来週から年に一度の米国行き。今回はニューヨーク、ボストン、そして経由地のロンドンに数日ずつ、滞在する。合計、半月あまり。
ブログに日常を記さなくなって久しく、一方でInstagram経由でSNSへ小刻みに日常を記録する日々。ここ数カ月の、とっちらかった日々をレヴューすべく、心に残る出来事をピックアップして、まとめて残すこととする。
行く人、来る人、目まぐるしく。自らは澪標よろしく、ただ定点に立っていただけだというのに、ときに気持ちは小々波立って、気がつけば5月も半ば。
今日はまた、ミューズ・クリエイション創設以来、メンバーへ週に1、2回送信しているところのミューズ・クリエイション通信からも、いくつか転載してみようと思う。400号を超えているところに、歳月の流れを感じつつ……。
◎Instagram 3月18日の記録
Life is made up of meetings and partings.
午前中は、ミューズ・リンクスのライフスタイルセミナー。
そして、午後はサロン・ド・ミューズ。
3月4月は、西へ東へ、人々が動く季節。
今日もまた、出会いあり。別れあり。
この5年、100人を超える人たちを、見送ってきた。
元気でね、と、手を振りながら。
踵を返し、しみじみと仰ぐ薄暮の空。
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ。
◎Instagram 3月22日の記録
昨日、新しい書棚を購入したのを機に、家中の書棚を整理中。昔、取材した記事が載った雑誌などをめくりつつ、懐かしみ、目頭が熱くなっていたところ……。20年以上前の懐かしきインタヴュー記事を発見! JTBが発行していた「旅」という旅行誌の取材で坂田利夫氏を取材した。
待ち合わせのホテルロビーで、時間通りに登場した彼にご挨拶をし、名刺を渡す。いきなり、「坂田さん? 生き別れの姉さんですか!」と、当時まだ20代だったわたしにツッコミをいれつつの、和やかな皮切り。
(この写真の記事、どうぞ拡大して、読んでみてください。)
テーマは「飛行機」だったのだが、飛行機が大嫌いだという彼の話はもう、ハチャメチャ。今思えば、こんな記事、よく掲載できたものだと思う。当時はまだ、機内で喫煙できていたのだ。当時はしばしば、著名人をインタヴューしていたが、彼は格別にフレンドリーで、楽しい方だった。
関西弁を原稿にするのは、少々骨が折れたが、原稿を書いていて、とても楽しかったことを思い出す。いろんな仕事を、やらせてもらっていたものだ。なにもかもが、糧となり、宝となっている。
◎Instagram 3月23日の記録
明朝から本当に久しぶりのデリー行きを前にして、なにかと立て込んでいた日々。
昨夜は、ミューズ・クリエイションのチーム・エキスパッツの歓送迎会。昼組と同じく、人々が行き交う季節につき。軽く打ち合わせをしたあとは、概ね宴会状態で賑やかに。
そして今日は、1日前倒しでのサロン・ド・ミューズ。連日の集いに、少々疲労気味。
4泊5日の小旅行ながら、いい気分転換になりそうだ。楽しんでこよう。
◎Instagram 4月5日の記録
久々に、南方向へ足を伸ばしてコラマンガラへ。同じバンガロールなのに、なぜか「遠い感」があるのは、たびたび渋滞で痛い目にあったせい。ところが今日は速やかに進み、30分ほどで到着。
早く着きすぎたので、途中で目に止まった「アンティーク風」家具屋さんに入ったところ、ラジャスターンのタイルが施されたかわいらしいサイドテーブル3点セットを見つけて衝動買い。ついでに同じデザインのトレイも。インドでも高級な部類に入るローズウッド(紫檀)のソリッドウッド(無垢材)で作られたもの。
