本日、インドは独立記念日。1947年のこの日。
70年以上に及ぶ英国支配より、開放された日。
街に翻るあちこちに国旗。
サフラン色のヒンドゥー教、緑色のイスラム教、調和、平和、和解の白に、
浮かぶはチャクラ、独立の証。
本日、日本は終戦記念日。1945年のこの日。
玉音放送、ヒトの声。
国旗を、淀みない思いで、誇らしく国旗を、掲げられる国々と、
そうでない国と。
日章旗の、憐れ。戦没者の、哀れ。
夏休みの、お盆休みの、盛夏のころの、遣る瀬なさ。
入道雲白く空蝉の、岩間を走る清流の冷たく。
そうめん流しの竹竿と、めんつゆ薄くてなお頬張り。
鬼灯(ほおづき)苦くて音鳴らず、虫取り網の中の羽音。
大きな盆に次々と、餡のきな粉のぼた餅の並び。
三和土に並んで齧る水瓜、飛ばし合う種の滑らか。
ロケット花火、蛇花火、落下傘に線香花火。
指にしみいる火薬の残り香。
ボンボン時計の音に眠れず。
迎え火、送り火、精霊流し。
ナスに突き刺す爪楊枝。
線香の匂いがする饅頭。
川辺にゆらゆら灯りは揺れて、
精霊送りて夏は往き。
お盆らしさのなにもなく、
しかし「盂蘭盆会」その言葉生まれし国で、
菓子を焼きつつ父をしのび、
灯火揺らして、風に送る。
風がそよそよ、そよ吹いて、
いつにも増して心地のよい日。
ゆらゆら木枝が光を揺らし、
蝶が部屋に舞い込んでくる。
幾度もひらひら舞い込んでくる。
赤蜻蛉に代わっての如く。