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わたしの小さな「庭」。
夏の訪れとともに、蝶々や蜂がやってくる。
昨日のつぼみがもう、今朝は開いている。
瞬く間に主役のようすで、高らかに咲く。

ひとみのおくのきらめきから、さぐる言葉。
たりないものをおもうときの、むねの軋み。
たりないものをおぎなおうと、足掻いても。
ともかくは握っているものを、慈しむこと。
ほら、きょうのそらも、こんなに青いぜ。

その乾いた、小さな一枚。
はらりと舞い落ちて、ぽつんと在る。
蘇る記憶の底に眠る光景。
遠い日の、アッパーウエストサイドの、
タウンハウスの階段。
遠いあの町は、いま、深い雪の中。

細い窓から、冷たい床に、
差し込み落ちる日差しは旅情。
イタリアの、アッシジの、修道院。
スペインの、フィゲラスの、安宿。
中国の、蘇州の、定食屋。
オーストリアの、ヴィエナの、カフェ。
ポルトガルの、リスボンの、菓子屋。
インドの、バンガロールの、スパ。

甘い香りを放ちながら在る。
初めての出会いは、2005年の7月24日。
あの夜の、なんと静かで、遠いこと。
あの夜は、何万マイルの果てに在り。