インドで迎える7回目のクリスマスだ。
わたしが知る限りにおいて、年々「商業的クリスマスムード」が色濃くなるインド。もっともインドは、クリスチャンも少なくない。
ヒンドゥー教徒約80.5%、イスラム教徒約13.4%に次ぐ、キリスト教徒、約2.3%。(2001年国勢調査)
2.3%とはいえ、人口が12億人を超えているから、キリスト教徒だけでも約3,000万人だ。
ターバンでおなじみシク(スィク)教徒や、超ヴェジタリアンなジャイナ教徒よりも多い。
我が家のメイドもドライヴァーも敬虔なクリスチャン。歯科医宅も、英語の家庭教師の先生宅もクリスチャン。どの家庭もそれぞれに、それぞれの流儀に沿った、宗教儀礼を丁寧に行っているようだ
ともあれ、どの家庭もごちそうをたくさん作って、家族と近い親戚が会して祝うというのが、一般的なようである。
上の写真は、THE LEELA PALACEのロビーの様子。ツリーとサンタクロース&トナカイの写真を撮っていたら、ドアマンのお兄さんが近寄ってきて、撮影してくれた。
さて、ヒンドゥー教&仏教な我が家だが、「商業的/娯楽的クリスマス」を楽しむのは例年のこと。
毎年、ぎりぎりまで年末の予定をたてない、たてられない我々。
今年もまた、行き当たりばったりに、「アーユルヴェーダグラムに籠る前に、やっぱり、パーティしよう」ということに。
行き当たりばったりに、30名を上限に、友人らもお招き。
そもそも、この時期は海外旅行や帰国で不在の人が多い。先週の会合などで顔を合わせた人などに、声をかけ、お誘いした。
せめて義姉のスジャータと夫のラグヴァンを招きたかったが、今年も彼らとはすれ違い。
日印ゲストのバランスを、ということで、もちろん夫も友人らに声をかける。が、多くがインド系米国人だということもあり、この時期、米国に「帰る」人が多い。
親しいご近所さんたちも、家族揃って海外へ旅行中だ。
このごろは切に思う。
いつでも会える、と思っていた人と、しかし実は、4年前、5年前に会ったきり、よくよく考えたら10年前だった?
ということが、普通にある。そのような人たちとは、敢えて言えば、生涯、再会しない可能性が高い。
インターネットのお陰で、遠くにいても近くにいて、いつでも会えるような錯覚に陥ってしまうけれど、それは幻のようなものだ。
たまたま同じ場所で、たまたま都合があい、楽しい時間を分かち合えるということは、かけがえのない一瞬なのかもしれない。
特に、土地から土地を行き来する「流浪な感じ」の人生を送る人々にとっては。
過去のクリスマスの記録を遡るに、写真がたくさん残っている年のことは、当然ながら鮮明にあれこれを思い出せて懐かしい。
過ぎ行く日々の「楽しいひとこま」を残すべく、24日のあれこれを、写真に残しておこうと思う。
毎年、かわり映えしないが、クリスマス関連グッズを随所に。右上のクマは亡父の形見。
亡父の形見は「蛍光ペン12色セット」とか、「ポケット般若心経」とか「永平寺の数珠」とか、まさに、微妙としか言いようのないものばかりだ。
ガネイシャの派手すぎる装飾については、MiPhone@Indiaにも書いたが、メイドのプレシラの仕業である。さすがのわたしも、ここまで無茶はしない。
さて、以下の情報は、クリスマスとは直接関係ないが、パーティの際にお出ししたハムが好評で、「どこで買ったの?」と複数名に尋ねられたゆえ、こちらで情報提供を。
いつもはあらゆる肉類がそろうBAMBURIESでまとめ買いをしているが、牛肉は、たまにABBA FOODSを利用している。
豚肉は、MGロードにあるHAM SHOPが有名だが、わたしは今ひとつ、好きではなかった。
インド移住初期に、数回利用したきりである。
金曜日の英語の勉強中、家庭教師の先生から教わったのが、下記のPORK SHOP。どうやらHAM SHOPの姉妹店のようだが、こちらの方が品揃えといい、雰囲気といい、いい感じだ。