インドでは、最近でこそ値上がりしたとはいえ、いまだにローズウッドをはじめ、ティークウッド(チーク材)やウォールナット(クルミ材)といった天然木の家具が比較的手頃な値段で入手できるのが魅力。思い返せばインド移住当初、ローカルの家具屋を巡っては、天然木の家具を買い集め、インテリアを整えたものである。
さて、ランチは日本男児と眺めのよいレストランで。地中海沿岸の小都市を思わせる光景を眼下に見渡し、暑さを懸念したが、風が通って心地よく、ゆったり語り合う楽しい午後のひととき。
この界隈、スタートアップ、すなわち小さいところから起業する主に若者たちが拠点としはじめて数年がたち、特に飲食業界の発展ぶりがめざましい。
話をしているうちにも、何か自分もまた、新しいことをしてみたい……という思いが萌芽してくる。
インド。本当に、飽きない。尽きない。面白い。
◎Instagram 4月7日の記録
午前9時半から午後2時過ぎまで、休憩を挟みつつ約5時間、ミューズ・リンクスのライフスタイルセミナー「入門編」を行った。これは、主には駐在員とその伴侶に向けて週末に実施しているセミナーなのだが、今回、駐在員夫人から平日開催を依頼され、実施した次第。
本当に、毎度体力勝負のセミナー。しかし、今日もやはり、やってよかったと、思う。駐在員夫人は、当地では就労ヴィザのステイタスの関係で仕事はできない。日本で仕事をされていた方も、やむなく専業主婦として家族を支える。
専業主婦だから、家庭だけ見ていればいいのか、といえば、当然ながら否、である。異郷の地に住むにあたっては、この地の文化や習慣、ライフスタイルなどを理解した上で暮らす方がずっと、世界観が、視野が、広がる。
今日もまた、好奇心強く、探究心に富む人たちが、積極的にインドを知ろうとしていることが、話しながら伝わってきた。日本の歴史や日印の関係など、母国関連の話題も、関心を持って反応してもらえ、話し甲斐を感じる。
セミナーについては、このような形で地道に続けていくことに意義はあるのだろうか、と自問することは少なくない。言いたいことはまとめて一冊の本なり資料なりにして、販売すればいいのでは、と思うこともある。が、しかし今日は、やり続けるべきだとの思いを新たにした。
そして午後はそのまま、流れるようにサロン・ド・ミューズ。セミナーの熱気そのままに、部屋の温度が下がることなく、真夏の体力勝負である。
そんな最中、夫が面倒を見ている近所の野良猫のインヤンが足に負傷をして、夫が病院に運び込む騒動もあり……。
このあたりのことは、明日にでも久しぶりに、うさぎのアリスにレポートしてもらおう。
ともあれ、今日はお疲れさま、でした。
◎Instagram 4月9日の記録
今日の午後は概ね、シャングリ・ラにて。数年前から足を運んでいたファーマーズマーケット。今年はロケーションが変わってこのホテルの屋外で開催。が、予想通り、暑い! 日よけのテントさえあれば、もっとゆっくり楽しめたのに……実に残念。
それにしても、このごろのバンガロールは、ニューヨークやカリフォルニアの匂いが近い。はるか昔から、欧米との距離感が近いインド。昨今ではあらゆる消費の場で、視覚的にそれを痛感する。そして益々、日本が遠い。
と言いながら、ぐっと日本に近寄るべく、ランチはおなじみYataiiへ。日本人シェフが入れ替わりの時期で、ここ数カ月はインド人シェフのアマルジート氏がキッチンを仕切っている様子。とても温厚な好青年で、お料理も丁寧に作られている感じが伝わってくる。
