夕餉の支度の窓から夕映え。湿気を含んだ海風の強く吹き込むのさえ心地よく。
どこに住んでも、朝昼晩、食べて、動いて、眠るのを軸に、異なるさまざまに立ち向かいながら、異なるさまざまに溶け込みながら。
本日のワールドトレードセンターはシルク製品のエキシビション。お向かいで「市場調査」ができるとは、つくづく便利なロケーションである。全国各地の絹製品が一堂に会し、精緻な手工芸に見入る。
別々に出かけていたロメイシュ・パパとウマが、お土産にバラナシ・シルクのすてきなサリーを買って来てくれた。すみれ色。今まで持っていない色だ。この間、スジャータからもらったサリーといっしょに、ブラウスの仕立てに出さなければ。
右の写真、サワードリンクを作っているところ。ハチミツとリンゴ酢、そして果物。
左端のボトルは、漬けて数日のザクロの実。
キウイやバナナ、プラム、その他いろいろな果物で作ることができるようだ。
今日はマーケットでアムラを買って来た。
アムラとは、インディアン・グースベリーと呼ばれる果実。
しかしそのままで食べるには硬くて酸っぱすぎるので、ピクルスや砂糖漬けなどに加工される。
食用だけでなく、ヘアオイルなどにも使用され、アーユルヴェーダの処方にも頻繁に登場する植物だ。
そのアムラを使って、サワードリンクを作ってみようと思いたった次第。皮をむき、適当な大きさに切り、ハチミツと酢を入れて漬ける。
基本は「すべての材料が同量」らしいが、甘い果実はハチミツを減らして作る。1週間ほど漬け込んで後、果物を引き上げる。出来上がりは、水で薄めて飲む。爽やかな健康ドリンクのできあがり。
またしても、おいしいパンを発見。ロメイシュとウマがお土産に買って来てくれた。チャーチゲートにあるレストラン&ベーカリー、GAYLOADのパンだ。
バケットは2種類。プレーンとインドらしくガーリック入り。それからアーモンドパウダーのタルトにシナモンパイ。バケットは、本場欧州に比すれば「しっとり感」が強すぎるけれど、オーヴントースタで軽く焼くと、香ばしくなっておいしかった。
それからタルトもまた、とても美味。パン屋さんの素朴なお菓子、といった味わいで。聞けばムンバイにほど近い都市、プネにも、その歴史的背景から、おいしいパンを作るベーカリーが多いのだという。
そういえば、ポルトガルの久しく植民地下だったゴアにも、おいしいペイストリーがあった。一つの国ながら、それぞれの地に、それぞれの歴史に培われた食がある。
知るほどに、知らぬことの多さを知る日々は、いつになっても変わらず。