His name is Rocky.
打たれ強い男になって欲しいとの願いを込めて。「負けるなよ、NORA姐さんに」の、期待を込めて。
なにしろ、昨日までは、テニスコートの排水口で、寝起きしてた彼。十分にたくましい。
昨日も記したが、夕べはNORAには気づかれぬよう、サンルームにスペースを確保して、一晩を過ごした。
いろいろと、気になっていたのか、夢の中でも、2匹の猫が現れて、双方の仲を取り持つために、砕心している自分がいた。目が覚めたら、NORAがわたしのお腹の上で、悠然と、寝ていた。
朝一番、我が家の近くにある、公営の動物病院へ連れて行った。NORAも最初はここでワクチンを打ってもらい、避妊手術だけは、ハイブリッドなペットたち御用達の、評判のよい病院で受けさせたのだった。
なにしろ、ロッキーも、野良。まずは、軽く、状態を見てもらえればいいのだ。
ドクター曰く、この猫はオスで、生後2カ月程度、健康。とのことだったので、夫があれこれと案を出したなかから、ROCKYを採用したのだった。
ちなみに彼が候補に挙げたものの大半は、使えないものばかり。ニンジャ、コニシキなどというのもあった。ブラウニーはかわいいと思ったが、野良出自にはかわいらしすぎる。
日々、我がテリトリーのパトロールを怠らないNORAが、彼の存在に気づかぬわけはなく、ガラスの扉ごしに、威嚇することしきり。最初は驚いていたロッキーだが、すぐに気を取り直し、ミャオミャオと立ち向かっている。
ドクターから指示された薬を3種類、服用させ、1週間後にはワクチンの注射を摂取する。
昨日まで排水口ぐらし。汚れているだろうと思い、身体を拭くつもりでぬるま湯のバケツを用意したが、試しにと浸からせてみたら、さほど嫌がらない。NORAは狂ったように飛び出して、それはそれはもう大変だったから、いつも濡れたタオルで拭くだけなのだが。
無論、猫はきれい好きだから室内外ならお風呂の必要はないだろうが、なにしろ半野良。すぐに埃まみれになってしまうのだ。
ともあれ、夕べはトイレもすぐに覚え、お風呂も厭わない。なんとよくできた野良であろう。
さらにはもう、気味が悪いくらい人懐っこい。人の腕を足場にして、肩に乗っかって来る。
いやはや。こんなに人懐っこい野良猫がいるとは……。
猫屋敷と化することなく、当面はこの2匹体制でいこうと思う。さて、いつ2匹が仲良くなるのか。時間をかけて、様子を見守ろうと思う。