天井高く眺めのよいロケーションは、この店のアドヴァンテージの一つ。ゆっくりと、のんびりと、コース料理を味わう。アイスクリームに添えられたカステラも、キッチンで焼いたのだとか。しっとりと、おいしく焼きあがっていた。
夫はランチのあと、デリー出張のため空港へ。わたしはこのところお気に入りのスパ、Chiへ赴き、フェイシャル&ボティトリートメント。実は今日、お得なキャンペーンが行われていて、次回まったく同じ2時間のトリートメントを無料で受けられるというクーポンをもらうことができた。インド、こういうダイナミックなサーヴィスが得意で面白い。
さて。明日は歯科医でインプラントの治療(哀) 数日は抗生物質服用でアルコールも摂取できぬ悲しさよ。おとなしく、我慢しよう。
◎Instagram 4月21日の記録
来月末で、ミューズ・クリエイションは5周年を迎える。始めたときは、先のことをあまり考えてはいなかった。しかし3周年の2015年にはNGO申請をした。インド生活も10年目に入り、自身も50歳を迎え、それは節目の年でもあった。
それから更に、2年が過ぎた。自分自身、公私に亘ってやるべきことは、まだほかにも確実にあって、しかしこの5年間は、ミューズ・クリエイションのことに、結構な時間と労力を費やしてきた。
メンバーの入れ替わりが多く、他の人に代役を任せられないという点において、運営は自分がやるしかなく、この先、どのような形で続けていくのか。それは、折に触れて、考えてきたことではある。
活動の幅を広げ続けるのは健全ではない。だから作品作りのヴォリュームに浮き沈みがあったり、クワイアの歌にばらつきがあったり、バザールの売上げに上下があるのは、むしろ当然で、そうあるべきだと思い続けてきた。
ミューズ・クリエイションの活動に「バブル感」は必要ない。そもそもは、慈善活動の団体なのだから。
その考え方は、とても大切なのだということを、今、実感している。
今年に入って、かつてなく、多くのメンバーが一気にご帰国となった。合計17名。今日がその、激しい帰国ラッシュのほぼ最終日であった。この5年間というもの、これまで100名以上のメンバーを見送ってきたが、この2カ月余りは、その心の揺らぎが、幾重にも重なり合った。いろいろと、思うところあり。それはまた、後日ブログにでも記すとしよう。
あまねくLIFE。人生、生活、命……。寄せては返す波のようにあるのが、摂理。走り続けてはいけない。欲張り続けてはいけない。足るを知ること、身の丈をわきまえることの、大切さ。もう、昔から心に刻んでいるわたしの方針。
まわりの風景を眺めながら、自分自身を見つめながら、着実に、確実に。だからこの先の数カ月は、少し心を鎮めるために与えらえた、大切な時間だと考えよう。
無論、徐々に新メンバーは増えており、新たな活動は展開される。そのときどきの、与えられた環境の中で、メンバーそれぞれが、有意義に、インドでの、バンガロールでの暮らしを実現するための、ミューズ・クリエイションはひとつの「場」として、揺らぎなく、あり続けられれば。
★ ★ ★
今日のおやつは、お気に入りのアイスクリームショップ Natural から。期間限定の「パイナップル・ストロベリー・グアバ」がとてもおいしかった。そしてメンバーの一人のお土産、ミルフィーユのお菓子。パッケージの麗しさが、日本。審美眼あるハズバンドがお選びになったとのこと。2段重ねのずっしり感が、なんとも心を奪う。おいしくいただいた。千々に乱れし心にかけるがごとく、ミルフィーユとは、フランス語で「千枚の葉」。
◎Instagram 4月23日の記録
◎Instagram 4月26日の記録
