現在、バルセロナから北へ列車で1時間半足らずの場所にあるジローナに来ている。バルセロナとはうってかわって、小さな古都の、カテドラルのそばにある石造りの宿に滞在している。
午後10時。たった今、教会の鐘の音があたりに響き渡っている。ここに来てようやく、欧州の町を旅しているのだ……という、しみじみとした旅情に浸っている。
さて、今日の記録を残す前に、昨日のバルセロナでの一日の写真を、載せておこうと思う。明日は朝からフィゲラスへと足を伸ばし、サルバドール・ダリミュージアムへと赴く。今、書いておかねばインドに戻ってからはもう、書く気がしなくなってしまいそうなので、せめて写真のキャプションだけでも。
◎旅の序盤にひとりで訪れた、グラシア通りに面するカサ・バトリョ。夫が内部を見学している間、わたしは界隈を散策。というのも、本を通して、この1ブロックに、モデルニスモ三大建築家の作品が立っていると知ったからだ。
◎プーチが設計したアマトリエ邸。ガイドツアーが行われていたが、時間が合わず、内部見学はしなかった。
◎角に立つのは、カタルーニャ音楽堂を手がけたドメネクによる建築物。
◎スペインの老舗高級皮革製品ブランド、ロエベの店舗になっている。
◎ランチは、ホテルの人に勧められた人気のタパス店へ。なにしろ、街は人気タパス店にあふれており、最早、なにがなんだかわからない。
実は旅に先駆けて、夫が高級店や、「思い出の店」など、いくつか予約をしてくれていたのだが、夜はお腹がいっぱいで食べられないし、昼間は移動に不便で時間的なロスが大きいしで、結局2カ所をキャンセル。昔ほど、たくさん食べられないのに、メタボリズムが低下しているから、すぐにデブる。不条理だ。実に残念だ。今回の旅の最中、何度、20代の自分を呼び寄せたいと思ったことだろう。
◎とかなんとか言いながら、「わたしの血は、サングリアでできている」などと、言ってしまいそうな日々。
◎胃がもたれるなどと言っている人は注文すべきではない、またしても、スペイン風フライド・ポテト。
◎食後、市街北部のサン・パウ病院までタクシーを飛ばす。といっても、病院に行くのではなく、かつて病院だった建築物を見学に。彼方に見えているのはサグラダ・ファミリア。ここから歩くのがいいアプローチなのだ。
◎19年前に訪れたときには、まだ病院として機能していたのだが、現在は病院施設は別の建築物に移されているらしい。この建築物はドメヌクによる作品で、1997年にユネスコ世界遺産に指定された。
◎実は今回の旅、スイーツをあまり食べてはいない。お店の人に尋ねて伝統的なペイストリーを教えてもらい、試すことにした。これは天使の髪の毛、という名前を持つお菓子。パイ生地にマーマレードのようなジャムとナッツなどがトッピングされている。今調べてみたら、マーマレードではなく、「錦糸瓜(そうめんかぼちゃ)」と呼ばれるカボチャのジャムらしい。道理で風味が落ち着いていた。興味のある方は、こちらのサイトを。
◎夫に付き合うべく、今回2度目の訪問。前回、じっくり見なかったあたりの写真を。
◎ディテールに目を向けると、昆虫や鳥、動物など、さまざまな生き物のモチーフがちりばめられているのがわかる。
◎前回、建物内の写真はたっぷり掲載したので、ほどほどにしておく。
◎塔へ上るには、2つのファサードのうちどちらかを選べるのだが、前回のパッションのファサードより、こちらのネイティヴィティのファサードの方が、ずっとよかった!
◎ガウディの建築をして、蜂の巣もまた、一つの着想の源ではなかったかという記事を読んで、なるほどと思った。逆さまに滑らかに曲線を描いてぶら下がる蜂の巣。建物全体もそうだが、こういう部分的なモチーフも、蜂の巣に見えてしまう。
◎ひとしきり、サグラダ・ファミリアで過ごしたあと、地下鉄で旧市街へ。
◎夜は、カタルーニャ音楽堂で開催されるギターとフラメンコのショーを見に行くことになっている。それまで時間があるので、行きたかったショコラテリアを目指す。
◎Petritxol通り沿いある店。先日訪れたかったがなくなっていた思い出のショコラテリアのすぐそばだ。
◎1941年に創業されたというDulcinea。今でも創業者夫妻(94歳と93歳)は毎日、店に出ているのだという。
◎ずいぶんとパンチの効いたものを注文してしまった。チュロスはチョコレートドリンク(トロリと濃厚)につけて食べる。丸いパンは、マヨルカ島の名物、エンサイマーダ。こういう土地の伝統的なものを、口にしたかったのだ。
◎腹ごなしを兼ねて、夜の旧市街を歩きつつ、カタルーニャ音楽堂へ。もう夕飯は抜きだ。などと言いつつも、やはり何かを食べておこうと、軽くタパスを。
◎ふらりと入って、15分もあれば、さっと飲み食いできる店が街中にたくさんあるというのは、便利といえば便利だ。
◎ギターとフラメンコのショーは、本当に楽しめた。特に、ギターがよかった。スペイン世界に、ギターの音色は本当によく似合うと、改めて、しみじみと、思う。
◎いろいろ書きたいが、もう、夜も更けてきた。睡眠重視の我は、最低7時間は寝なければ、翌日、シャープでいられない。なので、寝る。
彼らの詳細はこちらのサイトに掲載されている。
◎ギターの音色を、どうぞ。