我々夫婦にとっては、この時期いろいろな記念日が目白押し、である。6月30日は米国での結婚記念日。七夕は出会い記念日。7月18日はインド結婚記念日と、いろいろある。毎年よくわからなくなるので、七夕に一応、お祝いをすることにしている。
今年は食の記録の方に記したが、シャングリ・ラホテル内の日本料理店で、七夕特別メニューを楽しんだ。
遭遇20周年だし、出会いのことでも書こうかと思ったが、だいたい毎年のように、誰に尋ねられてもいないのに、自分たちの出会いのことをネット上に書き始めて幾星霜。我ながら「同じ昔話を何度も語る年寄りみたいだ」と思える。というのも、今朝、Facebookを開いたら、2年前の思い出という記事で、やたら克明に出会いのことを記しているのを見つけて、自分のことながら「また書いてるわ」と思ったからだ。
更に言えば、昨日と2年前、自分が同じ服を着ていた、ということにも気づかされる。いかがなものか。と言いながらも、冒頭の夫の写真が凛々しくて「お気に入り」なので、一応リンクをはっておく。
■MIT同窓会の夜。七夕、出会い18周年記念の夜 (←Click!)
7月はまた、NORAが我が家を住処に決めて2周年でもある。以来、猫煩悩道まっしぐらな我々夫婦は、未だに猫に「不慣れ」な様子で、日々新鮮に、猫らに構い、構われている。
再び半野良ライフを満喫しているNORAは(そもそもNORAと命名した時点で全ては暗示されていた)、1年間封印されていた「ハンティング・スピリッツ」がメラメラと燃え上がったようで、毎日のように、ご近所パトロールへ出かける。そしてこのごろは、少なくとも週に一度は、「大きめのそれ」をお土産に持ち帰って来る。
勘弁して欲しい。
さて、このごろはもう、ネットにアクセスすれば、世界中のハッピーではない話題が、怒濤のように流れ込んで来る。この世の趨勢に、自分の考え、判断がついていかない。
バングラデシュのテロ、ISISの若きテロリストたち、母国の政治や原発問題、米国の警官による黒人射殺を巡る問題、英国のEU離脱……自分に直接関係がなさそうでも、目を通さずにはいられない出来事が、次々と。
今の世界に生きる上で、どのような「心がけ」や「心構え」が必要とされるのか。自分なりにいろいろと考えて言葉にしてみるも、読み返せばいつもどこか、理想論で、説教臭くなり、自分でも自分の本音が見えなくなる。
ゆえにこのごろはすっかり「無難なこと」ばかりを、こうしてネット上には記すようになってしまった。
6月は、ミューズ・クリエイションを結成して4周年であった。とはいえ6月はなにかと立て込んでいたこともあり、記念パーティは昨日に持ち越されていたのだった。
参加者が料理を持ち寄ってのポットラック形式のパーティを実施するのは1年ぶりのこと。メンバーの顔ぶれは去年とはずいぶん変わっている。料理をしたくない人は、できあいのものを購入して持参してもOKということで、気軽に集うことにしたのだった。
ミューズのメンバーは働く人々によるチーム・エキスパッツを含め、常時50名を超えているのだが、今回は一時帰国中の人が多いのに加え、他でのイヴェントとも重なってしまい、参加者は半数以下の20数名であった。しかし結果的には、わたし自身ほどよくリラックスできる雰囲気で、みなくつろぎながらの午後を過ごせたのだった。
持ち寄る料理については、前回同様、特に打ち合わせをすることなく、ただ、何を持って来るかをあらかじめお知らせしてもらっていただけなのだが、これが前回同様、いい具合に、前菜、メイン、肉料理、ご飯、デザートと品目が偏らずにいい感じで出そろった。
わたしは、久しぶりに豚肩塊肉2キロ分を買い込んでの煮込みである。
クリスマスのドライフルーツケーキ? ではない。塊肉を味噌その他諸々のソースでマリネして一晩冷蔵庫に寝かせる前の図である。
肉を載せ、隙間にもキャベツをぐいぐいと押し込む。そして加熱すること数時間……。
いい感じで、でき上がった。が、表面に数ミリ、脂が浮かんでいるので、脂過剰だと胃もたれするから、それらは丁寧にすくい取る。
昨今では、駐在員の若年化が進んでいることもあり、ミューズ・クリエイションのメンバーも、20代、30代が多い。新婚さんも多数で、ポットラックパーティがはじめだという人も多い。ゆえに、メンバー数名で早朝から集まって、一緒に料理を作ったという人たちもいた。
健気である。
彼女たちは今後も、海外駐在の可能性はあるだろうし、このような機会が増えるだろうから、その予行練習としてこのようなパーティを経験しておくのは、きっといいことに違いないとも思う。駐在員夫人の先輩方の、さりげなくおいしい料理などを味わえる、好機でもある。
