今日は終日、「バンガロールらしい快晴」が広がる一日でした。空気は乾き、太陽は照りつけ、空の青さがぐっと目に染み入るような、そんな一日。
今から5年前のちょうど今頃、わたしたちは米国からバンガロールに移住したのですが、そのころの空と今日の空は、本当によく似ていて、当時のことが懐かしく思い返されました。
庭のハイビスカスも愉しげに風に揺れ、この花には太陽がよく似合います。太陽の光を敏感に受け止めて、何匹もの、さまざまな種類の蝶が、庭に舞い込んできます。
さて、本日はあれこれと買い出しに出かける必要があり、バンガロールで最も大きいショッピングモールMANTRI SQUAREへ。
開店直後は「歯抜け」状態で、オープンしていない店舗が多かったのですが、ようやく全体が整い始めたようで、賑やかな雰囲気です。
買い物の前に、まずは腹ごしらえ。義姉スジャータが「意外においしかったのよ」と勧めてくれていた南インド料理レストランへ直行します。その名もBON SOUTH。
庶民派ショッピングモールのフードコートの一画にあるにしては、値段設定がなかなかに高いお店です。
カジュアルなインド料理店のランチはブッフェであることが多いのですが、ここはコース料理でテーブルにサーヴしてくれるよう。上品な感じで気に入りました。
インドではノンヴェジタリアン(非菜食)、ヴェジタリアン(菜食)の2種のメニューが必ずあることは以前も記しました。もちろんコースメニューも2種類が用意されています。
わたしはノンヴェジを注文しました。
実は今、メニューを見直して気づいたのですが、コース料理の注文は2名様から、と書いてあります。わたしは一人で訪れたのですが、誰も何も言わずにサーヴしてくれました。
それどころか、一人で来ているゲストに対して気を遣ってくれるのか、ウエイターやマネージャーが次々にやってきては、「お味はいかがですか?」などと声をかけてくれます。
インドでは、よくあることです。
そもそもインドでは、一人で外食をする女性が少ないということもあってか、お店の人たちも気になるのでしょう。
たまに「一人にして」と思うこともありますが、彼らのそれは厚意だということはわかっているので、笑顔で対応します。
このブログでインド料理をご紹介する機会は少ないので、今日はしっかり写真付きでご紹介してみましょう。まずは「お通し」的にスナック。
まるでインドの国旗を思わせるチャトゥネをつけて食します。味は、コリアンダー&ミントのペースト、ココナツ、チリ&トマト(多分)です。
ちなみにここでスナックを食べ尽くしたのでは、あとが入りません。いくつか味見程度にいただきます。
ウエイターが、「お料理の辛みはいかがなさいますか?」と尋ねてくれたので、「マイルドに」とお願いしました。南インドの辛い料理は、本当にチリが利きすぎて辛いものが多いのです。
しかし、マイルドと辛いもの、二つ作り分けているのでしょうか。少々あやしい……。
さて、スープが運ばれてきました。刻まれたマトン肉がトッピングとして添えられています。
このスープ。辛い!!
