上の写真は、わが家で常備している「甘味」2種類。左はハチミツ、右はジャガリー(Jaggery)と呼ばれる糖です。
まずは、ハチミツについて。インドは各地でハチミツが生産されており、南インドには、Coorgというところで産されるハチミツが有名ですが、この写真は北インドのもの。ユーカリのハチミツです。
ハチミツにもいろいろありますが、なるたけ添加物の含まれていない「ピュア・ハニー」(純粋ハチミツ)が、味も濃厚で身体によいとされています。
アーユルヴェーダでもハチミツの摂取は勧められており、「熟成されたもの」がよいとされていますが、そのような商品はなかなか手に入りません。
とはいえ、「量より質」で、なるたけピュアなものを摂るのがいいでしょう。
身体の免疫力を高め、抗菌効果があり、エネルギーを高めます。喉の痛みや咳にも効果的です。
また、肌や髪の毛にもよいとされるハチミツ。インドの自然派コスメティクスには、ハチミツ配合のローションやシャンプーもよく見かけます。
わが家では、朝のハーブティーに少し入れて飲むほか、夏場のレモンジュースなどにも用います。
ハチミツは加熱するとせっかくの薬効が破壊されてしまうので、煮込んだりせず、最後に加えるのがいいでしょう。
また、風邪のひき始めなど、体力が弱っている時には、就寝前に温めたミルクにハチミツとターメリックを少々加えて飲むと、身体が温まり、熟睡できます。
さて、わが家では、ハチミツよりも使用頻度が高いのがジャガリー。この不思議な形状の塊は、サトウキビや椰子を原料とする天然の糖です。
添加物が含まれていない、天然の糖分であるジャガリーは、ミネラルなどを含んでおり、ハチミツ同様、アーユルヴェーダでも推奨されている甘味です。
ものによって少々異なりますが、わたしが使っているのは、オーガニックの野菜を生産・販売しているNamdhari'sというマーケットで売られているもの。
一見、硬そうに見えますが、包丁などで削ると、ハラハラと崩れ落ちます。しっとりとした食感で、黒砂糖のような、三温糖のような、独特の風味を伴った甘さです。
これだけをかじっても、おいしく思える、まるでお菓子のような味わいです。
わが家では、毎朝のミルク粥(あるいはオートミール)に散らして食べるほか、料理や菓子作りにも用います。
先日、日本の白玉粉で団子を作ったのですが、あんこがありませんでしたので、このジャガリーを溶かしてかけてみたところ、とても相性がよく、美味でした。
インドでは、たとえば南インドの一般的な野菜の煮込みスープ(カレー)であるサンバルなどに、隠し味として使います。
また、グジャラート地方の料理にも、スパイスと塩分を引き立てるべく、使われており、独特の「旨味」を生み出しています。
防腐剤などが使われていないため、なるたけ早く使い切るのがお勧めですが、わが家は二人暮らしなので消費も遅く、冷蔵庫で保存しています。
冷蔵庫で保存すると、硬くなってしまうので、あらかじめ砕いておくのがいいでしょう。
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