Eコマースの急伸で、ここ数年は外出しての買い物が激減していた。先日購入したエアクーラーが、想像以上に音が大きく風が強すぎたので、寝室用に別の機種を買うべしと繰り出した、久々のコマーシャルストリート界隈。
来月の渡米に向けて、サフィナ・プラザのサムソナイトで新しいスーツケースを買い、ローカルのショップで壊れた引き出しの取っ手を調達し、昔ながらの家電店で店主お勧めのエアクーラーを買う。結論からいえば、やっぱりうるさいのだが、エアコンで体調を崩すよりは、水と風で空気を冷やすプリミティヴなエアクーラーを使う方がまだいい。
帰りしな、洗練された衣類やインテリア小物などのセレクトショップ、シナモンに立ち寄る。天然素材の、伝統工芸が生かされたテキスタイルの、ファッショナブルな衣類……。いいな、と思ったものは、どのデザイナーのどの服も、木綿製だというのに軒並み1万ルピーを超える。10年来の顔見知りのマネージャー女性と、この高騰ぶりの乱暴さを語り合わずにはいられない。結局は「買う人がいるから……」という、いつもの結論に達する。
久しぶりにローカルを巡った数時間。せめて月に一度は、こうして街の様子を眺め、変化を察知しなければ……と反省しつつ、しみじみと、カフェラテがおいしい。
十年一昔。本当に、インド生活。長くなったなぁ……。
◎Instagram 4月27日の記録
明日金曜日に開催されるイヴェントにどうしても参加したくて、先週、サロン・ド・ミューズを木曜日に変更した。
わたしがバンガロールにいながらにして、活動日の日程をずらすのは、祝祭日を除いて初めてのこと。
ミューズ・クリエイション結成以来5年経った今、この先も長く続けていくためにも、律儀になりすぎず、折に触れて自分を優先すべしと思うに至った。
ゆえに今日は参加者10名と、非常に少なく、ゆったりとした午後だった。朝、スコーンの生地だけを準備しておき、早めに来たメンバーと、型抜きをして、焼く。
サラベスのお気に入りジャムと、インドのお気に入りジャムとを食べ比べ。生クリームをひたすら撹拌して水分を分離させて作ったフレッシュバターを添える。毎度おなじみ、なんちゃってクロテッドクリームだ。
今日が最後のメンバーと語り合いながら、穏やかなお茶の時間もまたいいものだ。新しい門出の季節、4月が、まもなく終わる。
ところでカニは今夜の夕飯。毎度おなじみFreshtohome.comで調達したシークラブ。1キロ300ルピー程度と本当にリーズナブル。茹でたものを自家製ポン酢につけてさっぱり食す。黙々無口に、おいしかった!
◎Instagram 4月27日の記録
日曜日は夕刻より、バンガロール日本人会主催での、インド・ライフスタイルセミナー「初級編」にて、インドを語った。セミナーは質疑応答含め1時間30分程度、その後の懇親会が2時間あまり。
赴任したばかりの人に向けてということで、「初級編」としたのだが、どう考えても1時間余りで諸々を伝えることが難しい。とはいえ受講される25名の方々には、確実に得るところがあって欲しく、資料を作成するうちにも、徐々に厚みが増した。初級編というよりは「特別編」だ。
「居酒屋でお通しだけを食べてもらうようなもの」だと思って望んだが、結論からいえば、前菜二口くらいまでは食べてもらえたと思う。
今後、正規のセミナーを受けたいとおっしゃる方あり、早速今日、アーユルヴェーダグラムに予約を入れた男子3名ありと、短時間ながらも手応えを感じたひとときだった。
「こんなに真剣なセミナーだとは思わなかった」とは、毎度、言われることであるが、ほんと、惜しみなく情報を提供し、広く浅く、時にかなり深く、毎度、本気でやってるんです。蒸し暑くなるくらいに!
