には今回初のJyoth Seva school for brind childrenの訪問でした。
子供達と音楽の交流。MUSEの歌から始まり、木村ハルヨさんの演奏、そして子供達の合唱。少ない人数でありながらも、MUSEのハーモニーは子供達にもしっかり届いていたと思います。木村さんの二胡の演奏は、子供達にも貴重な体験となったことでしょう。
互いの歌披露後にMUSEから子供達にスイーツの差し入れ。マシュマロと綿菓子。私はマシュマロを配りましたが、その際あえて子供達に袋の中に手を入れて1つずつ取ってもらうようにしました。マシュマロを知っている子はとても嬉しそうに、また初めて食べる子は手に触れた感触に戸惑いながらも、口に入れたらとても美味しそうに食べていました。「もう1ついい?」と、おねだりする姿は愛らしかったです。
教室や宿舎の見学。施設内はどこも清潔で、至る所に手作りのデコレーションがあり、とても可愛らしかったです。点字、コンピューターソフトのデモンストレーションも大変勉強になりました。日本でも視覚障害の子供達のための本や教材作りには苦労があると聞いてはいました。今回実際に点字の打ち方や読み方を見せていただき、より多くの子供達が学べる様、改めて点字タイプライターの重要性を感じました。また盲人向けコンピューターソフトも同様です。
見学後ランチまでいただきました。子供達も食べている食事には栄養も愛情もいっぱいでしたね。
施設内にいる間も、また帰り道でも、私の中にずっと響いていたのは「私達(人)にはやれないことはないのだ」という言葉でした。
シスターをはじめ、スタッフの方々の弛まぬ信念と努力と愛情に敬意を。また子供達の笑顔と未来に輝きを。今日は本当に勉強になりました。ありがとうございました。
【感想03】
目の見えない子供たちの施設を訪問するということで、今回思い切って参加させていだきましたが、まず施設がキレイでびっくりしました。子供たちの音、声に反応してる姿、マシュマロの柔らかさを実際に触って確認してる食べるところを見て、当たり前が当たり前じゃないと考えさせられました。助けが必要というのはこういうことかと。
ただ一方で、子供たちが作った編み物、像の粘土、ガネーシャを見てその出来栄えに感心させられましたし、目が見えないのにどーやって上手に作るのかとも思いました。普段出来ない体験をすることが出来てとても有意義でした。
【感想04】
インドでの視覚障がい児施設を訪問させ貰えるとの事で、非常に興味深く参加させて頂きました。美穂さんの表情ある声での挨拶や亜沙美さんのピアノ伴奏の元での私達の歌を興味深々で聴いてくれている子供達、ハルヨさんの二胡の素晴らしい音色に耳を澄ませ聴いている子供達、そして、私達の前に出て明るい声で歌ってくれる子供達の姿を見て、胸がキュンとしました。
シスター達が子ども達の歌う姿を見つめる優しい眼差しを拝見し、ああ、この方達が愛情を持って接しているからこそ、このような様子が伺え、子供達の表情も柔かいんだと感じました。また、移動時や食事の時も必要以上に手を出さず、子供達の自立にも配慮されていました。その他、しっかりと施設内の環境整備がなされ、清潔感があり施設の質の高さにも驚きました。
コミュニケーションツールとしての点字タイプライターやパソコン等も見せて頂き、やや旧式ではあるものの手入れの行き届いたそれらを器用に使い熟す姿を見て新しい物が絶対にいいとも言えないのではとも感じました。
最後に障がいの有無に関わらず、一人一人に愛情を持って接する事の大切さを改めて感じ取ることができた素敵な一日を頂き、また、この様な本当に貴重な体験をさせて貰えた事に感謝しております。どうもありがとうございました。
【感想05】
Museのみなさま、今日はありがとうございました。一か月と少しという短い滞在の間に施設訪問をご一緒できたこと、とてもラッキーでした!
