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車を降りるや、迫りくる悪臭。 塵堆積の乾涸びた川辺にそびえたつ店にて。 店に入れば、 あたらしい時代の、 あたらしい日用品の、 あたらしい匂い。 コーヒー豆の香りに誘われ、 カプチーノにドーナッツに。 と、鼻腔の奥から蘇る川辺の匂い。 手当たり次第、なぎ倒し、 踏み倒し、蹴り倒し、
ひたすらに、新しいものを、新しいものを。 片付ける、いとまもなく。 振り返る、いとまもなく。
去年の君は、 困惑と苦悩のただなかだったので、 なにも、しなかったし、 したくもなかった。 今年の君は、目覚めるや否や、 こっそりと、使用人に色の粉を買いにいかせた。 そしてバルコニーへ、妻を呼び出し、 「ハッピー・ホーリー!」 と、満面の笑顔で、色の粉をちりばめた。 インドで、二度目の春が来た。