懇親会は、日本料理店「祭」の料理&ビールでなかなかのゴージャスさ。赴任されたばかりの方には、社交の好機でもあったようだ。ともあれ、無事に終わって、よかった。
◎Instagram 4月28日の記録
久しぶりにタージ・ウエストエンドへ。創業125年。英国統治時代からあったバンガロール最古のホテル。当初は西の果て、ウエストエンドホテル、だった。
2005年の終わり、バンガロールへ移住した直後、住まいを見つけるまでのあいだ、我々夫婦はこのホテルに滞在していた。相変わらず、重なり合うように溢れんばかりの、庭の緑がすばらしく、いつ来ても変わらない空気感に、心からほっとする。
今日は、夫が属するグローバル組織YPOの伴侶向けイヴェントに参加。著名なスーフィー・ダンサーによるワークショップだ。彼女の動きを見るのが楽しみだったのだが、今日はあくまで講師として、歴史を語り、理念を語り、参加者に動きの指導をしてくれた。
肝心の動きの練習は最後に。自分の右の手のひらを見つめながら、音楽に合わせて、ゆっくりと時計回りに回転し続ける。大切なのは、自分の軸を安定させること。無心に回り続けるうち、内なる神が見えてくる……という。
三半規管が弱いわたしにはとても無理。ちょっと試してみたが、たちまちめまいで、一人で見学状態だった。わたし以外の参加者20名はすべて、10分近くも、回転し続けていた。わたしは本当に、回るのが苦手なんだなと再認識する。
これはインドに移り住んでからのことだが、自分の精神的な在り方をして「心に、生き方に、軸(芯)を持つこと。目まぐるしい時代の流れ、あふれんばかりの情報が轟と渦巻く世の中に、振り回されないこと」を敢えて意識して暮らしている。さもなくば、気持ちは四方八方、飛び散って、散漫で不確かになってしまう。
内なる神には出会えなかったが、自分の身体を貫く、まっすぐな透明のガラス棒のようなものが、明らかにイメージできた。このガラス棒を、大切にしなければ。ガラスじゃ弱いから、クリスタルにしておこう。ランチタイムのソーシャライズも楽しく、馴染みの場所で新しい時間を過ごせた。よかった。
◎Instagram 5月1日の記録
◎Instagram 5月3日の記録
日本のアマゾンで注文した本が、今朝届いた。先日の「インド百景2017」に記した土井善晴著『一汁一菜でよいという提案』。併せて彼の料理本と、以前から欲しいと思っていた雑誌も注文。
在庫があれば1週間以内で手元に届く。送料がかかるとはいえ、便利な世の中だ。
まずは、『一汁一菜でよいという提案』を、読んだ。いい本だ。内容に言及すると延々と書き募ってしまいそうなので触れないが、ともあれ、海外駐在をする日本人は、男女を問わず一読すべし、と思った。日本米と味噌と醤油。加えて「だし」があればなんとかなる。なんとでもなる。ということを、改めて思う。
食に限らぬ、日本の風土、四季、環境……。はるか昔から育まれてきた伝統の中にある、日本のよさ、というものを再認識させられる。そしてキーワードのひとつは、「持続可能」。日本語にしにくいところの、「サステイナブル」な、暮らし。
そして本全体を通して、わたしが個人的に受けた印象は、日本の食に対する「危機感」。危機回避のための、一汁一菜という提案にさえ、思えた。
ともあれ早速、味噌汁用の腕を出し、これから日々、使おうと思う。インド人ながらも、夫が日本料理を好み、外食続きの旅から戻ったあとなど、わたしがご飯と味噌汁を準備すると「あ〜、ほっとするねぇ」などと言ってくれるので、そのあたり、ありがたく。
ところで今夜のおかずは、Freshtohome.comで注文した丸ごとバターフィッシュ。捌きやすく、骨が少なく、食べやすい。調理をしていたら、猫らが集合していた。煮付けにしてみた。頭の部分が、殊更においしい。バターとの名がついているだけあり、身が柔らかくて旨味がある。詳しくはまた、後日、食のブログに記そうと思う。
◎Instagram 5月5日の記録
My new habit. Gift flowers for ourselves trough the online shopping once a week. I’m comparing few services. Pretty fun.
