モンスーン・シーズンのバンガロールは、曇天の日々が多い。このごろは、涼風が吹き抜け、肌寒いほどである。日本や米国在住時の猛暑から遠く、8月だという実感が沸かない。
このごろは、食のブログや猫のブログに加え、日々の出来事はinstagram経由でFacebookなどにも細々と残していることもあり、このインド百景の更新頻度は、ずいぶんと落ちてしまった。ミューズ・クリエイションの活動記録ばかりが目立つようになった気がする。
というわけで、久しぶりに、このところの自分を振り返ってみる意味でも、ここに記してみようと思う。というよりは、instagramの転載のようになってしまうが、備忘録の意味も含め、まとめておこう。
過去のあれこれを、折に触れて回想したり、情報を再確認するに際して、遠い昔のブログやホームページの記録が役立つ場面が多々ある。「わたしは、こんなことを考えていたのか!」と、自分が書いたとは思えない記録にも、多々、遭遇する。
このささやかな日常の記録もまた、5年後、10年後に遡れば、それなりに意味があるかもしれない。
ついでに夫が旅先から送ってきた写真も何枚か、載せておく。アスペンの大自然の中で、いい日々を過ごしたようだ。上はその一枚だ。
この犬は、ある夜の車窓から見たオートリクショーの乗客、ならぬ乗犬。額にビンディを施されている。スピッツ、だろうか。
この犬の写真を、未来、遡って検索することはないと思われるが、かなりかわいかったので、思い出に。
7月後半は、夫が2週間ほど米国へ旅行&出張へ出ていたことから、羽根を伸ばすつもりだったのだが、夜遊び遊びはそこそこに、比較的地味な日々だった。
今振り返ってみれば、instagramの写真の大半は、猫ものである。どうしたものだ、というほどに、猫まみれだ。
それ以外、人間的な記録としては、ミューズ・クリエイションの慈善団体訪問などの活動や、メンバー女子との夜遊び、そして日本から来訪している二胡奏者のハルヨさんと遊んだことがメイン。
猫関係の写真は、猫ブログに改めて転載するので、ここでは触れぬが、猫写真に比べて、ここに載せる写真の少なさ! 自分の視点とシャッターチャンスのタイミングに、呆れる。
【7月10日】ファミリー・ディナー@District 6。ブリゲート・ゲートウェイのシェラトンホテル裏にあるマイクロブリュワリーだ。
バンガロールに初のマイクロブリュワリー、The Biere Clubがオープンしたのは2011年。以来、わずか5年のあいだに、何軒もオープンしている。
外食、夜遊びが激減の昨今、知らない店は多数あるのだが、今日訪れたここも初めてだった。まずは6種類のビールをテイスティングさせてもらい、その中からラガーを選ぶ。おいしい。
適当に注文したピザやサラダも、予想以上においしい。大好きなアレギュラのサラダもあり。次に頼むときは「ドレッシング、やや少なめで」にしよう。この間、別の店で「少なめに」と頼んだら、パッサパサだったので「やや少なめ」。
デザートは食べるつもりがなかったのに、みなでシェアするために注文したブラウニーもチーズケーキもアップルクランブルも、やはりどれもおいしい。
総じて、そもそも期待していなかったせいか、満足である。雰囲気もいいし、1ポーションも適量だし、この店、近所にあったら一人でもふらりと来たい。
【7月11日】夫がムンバイ出張につき、ハルヨさんを誘ってディナー@Smokehouse Deli。すこ~し風邪気味の彼女と、すこ~しお腹の調子が悪いわたし。故に「控えめに」飲んで食べるつもりが、こうしてみると、ずいぶん華やかな食卓。更には、ローストトマトのスープもあった。アルコールも各自2杯ずつ。どれもおいしく、お腹の具合など、すっかり忘れてしまっていた模様。
サルバドール・ダリの生まれ故郷、スペインのフィゲラスを訪れたことがあるというのは、日本の友人の中では、彼女が3人目。ほかにも思いがけないところで共通項があり盛り上がる。国籍を超えて、国境を超えて、類は友を呼ぶものだとの思いを新たにした夜。
【7月14日】親戚の子らを招いた夜。両親が米国出張中につき、彼らの叔母がわざわざコルカタから来訪し、3週間に亘って世話をしているので、遊びにおいでよと招いた次第。ピアノを弾き、猫と遊び……。賑やかな夜。
長男はチェロを、次男はピアノを習っている。長男に、「好きな曲はなに? ハミングしてみて!」と頼んだら、耳慣れた旋律。日本の唱歌「ちょうちょう」だ。てっきり日本の歌だと思っていたが、調べてみたら、ドイツの古い童謡だとのこと。驚いた。9月のチャリティ・バザール&コンサートで、演奏してもらおうかしら。ちょうちょうなら、わたしもピアノ伴奏、ノープロブレムだ。
ところで懸案だったヴェジタリアン・ディナー。蒸しトウモロコシにフライドポテト(エアフライヤー)、ホウレンソウとマッシュルームのキッシュ、ニンジンとカリフラワーのスープ、自家製パンと、あれこれ作った。デザートは、自分でトッピングを楽しむカスタードプリン。普段はノン・ヴェジの我々含め、大人も子どもも、みなで楽しくおいしい夜だった。
【7月18日】今年はホテルのホール&プールサイドで盛大に実施することになった第5回ミューズ・チャリティバザール&コンサート。早くも「選りすぐり」の出店者は7割方、決定。
今日は、このたび初出店のオーガニックショップ、The Green Pathへ、ランチ兼ミーティングへと赴いた。オーガニックのヘルシーなヴェジタリアン料理。どれも美味! 場所はマントリスクエアの斜向い。不健康な食生活に偏りがちな単身赴任の諸兄にもお勧めだ。
ともあれ、9月のバザールでは、ヘルシー素材で作られたピザやブラウニー、菓子類を出してもらうことにした。色々と、楽しくなってきた!
