わずか2カ月の間にも、変化めまぐるしいムンバイ。たとえば上の写真。建築中のビルディングもどんどんのびている。ちなみに2カ月前の写真はこちら(←CLICK!)。
ホテルからの光景も、増えゆく高層ビルディングのシルエットが「マンハッタン的」。以前も記したが、この街に100階を超える住居ビルディングが建設中である。いろんな意味で、怖すぎる。
昨日以来、心の中に祖母や父のことが思い返され、過去の時間軸がぐにゃぐにゃと屈折して、遠い日が急に近くに在るような錯覚に陥っている。
久山の仏舎利塔の写真が掲載されたサイトを見つけたので、昨日の記録の末尾にリンク先を追加した。「塔」といっても「単なる塔」ではなく、それは立派な建築物である。
ぜひ、ご覧いただければと思う。
さて本日。昨日同様、南ムンバイへ。やはり日本山妙法寺前を通過して、以前から訪れたいと思いつつ訪れ損ねていたNGO団体、OM CREATIONSへ。
ムンバイとの二都市生活をしていたころ、チャリティ・バザールで目にして以来気に入っていた紙袋。それは、OM CREATIONSに属しているダウン症の女性たちの手工芸品だった。
以下、過去の記録だ。
■INDUS主催のチャリティ・バザール(←CLICK!)
■第4回チャリティ・ティーパーティで販売(←CLICK!)
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この団体もまた、ムンバイに住んでいる間に訪れようと訪れようと思いつつ、そのままになっていた。思えば、ムンバイを離れた直後、ちょうど去年の今頃、エレファンタ島へ観光へ出かけたりもしている我。
住んでいるときには「いつでも行けるから」と先延ばしにしていたが、離れてみて「いつでも」というのはないな、と実感している。
Dr. E. Moses Road沿いの角に、King George V Memorial Projectと外壁に大きくペンキで書かれた敷地がある。
車で中に入れば、緑の中に、老朽化した建物がぽつぽつと立つ。ガンや白血病患者のための施設も見られ、どうやらここはNGOの集合体のようである。
OM CREATIONS にたどり着くまで、孤児院や学校らしき建物を目にする。ムンバイに住んでいる間に、どうしてここへ訪れなかったのだろうと、今更ながら思う。
車を降り、カメラを携えて歩いていると、毎度のごとく子供たちが、「僕の写真を撮って!」とポーズを決める。この国の子供たちの、本当に溌剌としていることといったら、もう。
ここは、ダウン症の女性たちが通い、手工芸品の技術を学びながら作品を仕上げている。
今日は、ここで以前購入した紙袋を買い求めに訪れたのだが、ちょうどマーケティング担当の女性ゼイヴァーが対応してくれ、案内してくれるという。
「ぜひ色んな方に紹介して。ここの作品を買っていただけるとうれしいわ!」
とのことなので、施設内を巡りつつ、写真を撮らせてもらうことにした。
左上の写真は、ヴォランティアの指導のもと、焼き物を学ぶ女性。彼女が習得したあとは、彼女自身が先生となって、他の人に教えるのだという。右上の写真は、木綿のハンカチの縁に刺繍を施している女性。
「彼女は本当に器用で、特に教わらなくても自分であっというまにできるようになったのよ」
と、ゼイヴァー。滑らかな手つきで淀みなく編んでいる。とても器用な人だ。
左上の写真は、ティッシュケースのカヴァーを作っている女性。彼女も黙々と作業をしていた。右上は蓮の形のお香たて。これがまた、かわいらしい。ギフトにも喜ばれそうだ。
左上の写真、左の女性がゼイヴァー。彼女に自分が作っている最中のハンドバッグのハンドルをうれしそうに見せる女性。右上の女性は、ハンドルを作っているところ。
「写真を撮ってもいいですか?」
と、声をかけて撮らせてもらうのだが、みな、笑顔で対応してくれる。が、作業の手を休めず、集中している人が多い。
下の女性は、布に絵を描いている。黙々と、ひたすらに絵筆を動かす。
「ダウン症の人たちは、背骨が柔軟で、長時間座っていても、あまり疲れを感じないらしいの。それから手首などもフレキシブルで。そんなこともあって、手工芸品をとても上手に作るんですよ」
「彼女たちは、作業に没頭して、気を散らしたりしません。とても集中力があるの」
とゼイヴァーは言う。そういわれてみると、彼女たちの手指の動きは、柔らかに見える。
ただし、ダウン症の症状にもさまざまにあるはずで、あくまでも、ここに通っている女性たちの傾向として、であろうと理解する。
左のお二人は、OM CREATIONSに十年以上に亘り通い続け、手工芸、美術作品全般の制作を指導しているという。
「彼女たちあってのOM CREATIONSなのよ」とゼイヴァー。
左上の女性は、タイルに絵付けをしている。彼女もまた黙々と、絵筆を動かしている。右上は、洗浄可能な紙袋。これと同種の袋を、今日は買い求めに来たのだ。
工房の一画では、金銀の染料でテーブルマットやナプキンなどの染めの作業も行われている。とてもすてきなデザインだ。右上もまた、彼女たちの作品。
こちらは作品を販売するショップ。ここは近々内装工事が行われるらしく、業者が寸法を測りに来ていた。
紙製品、テキスタイル製品のほか、食品も販売されている。クッキーやチョコレートなども作っているのだとか。ここで、欲しかった袋などをまとめて調達する。
こちらはベーカリーの様子。外から写真を一枚、撮らせてもらった。できあがりを一つ、味見させてもらったところ、とてもおいしく仕上がっていた。
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今日は突然の来訪だったにも関わらず、あちこちを見せてもらえてよかった。
「また、改めて来てください。そのときには、この施設のことを、じっくりと説明させてね」
とゼイヴァー。また改めて、足を運ぼうと思う。
★ムンバイ在住の方:ここの紙袋は、贈り物を入れるのにとても適しています。その他、心のこもった数々の作品も販売されています。ご興味のある方、下記のサイトを参考に、どうぞ足を運んでいただけれと思います。
■OM CREATIONS TRUST (←CLICK!)
午後は南ムンバイのコラバやフォート界隈を訪れ、発見の少なくない一日を過ごした。限られた機会を、無駄にせず、大切に過ごそうと心がけると、その分、嗅覚が冴えるのかもしれない。
今回のムンバイ旅は、得るところが多く、本当に、よかった。