最近、週に一度、オンラインショッピングで、自分たちに花を贈りはじめた。現在、いくつかのサイトを比較検討中。ささやかに、楽しい。ささやかに、幸せ。
◎Instagram 5月5日の記録
インドにおいては、最もスタイリッシュでラグジュリアスなライフスタイル・ショップのGood Earth。そのGood Earthの経営者が新たに展開しているNicobar。バンガロールではGood Earthの上階に店舗がある。
ニコバルとは、ベンガル湾に浮かぶアンダマン・ニコバル諸島から来た名前だろう。マレー語で「裸の人々の土地」を意味するらしい。シンプルで洗練された食器類。天然の素材を用いた衣類などが、静かにディスプレイされている。
アンダマン・ニコバル諸島には、第二次世界大戦時、日本軍が占領していた時期もあったということは、よく知られている。父親がアーミー出身で、同地に暮らした経験のある友人曰く、「日本軍が去った後、アンダマン・ニコバル諸島に大量のカタツムリが発生した」という話を聞いたことがある。オチもなく、理由もわからず、ただ、記憶に残っている話。
そのニコバルにて。
ジャパネスクな食器類が販売されている傍ら、この布製品に目が止まる。普段なら手に取ることもないだろう「なんちゃってジャパネスク」的な風情を漂わせていつつも、ぐっと興味を惹かれたのは、夏目漱石や芥川龍之介の世界観が、ふっと思い出されたからだ。静かな店内で、手に取り眺める。
「放浪者」「旅行」「夢」「郷愁」……。富士、椿、蓮華、三日月、赤とんぼ……。染み入る。
このテキスタイルをデザインした人と、少し話がしてみたい。願わくば、「放浪者」ではなく「放浪」、「旅行」ではなく「旅」だったら、もっとよかったと思いつつ、ふらりと衝動買い。
◎Instagram 5月11日の記録
このところ、ノンヴェジの食材はFreshtohome.comに頼りきりで、豚肉を食していない。
先日、日本から取り寄せた料理通信の『自家製しよう!』特集で、あれこれと豚肉料理を目にしたせいか、急に豚肉が食べたくなった。久々に、近所のお気に入りポークショップへ。
思えば先週、ミューズ・クリエイションのメンバーが、件のポークショップで買った塊肉で、「@#$%^&*、作りました! おいしかったです!」と言っていた。オバQの弟を彷彿とさせる料理名。なんだったっけ……と、思い出せず。いくつかのキーワードで検索したところ、見つけた。
ポルケッタ。
なるほど、豚の丸焼きである。調理法はいろいろあるが、どれもおいしそうだ。とりあえず、皮付きの豚バラの塊肉を購入する。が、今日はローズマリーなどのハーブ風味の気分ではない。どちらかといえば、和風味を食したい。
というわけで、いただきものの「塩糀」を塗り、タコ糸で巻いて、数時間、冷蔵庫で放置。夕食の1時間半ほどまえに、ごく少量の油で軽く炒め、ニンニク、ジャガイモやニンジン、玉ねぎと、丸鶏グリルと同じような具材を投入して、オーヴンヘ。
肉の脂身は多いけれど、ほぼ、それだけでグリルしているから、さほどヘヴィーではない。
塩糀、シーソルト、胡椒。味付けはそれだけで、おいしすぎる一品。残りは明日のお弁当に。今度はちゃんと、ポルケッタも作ってみよう。
◎Instagram 5月12日の記録
ミューズ・クリエイションのメンバーが集う毎週金曜日。しばしば、お菓子を焼くようになってかれこれ5年。焼き菓子は、前日に焼いたほうが味が落ち着いておいしいのは知っているが、焼いている時の匂いが幸せを運んでくるので、敢えて、皆が集うころに、焼いたりもする。「いい匂い」が漂ってくるだけで、心が和むというものだ。
このごろは暑いので、オーヴン稼働時間をまとめたく、ついでにパンも焼く。先週は、チョコレートブラウニーとパンを、今日は、ショートブレッドとパンを。
