6月30日の米国版結婚式は忘れていたが、出会い記念日は、さすがに忘れなかった。なにしろ、七夕だもの。
出会って16年もたつと、その祝し方も徐々に手抜きになってしまうところだ。
外食に出かけるのも、今ひとつ気が進まず、自宅でインド産のスパークリングワイン、SULAのBRUTを開ける。
夕飯は、夫の好物のチキンカツをメインに、あれこれたっぷり野菜。特別に豪華というわけでもないディナーではあるが、おいしければいいのである。
上のマンハッタンの写真。1998年の8月。彼の誕生日に、ハドソン川クルーズをプレゼントしたときに撮った。
2001年9月11日を境に消えてしまったワールドトレードセンターを背景に。
ミューズ・パブリッシングを立ち上げ、仕事を軌道に乗せるために必死で働いていたころ。33歳を目前にした自分が、遥か遠い。
というか、さすがに若いな。わたしもアルヴィンドも。
【前時代的でも着実に、確実に、それなりに丁寧に、庭工事進行中】
わたしがカシミール旅から戻った日から開始された庭の改装工事。わたしが作ったラフ・アイデアを元に、ファミリーフレンドで、かつてニューヨークで仕事をしていた建築デザイナーのニッキルに発注。
彼は現在、バンガロールを拠点に、ブティックなどの店舗デザインを中心に仕事をしている。
と書くと、なにやら「イカしたムード満点」だが、ここはインド。我が家の庭工事は至って、一般インド的。
ともあれ、彼が信頼するカーペンターズ、即ち大工職人らを手配してもらうゆえ、信頼できる工程を踏んでくれることは確かである。
が、同時に、5年前の内装工事の際に、インド大工衆の作業をつぶさに経験しているので、彼らの行動には、それなりに予測がついている。
頼めばこつこつと丁寧にやってくれる。しかし、「そこには排水パイプが埋まってるから!」と指摘しておいても、案の定、パイプをぶち壊してくれたりする。
2度目ともなると、「やっぱりな」という印象だ。
作業はすべてが手仕事。電動器具は鉄用ノコギリ&ドリルと最低限。ちなみにインドでは、穴を掘るのはスコップではなく、鉄の棒が主流。
水平を図るのは、透明のホース。これに水を入れて左右同じ高さになるよう確認する。
垂直を見るのは、糸のついた分銅。糸が支柱などと並行かどうかを目視で確認する。
わたしはといえば、あれこれやることがにも関わらず、幼少のみぎりより、工事現場を見学するのが好きな性分。隙あらば、ついつい、見入ってしまう。
1階のキッチンから、ゲストルームの窓から、リヴィングルームのドアから、2階の書斎から、ベッドルームから……。
「マダムは見た!」ムードを漂わせすぎていて、我ながら、怖い。
さて、庭は果たして予定通り、8月初旬に完了するのだろうか。夫の誕生日を祝するのも兼ねて、義理の両親がデリーから遊びに来るのだ。
それまでには、完成してもらいたいところである。
駐在員ご家族の世界では、今が夏休みで帰任の方が多いらしく、しかしそれでも先週、今週(昨日)とそれぞれ約10名が集い、活動を行った。
魚釣り遊びセットの魚は潤沢に準備ができた。釣り竿をどうするか、みなで検討した結果、新聞紙を丸めて色紙をまきつけ、右上写真のような状態に。
釣り竿にしては太い気がしないでもないが、カラフルでかわいい。これはバトンにも使える。
まだまだ作業は試行錯誤状態であるが、そろそろチームごとに目標を決めて、ある程度の作品を作るころ。
8月には一度、子どもたちのいる慈善団体を訪問予定なので、「チーム紙」はそれに向けて作業。
「チーム布」は、ディワリ、もしくはクリスマスのバザール実施に合わせて、「販売できるもの」も作らねばといったところか。
「チーム歌」は、現在、メンバーの大半が帰国中につき、先週、今週と、2、3名で寂しく課題曲を熱唱。寂しく、と言いつつも、熱唱すると、気分がいいものである。
ところで昨日は、メンバーの一人が、端切れを使った簡単なポーチの作り方を伝授してくれた。彼女の義理のお母様による作品らしい。
長方形に切った端切れを、一定の法則に従って折り曲げたあと、左右を縫う。そしてぐるぐると2回裏返すと、ポーチになるのだ!
と、文字を読むだけでは理解できないだろうが、ともかく簡単! びっくり!
夕べはそれにはまってしまい、端切れを引っ張り出して、つぎはぎにしたりして、いろんなサイズを試しに作ってみた。
端切れがここまでいい感じで生かせるとは、うれしいものである。いろいろな布をランダムに組み合わせてパッチワーク風の布を作り、それで作るのもいいだろう。
そのパッチワーク作りが面倒そうだが、しかし楽しそうでもある。
携帯電話入れ、眼鏡入れ、ペンケース、ジュエリー入れなど、いろいろできそうだ。紐を付ける方法も考案(!)した。
この間は「巾着を」と思っていたが、この簡単小物入れも魅力的。わたしもいい加減、やること、絞り込まないと。と思いつつ、まだまだ、あれこれ試作が続きそうだ。
などということを、するつもりはなかった。
この活動をこつこつ続けるためには、まず、自分の負担になりすぎては、いかん。適当に集まっていただくのが目的だったのだが、10人分程度の菓子だったらすぐに作れるし、何より自分が楽しい。
前夜の夕飯を作る際などに、ついでに粉を捏ねたりなどして、時間もさほど要しない。どんどん慣れるから、手際もよくなる。
そんなわけで、先週はバナナタルト(気の利いたフルーツがなかった。が。これも美味)。そして昨日はレモンタルト。
インドのレモン(ライムのような球状)は酸味が強いので、レシピよりも分量を減らし、生クリームを増やす。それに卵と砂糖。
これがまた、なかなかに美味なのだ。
カシミール・カワティもまた、お出しする。これもまた、自分がやってて楽しいプレゼンテーション。ほとぼりが冷めるまで、やらせておこう(自分に)。
これは先週のサロン・ド・ミューズでのひとこま。
左側は、カシミールで購入した「アフガニスタン産」の干しあんず。
これを食べた後、種を割ったら、右のような「ちびっこアーモンド」が出て来る。
このアーモンドを食べると、まさに! 杏仁豆腐の味がするのだ。
これが杏仁豆腐のもとなのね〜。
と参加者一同、かなり感動しつつのティータイムであった。
ちなみにこのことを教えてくれたのはマイハニー。子どものころに、食べていたらしい。
そんな次第で、ティータイムがついつい長くなるサロン・ド・ミューズではあるが、まあ、それはそれ。
ここはBUFFER ZONE、すなわち緩衝地帯であるので、平和だ。
参加を確約できないから、どこまで力になれるかわからないから、と、ミューズ・クリエイションに対して「敷居が高い」と感じていらっしゃる方がいるようだが、基本、敷居はない。
活動を口実に、気分転換などで訪れてもらっても、いっこうに構わない。なにしろ、インド生活。行き詰まっている方も、無心で作業をすれば、いい発散になるはずだ。
結果も大切だが、プロセス(過程)も、大切。
というわけで、もしも躊躇されている方がいらっしゃれば、どうぞ敷居はないので、軽く滑り込んでいただければと思う。