これがマイルドなのか。それとも最初っから辛い仕様なのか。わかりません。
辛いけれど美味なので、ついつい二口、三口と進みます。目の下に汗が出てきました。辛いものが苦手な義父や我が夫には無理な辛さです。
辛いものを食べると、義父は禿頭(!)に汗をかき、夫はシャックリが出るのです。ですからマルハン家では、いつもチリ抜きのマイルドなインド料理が供されます。
さてこちらは前菜。前菜だけでもう、お腹いっぱいになりそうな様子です。チキンとマトンの煮込み、それにカッテージチーズ(丸いもの)と、野菜コロッケ(四角いもの)です。
いずれも美味ですが、これらも食べ尽くすとメインが入りませんので、少々残してしまいました。あくまでも、少々ですが。
さて、お次はメインです。チキンとマトンの、今度は汁気のある煮込み。いわゆるカレーです。豆の煮込み(ダル)と、野菜のココナツカレー……と4種類のカレーが出されました。
主食はパラタと呼ばれるパイ風のパン。ヴォリュームたっぷりです。全体にスパイスが強いとはいえ、いずれもおいしい料理です。
惜しむらくはこのダルがもう少しマイルドだったら格別なのに……。やや辛みと油脂が強すぎました。
これはアッパムと呼ばれる南インドならではの主食。豆の粉と米の粉を発酵させたネタで作られたもの。鍋の形に添ったシェイプが特徴です。
外側はパリパリふわふわ、中央のあたりはしっとりとして美味な食べ物。
アッパムのおかわりはいかがですがと尋ねられましたが、もう、お腹いっぱい。
さらには南インド料理ならではのしめくくり、カードライス(白飯にヨーグルトをかけたもの)を勧められましたが、さすがにお断りしました。
ダルとチキンカレーが多めに残ったので、持ち帰りにしてもらいました。ちなみに夜、夕飯の「おまけ」として出したのですが、夫はチキンカレーを喜んで食べていました。
ダルは辛すぎたらしく、たちまちシャックリを連発。食べられませんでした。
さて、カードライスは入らなくても、デザートは別腹。というわけで、いちおう味見をしておきたいですから、デザートは出していただきました。
左がライスプディング。右は練乳をスープにしたようなもの。インドにありがちなミルキーな味わいです。
特にライスプディングが美味。うっかり食べ尽くすところでした。
★
すっかり満腹になってしまい、もう買い物をする気が失せてしまいそうでしたが、それではショッピングモールに来た意味がありません。気を取り直して買い物です。
ところで今日は、すてきなお店を発見!
1カ月前にオープンしたばかりだというこの店。その名もSPICE ROUTEというスパイス専門店です。
インドはスパイス王国とはいえ、お土産に購入できるようなこじゃれたプロダクツがなかなかありません。
首都デリーのスンダナガール・マーケットにある紅茶専門店MITTAL TEA HOUSEなどには、お土産にしやすいコンパクトな容器入りのスパイスがさまざまに揃っていますが、バンガロールにはそういう店がありませんでした。
ここはスパイスのディスプレイも麗しく、各種スパイス、豆類、ナッツ類、ハーブ類などが量り売りされています。
あいにく店内の写真撮影は禁止されていましたが、すてきなプレゼンテーションです。
インドの人気女優、アイシュワリヤー・ラーイ主演の映画に"The Mistress of Spices"というサンフランシスコを舞台にした映画があります。
彼女が映画の中で経営しているようなスパイスの店が、インドにもあればいいのに……と思っていたのですが、映画ほどすてきではないにしても、いい感じのお店でした。
ちなみにこの映画。ストーリーそのものは、相当に「ひどいもの」でしたので、念のため。
店のマネージャーからいろいろと話を聞きました。バンガロール拠点のスパイス貿易会社が始めた店で、チェンナイほかインド各地に支店を展開中なのだとのこと。
近々マレーシアにもオープンするそうです。このお店、いつかしっかり取材させてもらいたいと思わされました。
さて、試しにスパイス入りの石けんを購入。それから欲しかったものを見つけました! 下の写真、右側に写っているもの。なんだと思いますか?
ターメリック。そう、うこんです。ショウガ科の植物だけあり、見た目もショウガに似ていますね。
というか、日本語の名前といい、見た目といい、何かに似ていて、少々危険……!
これは石臼ですりおろすと、本当にいい香りなのだということを義姉スジャータに聞いていたので、パウダーではないものを試してみたかったのです。
これだけ(100g)で60円程度というリーズナブルさがまた、たまりません。早速、料理に、ヘルシードリンクにと、活用しようと思います。
■SPICE ROUTE (←Click!)
買い物をすませ、家路につくころは、あたりも薄暮に染まるころ。青空と茜色が何とも言えず爽やかに冷たく温かく。
飛び交う鳥の群れや、飛行機雲の様子も麗しく、なんときれいな空でしょう。このような空を仰ぎ見られることこそ、ささやかながらも普遍的な幸せであると思いつつ……ただいま~!
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