いい感じだ、といいながらも、この外観。ローカル色、満点だ。HAM SHOPの「ブヒッ!」な外観もかなりのものだったが、この豚もなかなかどうして。
くわえ煙草で電話。腕時計。ジーンズにスニーカー。半袖シャツ、だけどネクタイ。このいでたちに、なにか意味はあるのだろうか。ないんだろうな。面白いからいいけど。
我が家から車で5分ほどのワンダフルな至近距離にあるこの店。直営の農場で豚を飼育しているらしい。
ここで豚の詳細を語るのもなんなので、バンガロール在住で豚肉に興味のある方、左上の写真をクリックして拡大し、詳細を確認の上、ご利用されたし。
昨日はスモークハムをお出ししたが、好評であった。脂ののった塊肉もおいしかったが、韓国風薄切りスライスもあるようなので、次回試してみようと思う。ベーコンもまだ食していないが、見た目、おいしそうであった。
デザートは、毎度おなじみタルト類の準備。正味な話、タルト以外にもそれなりに、スウィーツを作れるには作れるのだが、タルトが最も評判がいいので、ついつい。
インドでは、廉価で上質のヴァニラ・シード(試験管風ケース入り)が入手できるし、要煮沸の濃厚牛乳や、やはり濃厚なバターが風味を高めてくれるから、カスタードクリームもおいしくできる。
小麦粉(MAIDA)も旨味があるから、タルトもおいしく焼き上がるのだ。まあ、日本でおいしいとされる「繊細な風味」からは遠いかもしれんが、我が家では少なくとも満足している。
ただ、不安定な電力供給でオーヴンの温度調整が難しいのと、米国在住時のような巨大なオーヴンを使っていないので、焼きむらができやすいという難点はある。
インドの卵。年々、オーガニックものなどが増えてきて、味も向上している。来た当初は、ビニル袋入りの、一度洗浄せねばならない「汚れちまった卵」が主流であった。
しかし、いつしか6つ入りパックが一般に出回り、卵の風貌が麗しくなった。
普段は、3年ほど前より市場に普及しているSUGUNAという卵を使っている。
今回は、インディラナガールにオープンしたばかりのNATURE'S BASKET(ムンバイ在住時、マルハン家の胃袋的スーパーマーケットだった)にて、左上のような「高級卵」を発見したので購入。
「EXPORT QUALITY: 輸出品質」だとのこと。
卵に「塩とマサラ(スパイス)が添えられているのが無駄だが、黄身が濃い色をしており(黄身の色は餌によってかわる)、カスタードクリームが色よく仕上がる。
EXPORT QUALITY。インドにおけるこの言葉。そこはかとなく、悲哀を感じるのだが、その件についてはまた、改めて。
ちなみに砂糖は、右上の、オーガニックの砂糖を利用。ほのかなやさしい甘みだ。
これはインディラナガールのCMH ROAD沿い、MK RETAILの数軒東側にある、超地味なオーガニック食品専門店、FRESH EARTHに売られている。
が、いつも売られているわけではないのが玉に瑕なので、見つけたらいくつか買いだめしておく。
これは、米国ワシントン州のリンゴを、バター&砂糖で煮ているところ。最近、素朴タルトタタンにはまっていて、マイハニーも大好きなのでまたしても。
が、最後にさかさまにして供するのではなく、今日はタルト生地を載せてそのまま出すことにした。というのも、とある「使用目的」があるからだ。
が、見た目、地味なので、Merry Xmas!と書いてみる。正直、野暮ったいが、よしとしよう。
今日の肉は、マトンの他、このチキンカレー。それからヴェジタリアンも数名来訪予定につき、ジャパニーズ・パンプキンをも。これはたまに、NAMDHARI'Sで入手できる。
野菜料理は、このほか、やはり毎度なホウレンソウのおひたし風と、今日はニンジンやらベビーコーンやら、考えなしに買っておいた野菜を蒸し焼く。
そして今日のタルトは、イチゴ一色!
インドのイチゴは不揃いだし、酸味が強いのが多いので、その場合はカスタードクリームをやや甘めにするか、キウイやバナナなどを混ぜて載せるつもりだったが、今回のイチゴは思いがけず甘かった!