【7月19日】パルーシー料理店、ソーダボトル・オープンワーラー Sodabottleopenwalaにてレディース・ナイト。なぜか8人も集結し、みなであれこれ注文しては「おいしい!」「おいしい!」と賑やかな夜。
パルーシー料理は、独特の世界。ムンバイに住んでいたころは、あちこちのパルーシー料理店へ出かけては、「初めての味覚世界」を楽しんだものだ。名物だというラズベリージュースもおいしく、お酒が飲めない女子にも人気だった。
女子らの助言に従ってポーズをとったら、自分としてはかなり気持ち悪い表情の1枚となったのだが、ハルヨさんがシャボン玉飛ばしの加工をしてくれたので、せっかくだから、載せる。
女子らと解散のあとは、播磨で大人の2次会をして解散。夫不在の夜、久しぶりの夜遊び、楽しかった。
【7月25日】夫出張中は羽根を伸ばせる。などと言いながら、週末はほぼ引きこもりでデスクワークに雑事その他にいそしむ地味な日々。こんなことではもったいないと、昨日は気分転換の一日。午後、チャンセリー・パヴィリオンでミーティングのあと、バンガロールクラブで買い物をすませ、リッツ・カールトンのスパへ。すべて至近距離で便利。
いつものアーユルヴェーダのオイルまみれのマッサージは「効果大」だが、優雅さは皆無ゆえ、たまにはラグジュリアスに。泳げるほどのジャクジー、スチーム&ドライサウナもあって、大いにリラックスできた。夜はハルヨさんと、新しいお店 Farzi cafe で新しいセンスのインド料理を味わいつつ、飲み、語る。
稲妻まじりの、ざあざあと降りしきるモンスーンの大雨を眺めながら、吹き込む涼風に、気持ちの淀みさえも洗い流されるような、夜。
【7月28日】●UBシティのビューティサロンM&Wにて。久々に、手の爪にもエナメル。ペディキュアは定期的に施しているが、手は爪が弱いし料理その他の妨げになるので、滅多にせず。NY時代は欠かさなかったのだが、思えば本当に久しぶり。きれいな色。たまには、いいな。
●播磨にて。728会(関西人会)&菜の花会(千葉県人会)の合コンに参加。わたしは福岡出身(熊本生まれ)だが、千葉にも2.5年、住んでいた。坂田暗黒時代につき、封印しきっていたが、2か月ほど前に封印を解き、加入した。
●播磨の肉まんは、以前よりもおいしくなった気がした。肉まん的な顔をして、2つも食べてしまった。おにぎりも食べた。BBQの肉もたっぷり食べた。
●カラオケを歌った。同じ歌うでも、昨日の慈善団体訪問モードとは打って変わって宴会芸。ピンクレディのUFOを一緒に歌い踊ってくれる同世代女子を発見、息切れしながら歌い踊る。O田さん楽しかったです。ありがとう。子どものころの経験は、身体に染み付いている。おやじ観衆、沸いた。若者、すまぬ。
●ハルヨさんとデュエットしようということに。彼女が好きな『恋の季節』by ピンキーとキラーズ。わたしが3歳児のときにはまりにはまった曲。油性ペンをマイク代わりに、母の鏡台に向かって振り付け込みで歌い踊っていたことを思い出す。三つ子の魂百まで。カラオケで歌うのは今日が初めて。しかも48年ぶりに歌うというのに、「キラーズ」の部分をハモって歌えた自分に驚く。幼児期の記憶の、いかに重要かということを、身を以て思い知らされる。
●というわけで、「パルヨン&ミポリン」という新たなユニットも誕生。来週には日本へ帰国するパルヨン。今回は、たくさん遊べて楽しかった。次回の来訪を、待ってます!