捏ねる&一次発酵はホームベーカリーにお任せして、わたしは成型して型に入れるだけ。あとは二次発酵、すなわちしばらく放置したあと、オーヴンに焼いてもらう。とても簡単だから、いつも同じクオリティのものができるはずなのに……。
先週は、集いの最中にNORAが玄関から脱走するなど、あれこれ心落ち着かないことがあり。そのときに作ったパンは、うまく膨らまず、あまりおいしく焼けなかった。
翻って今日。気持ちが穏やかだったせいか、パンの形を整えるにも、やさしい気持ちで取り組めて、ショートブレッドを焼くオーヴンの上に載せての二次発酵もいい感じで進み、ふわふわと、おいしく焼けた。焼きたての、味見をすればふんわりとおいしくて、自宅用のパンだけれど、作業をしているメンバーにも「味見する?」と、ちぎっては渡し、ちぎっては渡し……。
気持ちのありようで、こんなにも味がかわるのか……と感じ入っていたところで気がついた。そういえば、今日はいつもと違うMAIDA(精製小麦粉)を使っている。同じオーガニックでも、今日はHappy Healthy Meのもの。まさか、MAIDAのクオリティの高さが、この焼き上がりに反映されているのか? だとすると、それはそれで、すごい。
今年に入り、Happy Healthy Meを利用するようになり、我が家の食生活はまた、シンプルに、豊かになった。明日の午後は同店舗での雑穀を使った料理のワークショップに赴く。楽しみだ。
◎Instagram 5月13日の記録
Eコマースのリサーチの目的もあり、このところフラワーのデリヴァリーサーヴィスを何度か頼んだが、やはり自分で花屋に赴き、好みの花を選ぶのがよいとの結論。
一昨日、ピンク色のユリを買い求めた。
白いユリは、昨日、ゲストにいただいたもの。
テッポウユリ、ヤマユリ、オニユリ……といろいろあるけれど、特に好きなのは、白いテッポウユリ。
白いユリ。西洋では聖母マリアの純潔の象徴。受胎告知の絵には必ず描かれるモチーフ。
わたしにとっては、夏目漱石の『夢十夜』の「第一夜」における白いユリの花が、印象深い。
高校3年の時、国語の教科書で「第一夜」を読んで以来、好きになった。
〈真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。〉
17歳のわたしにとって、100年はとてつもなく長い歳月だった。しかし今になって思う。100年は、さほど長くない。
若きころに触れた文学によって、与えられ、育まれた情趣を思う。かけがえのない、宝。何を見ても、何かを思い出す。
ともあれ、『夢十夜』は、すばらしい。
昔読んで、心動かされた本を、悉く、読み返したくなる。
◎Instagram 5月15日の記録
今朝、夫がデリー出張から戻った。実家からもらったというライチーをたっぷりと携えて。
しかし昨夜は体調が悪くし、今も頭痛がするという。
わたし一人ならば適当にランチを、と思っていたが、夫はランチをすませてからオフィスへ赴くという。体調が悪いのであれば、身体が喜ぶものを食べて欲しい。
昨夜、塩麹に漬け込んでおいた豚バラ肉に、醤油や酒などを加えて味付け。金曜日に買っていたオーガニックのピーマンの残り、ややしなびてはいるが、千切りに。
そして鍋に水をはり、茅乃舎のだしを入れて火にかけ、玉ねぎと、キャベツの残りを千切りにして加える。
主食は、このところお気に入りのブラックライス。黒米。
先月読んだ2冊の本『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』『一汁一菜でよいという提案』の影響はかなり大きく、我が家の食生活に、新たな潮流を与えて続けている。
「これでいいんだ」という自信と、「こうすればもっといいんだ」という希望が、与えられた。
日本を離れて21年。米国在住時から、主には、ワンプレートにあれこれを盛る食生活を続けてきたが、日本の食生活のスタイルを、もっと取り入れたくなった。
幸い夫は箸の扱いが上手。むしろわたしよりもうまく使えている。日本料理も大好きだ。
