二人で初めて京都を訪れたのは、まだ結婚前。あれは1998年から99年にかけての年末年始だったか。大晦日から正月にかけての数日を、ここで過ごしたのだった。あれから10年。
その後、『街の灯』出版の「営業旅行」と称して再び二人で京都を訪れたのが2002年。このときは9月だったが、ひどく暑かったことを覚えている。
そして今回、初めての紅葉の季節。
日本に帰国して以来、周囲からさんざん「寒いよ」「込んでるよ」と聞かされていたあげく、新幹線で隣り合わせになったご婦人からも、宿が割高だの、人が多過ぎて落ち着かないだの、ネガティヴなコメントを連発されて、かなり辟易してたのだが、今日、初日を終えた今、来てよかったと本当に思う。
確かにたいへんな混雑ぶりで、途中、雨も降って寒かったりもしたが、しかし、この季節ならではの、格別の美しさに出合え、本当に満たされた気持ちだ。
●博多駅から新幹線の「のぞみ」に乗って3時間もかからずに京都に到着。駅弁はよくないとわかってはいたものの、到着前にお腹が空いてしまい、駅弁を買った。やはり、まずかった。 ●ホテルは京都御所のすぐ近く。バスルームには地下から湧き出る天然水を使っているとのこと。これから湯船に湯をはって、ゆっくり入浴しようと思う。
今日は、時間も限られていることから、ひとまずは二人して非常に気に入っている三十三間堂へ赴いた。三十三間に延々と並ぶ千体を超える仏像のその迫力。蓮華に座す千手観音の、得も言われぬ圧倒的な様子。閉館ぎりぎりまで、二人で数往復して、その様子を脳裏に焼き付けた。
仏教はインド伝来であるが、ここに祀られている神々は、サンスクリット語でヴィシュラバナ→毘沙門天、キンナラ→緊那羅王、クンビーラ→金比羅王、ガルダ→迦楼羅王といった具合に、その源が明確に示されている。インドと日本のつながりを思いつつ。三十三間堂とはちなみに、正式名称を蓮華王院という。
参観を終えて外に出れば、雨上がりの空に虹がかかっていた。左上の写真の、左側のあたりにほんのりと写っているのがそれだ。
■三十三間堂のホームページ(←文字をクリック)
三十三間堂を出たあとは、近くの清水寺まで歩くことにした。ちょうどこの時期、夜間ライトアップされた清水寺を参詣することができるとのことで、夜(6時半ごろ)のオープンを待って訪れた。
それはそれは猛烈な人出であったが、照明に浮かび上がる紅葉の美しく、今までは目にしたことのなかった様子を眺めることができた。写真を撮らずに、ただ鑑賞のみしたいものだと思うのだが、この景観を分かち合いたく、ついついカメラを構えてしまう。カメラがぶれないように息を止めて、フラッシュを焚かずに撮影した。
■清水寺のホームページ(←文字をクリック)
夜は、アルヴィンドのリクエストで祇園界隈を歩き、先斗町へ。夕食は、適当な店を探して入ることに。鶏肉と焼鳥、豆腐などが味わえる店を見つけて、入ってみた。
普段、日本料理に恵まれていない、インド暮らしなわたしたちにとっては、かなり「あたり」の店であった。
品数は少ないが、素材のよさが感じられる鶏のつくねやレバー、鶏皮、手羽などの炭火串焼が美味であった。
また、小さな豆乳入り鶏鍋もおいしかった。
ぬる燗を味わいつつ、温かい料理をゆっくりと堪能し、実に幸せである。
お客が少なかったので人気店かどうかはわからぬが、清潔で快適な店内で、BGMの歌謡曲を除いては、概ね好印象の店であった。今、調べてみたら、チェーン店のようである。ありがちな店なのか。
そんなわけで、そろそろ風呂に入りたいので、今日もまた、要点のみにて。ちなみに、大きな写真4点はすべて、清水寺境内で撮影したものだ。昼間はまた昼間で、きっと色鮮やかな紅葉を目にすることができるのだろう。