点字タイプライターを見せてくれているときに少しお話しましたが、以前、盲学校で美術科の臨時講師として勤務した経験があります。その時にも感じたのですが、ただ「見えない」だけなんですよね、彼ら。(もちろん知的障害のある子どももいたと思います。障害のある子どもはいくつか複合的に障害があるケースが少なくないそうです。)
生まれたときから見えない子、病気や事故で見えなくなった子、少しずつ見えなくなる子、弱視の子、光は感じられる子、ほんとうに様々。少しでも見える子に認識してもらえたらいいなと思いなるべく派手にしていったのですが、何人かが顔をこちらに向けてニコニコと私を見てくれていたので、作戦が成功していたらいいな~と思います。
美穂さんに助けていただいての楽器の説明、曲の背景の解説、演奏と、あっという間でしたがとても楽しく、貴重な経験となりました。本当に彼ら、「耳を傾けて」聴いてくれているなあと感じました♪ 次回チャンスがあれば、今度は参加してもらえる曲を準備(MCも含めて)できたらいいなと思いました。手拍子や足拍子を入れた音遊び的なものや、小さな子も参加できるよう音の出る楽器を手作りして持参するとか、簡単なフレーズを一緒に歌ってもらうなど。ちょっと勉強しておきますね。
盲学校勤務時代は、視覚障害あるの教師とそうではない教師が議論を戦わせている場面をよく見ました。この人は目が見えないんだ、とわかっていても、あまりにも彼らが不自由なさそうに見えてしまうものですから、つい配慮が足りなかったりしてしまうのですよね。ほんの数時間でしたが、その時のことを思い出しました。
日本ではありえない事件が起こったところですが、個々が様々な境遇の人に対して「想像力」をはたらかせられる世の中になりますようにと強く祈るばかりです。そして身近なところから行動していかなければ。今回は本当にありがとうございました。声をかけてくださって嬉しかったです。またぜひ、このような機会がありますように。
【感想06】
盲学校への訪問は初めてだったため、非常に緊張しつつ参加しました。子供たちのお行儀のよさに驚いたのと同時に、目の見えない分、神経を研ぎ澄ませて様々な事を感じ取っているのだろうと思いました。子供達の歌を聞かせてもらった際には、真っ直ぐ前を向いて力強く歌う子供達の姿に、目頭が熱くなりました。私には到底想像できない世界で生きている彼らのパワーに圧倒されました。また、点字やパソコンのデモンストレーションを見せていただき、感銘を受けました。目の見える私よりもよっぽど色々な事が見えているように感じました。
今回の訪問で、日頃当たり前だと思っていることに感謝しなければと反省させられました。大変刺激を受け、素晴らしい体験ができました。ありがとうございました。
【感想07】
視覚障害者施設への訪問は初めての参加でした。今回は私達の合唱とハルヨさんの二胡演奏でいつもと違った交流ができました。子供たちはしっかりと聴いてくれてとても嬉しくなりました。その後子供たちの歌を聴かせてもらったら、何だか我が子が園児だった頃の発表会を見ているようで目頭が熱くなりました。
子供たちにマシュマロを配る際、袋の中へ手を入れてもらうためそっと手を添えました。自分の手で1つ取り柔らかさを感じているようでした。みんな「サンキュー」と言っておいしそうに食べてくれました。
施設内を見学させてもらうとどこも整理整頓がされていてとてもきれいでした。子供たちの部屋にはかわいらしい飾りつけがなされシスターたちの愛情や努力がうかがえました。点字タイプライターとパソコンの使い方を教わりとても興味深く、それを使いこなしている彼らには感心させられるものがありました。
目が見える私達は当たり前に生活をしていますが、子供たちはその当たり前のことを相当努力して過ごしているんだろうなと思いました。でもそれを感じさせない笑顔がありとても素敵でした。日本では経験することのない施設訪問をさせていただき勉強になりました。どうもありがとうございました。
【感想08】
Jyothi Seva Societyへは2年前にクリスマスプレゼントを届けに行った時以来初めての訪問でした。あの日は突然訪問したにもかかわらず、生徒たちがすばらしい歌を披露してくれて大変感動し、今回の訪問もとても楽しみにしていました。いつもの慈善団体訪問は子供たちと遊んでお菓子を配って終わりという感じでしたが、今回のように歌や演奏を披露し合ったり、お話をするスタイルも良いなと思いました。
子供たちの歌は本当に上手でまさに天使の歌声、心が洗われるようでした。ハルヨさんの二胡演奏は、私も目を閉じて聴いてみましたが、その情景が目に浮かび、ここでの演奏にぴったりでした。スピーカーが使えず独奏でしたが、むしろ二胡の音に集中できて良かったです。今後ミューズでも、手や足で音を出したり、簡単な楽器(タンバリンや鈴?)を使ったり、ディズニーやミュージカルの歌のように、間にセリフがある曲を歌ってみたらおもしろいかもしれません。慈善団体訪問に限らず、イベントやコンサートでも盛り上がるのでは。
子供たちは障害があるとは思わせないくらいしっかりしていて、礼儀正しく、きちんと会話もでき、とても感心しました。シスターたちの子供たちに対する眼差しがとても優しく温かく、皆たっぷりの愛情を受けていることが見てとれ、こちらも温かい気持ちになりました。子供たちの間でも、少し目が見える子は、他の子に様子を説明してあげたり、支えてあげたり、普通の子にはない思いやり、心の目を持っているようでした。障害を乗り越え、沢山の希望をもった子供たちをこれからも支援していきたいです。
【感想09】