坂田2歳児ごろの一枚。この翌年あたりに大ヒットした『恋の季節』。この帽子を被り、振り付け込みで「ピンキー」の真似をするのが、定番だった。
わたしは幼児期の記憶が結構残っており、妹が生まれる前の2歳、3歳のころの出来事も、結構いろいろと覚えている。『恋の季節』の歌唱記憶は、中でも鮮明だ。
3歳のころ、親指を負傷する事件があり、そのときマイク代わりのマジックが握れず、歌真似ができなくて無念に思ったことなども、思い出す。どれだけ、好きだったのか。
【8月1日】 ●子どものころ、歳の離れた弟のようにかわいがっていた従兄弟に、第一子が誕生したとの知らせが届いた。わたしとも、うっすらと血がつながっている小さな命。わたしはきっと、「インドのおばちゃん」と呼ばれるのだろうな。
今日、オーガニック・コットンの衣類などを贈ろうと、買い物に出かけた。
年々、子供服のクオリティも高くなっており、どれを見ても、かわいい。FABINDIAでは、数年前にはなかった乳児用のオーガニックコットンの衣類も販売されていて、どれにしようか、迷う。特に女の子の服は、どれもこれもチャーミング!
女の子だったら、迷った末に、あれこれ買い込みすぎて、たいへんなことになっていたと思う。思えば、初甥も男の子だったからこそ、迷いが少なくてすんだ。着る時期は短いのだとわかってはいるのだが、ともあれ、インドのよきものを。
玩具もまた、木製のオーガニックものがあり、ついついサイトを見入ってしまう。ミューズ・チャリティバザールにも出店してくれるので、それはそのときに調達するとしよう。オンラインでも買えるけれど、あまり張り切ってどっさり贈るのもなんなので。
ともあれ、小さいものは、本当に、かわいらしい。
一転して、この清々しい青空とダイナミックな山間の光景は、夫が送ってくれたアスペンからの一枚だ。米国コロラド州、ロッキー山中に位置する小都市。ここを拠点とするグローバル組織、アスペン・インスティテュートのプログラム(セミナーやカンファレンスなど)に参加するため、1週間に亘り滞在していた。
アスペン・インスティテュートについては、過去の記録で触れているので、関心のある方はご覧いただければと思う。
■米議会のインド視察団と、熱く語り合う夜。 (←Click!)
2005年の終わり、インドに移住した当初の夫は、なかなかインドでの暮らしになじめず、ビジネスも思うように軌道に乗らない時期が長かった。転職、ムンバイとの二都市生活、リーマンショック……諸々の荒波を超えつつ、彼の実績が正統に評価され始めたのは、ここ数年のことのように思う。
仕事とは別に、かようなアスペン・インスティテュートのリーダーシップ・プログラムにノミネートされたり、あるいは最近のことではあるが、YPOのメンバーに選出されたことによって、新たなソーシャル・ネットワークを広げ、仕事を超えた世界での人々との結びつきが、精神的な世界観を広げてくれているようでもある。
YPOに関していえば、伴侶向けのプログラムも充実しており、わたしはわたしで、イヴェントや勉強会に参加することができる。これは非常にありがたいことで、今後が楽しみだ。
アスペン滞在中には、人生初、10キロメートルのマラソンに参加して、完走したらしい。標高2500メートルを超える高地ながら、30分ほどで走り切り、順位も参加者の中程、だったとのこと。
毎朝、自宅のトレッドミルなどのマシンで30分ほどエクササイズをしているせいか、走り切れたことを、とてもうれしく思っている様子だった。レースの途中、タイムが記録されているとは知らず、景色のいいところで立ち止まり、写真撮影などをしていたらしく、「写真を撮ったりしなければ、もっといいタイムを出せた」と、少々悔やんでもいた。
アスペンで1週間を過ごしたあと、帰路、ニューヨークに数日滞在。宿はいつものリンカーンセンター前のホテル。ニューヨーク本社に立ち寄ったり、ミーティングに出かけたりした以外は、猛暑につき、ホテルのプールで泳いだり、買い物に出かけたりと楽しんだようである。
9月下旬にはまた、夫のアスペン関連のイヴェントがバルセロナで開催される。この旅には、わたしも久しぶりに便乗して赴く予定だ。尤も、大半は別行動になるが、わたしも久しぶりに欧州の町を一人歩きするのが楽しみである。
1989年。社会人になったばかりのころ取材で訪れたスペイン。わたしにとっては、「初の欧州旅」がスペインだった。バルセロナへは以降、何度か訪れているが、世界で最も好きな土地のひとつである。
芸術、建築、食……。魅力に満ちあふれたバルセロナ。27歳のときの欧州放浪3か月旅の終盤に訪れたときには、サルバドール・ダリの故郷、フィゲラスとカダケスへも訪れた。今回また、20数年ぶりに足を運ぶつもりでいる。
ともかくは、9月17日のミューズ・チャリティバザール&コンサートを無事に終え、旅に気持ちを切り替えるのはそれからだ。
そうこうしているうちにも、インドは各宗教行事を含め、ホリデーシーズンに突入する。うっかりしていると、2016年もまた、目まぐるしく、しかし確実に、終盤を迎える。