というわけで、ひたすらのイチゴ。
デザートを出す前に、生クリームを泡立て、アップル&ストロベリー、双方のタルトに添えて食べてもらおうと思っていたが、すっかり忘れていた。生クリーム、いつも忘れられがち。
さて、料理の準備は万端。開場1時間前には、部屋も、自分も、パーティ仕様に準備。
先日、バンガロールで開催された展示会で衝動買いのインド服だが、国籍不明なムード満点。どことなく、東欧っぽい。ハンガリー風? それにしても、柄、うるさ。
ちなみに頭のリボンはあくまでも「遊び」ですから。本気じゃないですから。
1年前に購入した「バーカウンター」も、広げた。これがあると、くつろげるバーの雰囲気が格段にアップ。非常に「いい感じ」なのだ。
バーカウンターの詳細は、昨年の記録を↓
■熱く激しいクリスマス会2010@マルハン家 (←Click!)
■過去のクリスマスに、歳月の流れを確認しつつ。2005-2009 (←Click!)
F家の人々が「とんこつラーメン」を持ってきてくれたあの宴から、1年。本当に、瞬く間であった。早くも懐かしいものである。
アパートメントの玄関先に施されたランゴリ(吉祥紋)。今年もまた、改行が、微妙に惜しい! しかも、早くも、2012年。敢えて?
右上の写真は、紅白の麗しき百合の花。飲食物の買い出しにエネルギーを費やし、お花を買いに行く根性がなかったところ、友人が持参してきてくれた。うれしい。
予想通り、日本人のゲストはあっという間に集合。一方、インド人のゲストは、軽く1、2時間遅れで登場である。
インドだもの。
今朝、新婚旅行から戻ってきたばかりのサチンとブラジル人のマリア。先日の結婚式で、親戚と判明したサチンである。彼らは比較的早い時間に駆けつけてくれた。
火曜日に退院したばかりの「デング熱2回」なPAKAKO退院。いや、隊員。このごろのわたしのキーボードは、「隊員」「退院」、「体調」「隊長」が交互に出てくる。
そんな話はさておき、病み上がりの身の上。飲み過ぎ、食べ過ぎに気をつけてよ! と隊長改め"MUSE BAR"のママは気を揉むのである。
サンタ帽の先を立てては、「背が高くなった気がするなあ」と、マイハニー。相変わらず、「バかわいい」のである。
毎年、我が家のクリスマスパーティに来てくれる、ファミリーフレンドのマンシング夫妻。右端が妻のラナ。小原流いけばなの師匠でもある。
先日の天皇陛下の誕生日のレセプションにも出席していて、日本のコミュニティとも縁のあるご夫妻だ。
夫のラナは、コーヒーのバリスタで、クールグにコーヒープランテーションを持っている。コーヒーだけでなく、ティーにも詳しい。カクテルにも詳しい。
インドの友人夫婦らも三々五々に来訪。夫が立ち上げたMIT同窓会@バンガロールのメンバーだ。夫婦揃って、インパクトのあるキャリアのある人たち。話が興味深い。
左上は、サンジェイ&ソナリ。ソナリはリサイクルバッグを製造、販売する会社を起業。バンガロールのごみ事情についての話に、ついつい熱くなってしまう。
右上は、新婚なサチン&マリア。来年早々ワシントンD.C.に引っ越すことになる二人。マリアはD.C.拠点のNGOに勤務している。来年こそは、ニューヨークを訪れる際、D.C.まで足をのばしたいものだ。
夫の同僚、アディテャとラシュミの娘。生後4カ月の彼女の、目の大きさといったらもう!
写真ではわかりにくいが、睫毛も長いったらありゃしないんですよ!
日本人ゲスト、赤ん坊の「目の大きさ」に、目が釘付け。
日本人がインド人の目の大きさにこれだけ驚くってことは、インド人が日本人の目の小ささに驚いても、仕方ないことだな、とも思える。
見えてんの? くらい言われそうだな。
最近でこそ言わなくなったが、以前のマイハニーは、わたしの写真を撮るたびに、
"Open your eyes!"(目を開けて!)
と言っていたものだ。開けてるて! 早く撮ってて!