かくいうわたしは、35歳まで独身だったし、今でこそ偉そうに自炊すべきだとか料理は大事だとか言っているが、20代の東京在住時など、それはもう悲惨な食生活だった。
自炊はせいぜい週に一度。あとは、コンビニのサンドイッチやパン、会社の近くの弁当屋、ラーメンやら中華丼やらカレーやら、安くてお腹がふくれるものなどばかりを食べていた。さらには、喫煙者でもあった。さらには、ユンケルやらリゲインやらを飲みまくっていた。
こうして書いているだけで、具合が悪くなる。よく生きていたな、と思う。今は1日でもあのころの暮らしを再現しただけで、体調が劣悪になることであろう。
そんなわたしであるから、20代から主婦を始めている彼女たちに偉そうなことをいえる立場ではないのであるが、まあ、立場上、鼓舞したりは、するわけである。
切り分けるべく、肉塊を掲げる。かなり大きい肉塊のはずなのだが、小さく見えるのはなぜか。
ところで、お気づきの方もあろうかと思うが、今回、料理が全体に茶色い! 茶色いがそれは、全部が醤油味だからというわけではなく、焼き菓子やバゲットも含めの茶色である。
女子らの共同制作による春巻き風2種。及び炊き込みご飯のおにぎり。
野菜たっぷり、春雨サラダ。大根とニンジンのなます、キュウリのぬか漬け、ポテトサラダなど。
このほか、うっかり写真を撮り忘れていたが、リンゴ入りのケーキやあずきプリンなどのデザートもあった。
敢えて書くまでもないが、料理はどれもおいしくて、みな、何度かおかわりを繰り返し、たいへんな満腹感である。しょっちゅうは無理であるが、1年に一度きりではなく、たまにはこういう集いをするのもいいものだと、改めて思う。
そしてこの午後のハイライトは、日本から来訪中のハルヨさんによる二胡の演奏!
つい先日、演奏をお願いして、遊びに来ていただくこととなっていた。
そして先週、ピアノ担当のメンバーに伴奏をお願いして、この日、ぶっつけ本番で、蘇州夜曲を披露……。坂田、歌う。
更には、坂田、映画『バグダットカフェ』の、CALLING YOUを弾き語り、ハーモニカの部分、ハルヨさんに二胡を弾いてもらう。
去年は飲んだ後にBABYMETALのメギツネを歌い踊り、それはもう息が切れて散々だったので、今年は歌うまで飲まずにいようと思っていたのだが、気がついたら、やっぱりスパークリングワインを飲んでいた。なぜ昼間のお酒はあんなにも、酔うのだろう。
弾いている途中に、最後のページの楽譜がないことに気づいて中断するなど、去年の「お面忘れ」同様「ネタ?」なことをやってしまう。哀。
以前、初めて聴いたときに、とても心に残っていたので、今回演奏をお願いした「賽馬」という曲。遠い昔、モンゴルを旅したときに見た、平原を風を切りながら走る馬の様子が、ありありと脳裏に蘇って来る旋律。
二胡の出すさまざまな音が盛り込まれていて、特に馬のいななきのような音には、びっくりだ。
メンバーらの、「すごい!」「びっくり!」の表情が、かわいい。
ミューズ・オリジナルポロシャツで登場の「母娘」メンバーが、サプライズで歌を披露してくれた!
ハルヨさんの持ち曲のひとつ、「花は咲く」に合わせて、ミューズ・クワイアのメンバーも歌う。
……というわけで、今年もまた、無事に1年を終えられた。
先のことをあまり考えず、しかし人々を巻き込んでスタートしたミューズ・クリエイション。当然ながら常に順風満帆というわけではない。多くの人々とともに活動をする上では、何かしらの課題に直面するのは当然のことで、それは覚悟のことであった。
わたし自身、それまでの人生からは考えられない状況下に、自分を定めての活動であり、試行錯誤は続いているとはいえ……ミューズ・クリエイションをはじめて、本当によかった。
4年間、続けて来られたことも、わたしの中で少なからず、「できている」という自信に繋がっている。もちろん、共に活動を続けてくれたのべ150名ほどのメンバーのおかげであるのは、言うまでもないことであるが。
毎年恒例のバザールは、今年は9月17日土曜日に開催する。これまでは拙宅が会場だったが、今回は市内のホテルのホールを借りて行うことになった。この件についてはまた、改めて告知することになるのだが、そろそろヴェンダーを開拓するなど実施に向けて動き出すところだ。
というわけで、昨年の記録もここにリンクをはっておく。
■昨年のポットラック・ランチパーティの記録。(←Click!)
わたしは同じ料理を出していた……。
料理の見た目は、全体に去年の方が美しかった気がするが、味は今年も十分においしかった。