子ども達が歌ってくれた曲で日本でも歌われている物があり音楽は世界共通なのだなぁと感じました。ミューズの歌の時、手拍子など出来る曲の時は、子供達もいっしょに叩いていました。また、叩いていいのか躊躇していた子のそばに行って手を出したら一緒に最後まで楽しそうに叩いてくれました。そんな子ども達を見て、空のペットボトルなどで太鼓やマラカスなど、音が出るものを作り合奏しても楽しいかとおもいました。
今回、私は参加すると返事をした後、英語も出来ないのに参加するなんて言って良かったのか? その上、歌を届けると聞き、歌チームでは無いのでますます何が出来るのかと、思いつつ出掛けて行きましたが、盲学校の一部の様子をいろいろ見せて頂け貴重な時間を過ごす事が出来ました。参加させていただいて良かったです。ありがとうございました。
【感想10】
今回で慈善活動の参加は4度目となります。今までの活動内容は子供たちと一緒に遊んで騒ぐという感じでしたが、今回は目が見えない分、どういう風に子供たちと接したらいいのかと不安でした。
でも実際行ってみて、歌を披露した際の耳を澄まして一生懸命聞いてくれている姿、一生懸命歌を披露してくれている姿にはこちらが感動させられました。目が見えなくても楽しそうで、お話し好きでもっとたくさんの人と話しがしたいという感情が伝わってきました。
普段何気なく生活している私たちですが、何事にも一生懸命な盲目の子たちを見ていると刺激を受けました。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。また次回も参加したいです。
【感想11】
住宅街の中に高い建物の施設がある事が意外でしたが、日常的に近隣から食べ物を貰いに来る人たちがいました。視覚障害児の施設ですが、とても明るくカラフルに、可愛く飾りつけしてありました。
シスターたちが皆さん、優しく穏やかで、子供たちも安心して落ち着いている感じがしました。私たちの歌がどんな風にみんなの耳に、心に届いたかはわかりませんが、子供たちの優しい歌声はとても心地よかったです。二胡の演奏も、きっと子供たちの想像力を刺激したことでしょう。
マシュマロと綿菓子は、ふわふわしていて舌の上で溶け、甘くておいしかったでしょうね。日常生活援助と学びの機会だけでなく、手打ちの点字、タイプライターを学ばせてもらえたり、パソコン操作を教えてもらえるとは、とてもラッキーな子供たちだと思います。これからもこの働きが継続され、より多くの子供たちがより良い機会に巡り合えることを願います。
【感想12】
JYOTHI SEVA SOCIETYを訪れたのは、これで3回目になります。美穂さんのブログにもあったように、一度目は、おもちゃやゲームを持参して子供達と遊びながらの交流、二度目はクリスマスプレゼントを届けに、そして今回は合唱や二胡の演奏など音楽を介しての交流でした。
これまでもそれぞれの感動はありましたが、今回は点字のや盲人用のPCを見せて頂いたり、より深く施設の事を知ることが出来た気がします。メンバーの一人が継続的に活動して下っていることもお互いの信頼関係に大きく影響しているのではないかと思いますが、ミューズクリエーションとJYOTHI SEVA SOCIETYの距離感ぐっと縮まったのを感じる訪問でした。
二胡の演奏、ハルヨさんの子供達への思いが伝わってくるような音色で聴き入ってしまいました。子供達の合唱もよく練習していて正しく天使の歌声! 交流会が始まる前に、子供達が元気にビートルズのイエローサブマリンを歌っているのが聞こえて来ました。次回は子供達が普段から歌っている曲なども一緒に歌えるといいですね。
優しいシスターときちんと整えられた環境ではありますが、長い休み明けや週末に家に帰った後、子供達はやはり少し寂しくて悲しくなるそうです。様々な理由で施設にいる子供達の笑顔に繋がるよう、これからも出来ることから参加させていただきたいと思います。
【感想13】
ドミニカンシスターズへ訪問させて頂いた時とは違い、目が見えない方々との英語での会話力がない事に不安がありました。ですが、学校に到着してからミューズのメンバーが揃うまでの時間、生徒さん方の歌がずうっと聞こえていてその可愛らしくも素敵な歌声にワクワクし、早く始まらないかと思い始めました。
会が始まり、いよいよ歌のご披露は期待通り。とても素敵な合唱でした。毎日練習しているのでしょうか、聞いていて笑顔になるもっと聞かせて欲しい、と思うあっという間のステージでした。シスター方の熱心なご指導があってこそ、素晴らしい事ですね。
ハルヨさんの奏でる二胡はとても美しい音色でした。賽馬も想像が膨らむ素敵で楽しい曲なので生徒さん方も初めての二胡の音色を楽しめたのではないかと思います。その同じ場に居て聴かせて頂いた事をとても嬉しく思います。
美穂さんセレクトのおやつは皆さんとても喜んでくれましたね。私はマシュマロを配らせて頂きましたがマシュマロの弾力を指で楽しんだり、口に含んだ時のあの口どけをわあ!と驚く子、美味しいからもっと食べたいと話す女の子、各々楽しんで貰えたおやつの時間となったように思います。
点字についてのお話し、点字でする算数の大変そうな事、目が見えなくてもパソコンでお仕事されている男性のお話しは感心するばかりでした。目が見えなくても編み物や手提げカバンなど手作りの作品を仕上げておられ、その作品を拝見させて頂き「すごい」としか言いようがありませんでした。果たして自分には何が出来るのでしょう。インドでも、また日本に帰っても。考えるばかりですが大事な時間が持てました。
また訪問させて頂きたいと思いました。ありがとうございました。