この会話を幾度、繰り返したことだろう。
「美穂が笑うとさ、目がラインになるんだもん。見えないよ」
ラインかよ。線かよ。
一重のわりには、しっかりとした目をしていると思っていた自負心に、冷や水を浴びせられることたびたびであった。
が、こうして乳児のころより「目ぢから満点」なインド人を見ていると、「線」て言われても仕方ないかもしれんとも思う。
そんなしょうもない話はさておき。
ラシュミは妊娠中に、自宅でもできる新しいビジネスを開始。アディテャの協力を得て、インドのモダンな手工芸品をネット販売している。
彼らが取り扱うデザイナーの作品のなかから、陶器の器と手すきの紙のノート(ポンディチェリのオーロヴィル製)を贈ってくれた。とてもすてきなギフトで、うれしかった。
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↑ギフトにも好適な商品が揃っている。素朴な玩具もあれこれと。どうぞご覧ください。
バーのママが、モヒトやらカイピリーニャもどきなカクテルを作っているところ。ミントは山ほど用意していたのに、なんとレモンを調達し忘れており。
在庫のレモンを使用して、限定5杯のみの、南米の味である。かなり好評であった。次回は、レモン(ライム)をお忘れなくだな。
カメラを向けられると、何かをせずにはいられんらしい、ヤクルト王子。
これ、今回、お気に入りの一枚。
奥は日本のパン粉を用いたところの美味コロッケ。
手前は件のハムとキュウリを適当に爪楊枝でセットしたもの。
ほんのり塩味のハムとさっぱりキュウリの相性がよい。
ハムやチーズ、スモークサーモンなど、いい素材があると、調理に手間をかけずに前菜を作りやすいので便利。
思い返せば米国在住時。WHOLE FOODS MARKETに行けば、前菜に好適な素材が、あれこれまとめて買えたものだと懐かしい。
が、今は今で、不便なりにも、ここでの「工夫」が身に付いた。郷に入れば郷に従い、この地でできる、おいしいものを、である。
参考までに、ワシントンD.C.を去る前の、お別れパーティの写真(←Click!)を。
フルーツタルトに「ブラックベリー」が載っているところが、インドではないところ。懐かしいなあ。あれから6年半とは。
用意しておいた被り物をフル活用のファミリーK。お父さんがサンタに化けても、帽子を被らされても、動じない冷静なベイビー。大物になる予感。
それにしても、どこからどうみても、親子とわかってしまう激似な父娘である。
たとえ迷子になっても、「お宅のお子さんですよね〜」と、誰かが連れてきてくれること請け合い。
思い返せば、中学2年。あれはわたしが、「親父、大嫌い!」な大反抗期のころだった。下校中、近所を歩いていたところ、知らないおじさんが、わたしを見るなり、近寄ってきた。
「あ〜、あんた、坂田さんとこの、お嬢さんやろ? そうやろ? うわ〜、お父さんに似とんしゃ〜!!」
思春期の乙女には、苦く痛い経験であった。
赤ちゃん同士で興味津々の二人。手を握り合ったりして、かわいい……。
さて、日本的には遅め、インド的には早めの9時ごろ、ディナー開始。みなさんもあれこれと料理を持ち寄ってくださったので、テーブルは一層賑やかに!
毎年クリスマスには、インドのスリムなターキーを焼いていたけれど、今年はマトンにしてみた。先日のパーティで焼いたマトンがおいしかったので。
これは、マトンの脚部分とリブの部分を、ニンニクとショウガのペースト、それから醤油にバルサミコ酢、砂糖、オリーヴオイルなどでマリネしたものをオーヴンで焼いたもの。
料理の後は……キッチンでキャンドルの準備。そう。アップルパイの活用法とは、これだったのだ。
灯す先からどんどん溶けてゆくキャンドルにあせりつつ、HAPPY BIRTHDAY!
23日は、天皇陛下の誕生日である。が、ここで祝うのは、天皇と同じ誕生日のPAKAKO隊員だ。誕生日に間に合うよう、無事に退院できて、本当によかったよ!!
一日遅れの、ハッピーバースデー!
個人的には、右上の白玉だんご系がうれしかった。たっぷりあずき&みたらし団子。口にした途端、発作的に日本茶を入れてしまう始末だ。日本人だもの。
そんなわけで、宴は実に延々と、楽しく続いたのであった。右上の写真は、帰ろうとするゲスト数名をマイハニーが引き止めて「もうちょっと飲もうよ」と酒を勧めているの図。
部屋の灯りを落として「お客さん、もう、閉店なんですけど」状態で、ママも梅酒やらなんやらを少しずつ味わっているところ。
こうして1年を無事に過ごし、笑顔で締めくくることができる現実に感謝しつつ、メリークリスマス!