「おいしい」「おいしい」と言いながら、食べているのを見ればつくづく、よかったと思う。
我が家のヒーリング食の定番は丸鶏のチキンスープだったが、これからはもっと、味噌汁だ。
なんだか、楽しくなってきた。
以下は、ミューズ・クリエイション通信、通称「MC通信」の導入部。諸々の大切なお知らせのまえに、そのときどきの話題などを、メンバーに伝え続けてかれこれ5年。大して役にも立たないことを記すこともあるが、ともあれ「わたしだったら、教えてもらえるとうれしい」と思えることを、多岐に亘って記している。
♨︎
軽くいくつか転載しようと思ったら、あれこれ載せたくなり、かなりの文字数となってしまった。このごろはまとまった文章を書かなくなってしまったと思っていたのだが、クオリティはさておき、書いてるのだということを再確認。
ライターという職業柄、全員が読んでいるわけではないことは、もちろん理解している。悲しくも、前書きが長すぎるといわれたこともある。万人に受け入れられる内容でないことは理解しているが、中には確実に、楽しみにしてくれている人がいるのを知っているので、続けられている次第。
耳を澄まさねば聞き落としてしまいそうな、小さなappriciateの言葉に、支えられ続けているように思う。ネガティヴな声は大きく響き、ポジティヴな声はなかなか聞き取れないのは、世の常。それをわかっていなければ、続けていけないのも、このようなヴィランティアの活動でもあり。
……にしても、かなりの情報量だ。こうして転載したものを、果たして読む人がいるのだろうかと思いつつ、ともあれ、自己満足で、記録を残しておこう。
◎【MC通信415】3月20日発行より
◎3月から4月にかけては、西へ東へ、人々が動く季節。来月もまた、多くのメンバーが、ご帰国されます。一方で、少しずつ新しいメンバーの方も入られています。先月末にお送りした「顔写真付き名簿」をどうぞご確認ください。
◎「この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ」……これは、井伏鱒二が、唐代詩人の于武陵の「勧酒」という詩を訳したものです。「人生に別れはつきものだ」という言葉をして、「さよならだけが人生だ」とした意訳は、しかし個人的には共感され、別れの季節には、自ずと思い出されます。ちなみに寺山修司は、これに反する詩を書いているのですが。
◎今年の6月で5周年を迎えるミューズ・クリエイション。のべ160名を超えるメンバーが在籍され、すでに100名以上のメンバーを見送ってきました。ネットで簡単に連絡を取り合え、Facebookなどで近況を確認しあえるこのご時世、「また会える」と思える一方、しかし、もう二度と会うことがない人の方が圧倒的に多いのだ、ということにも、思いを馳せます。だからこそ、会えるときには、できる限り楽しい時間を共有できたなら、とも思います。その人を思い出す時、その表情が笑顔であれば、とも思います。
◎前回に引き続き、我が家の猫の話。3年前に長女NORAが庭に紛れ込んで住み着いて以来、半年後に長男ROCKY、更に1年後次男JACKを保護し、現在3匹です。NORAは半野良だった時期、近所の猫らと喧嘩をしては負傷し、幾度となく病院へ。ROCKYは1年少し前に心臓病が発覚して以来、毎日投薬が必要、それがなければ生き延びられません。そして今回、JACKが膀胱炎になり、2回の通院と投薬など。猫のほうが人間よりずっと病院に通っていて、医療費もかかっているという事実。しかし、子供のいない我々夫婦にとって、これはささやかながらも「他者(猫)を育てること」を体験する、必要な事態だと、このごろは思います。
◎先日、国際女性デーで3人の女性のスピーチを聞きました。どの人の話も興味深かったのですが、最後のスピーカーの、ドクター・アロマの話にはことさら、考えさせられました。教育学者でもある彼女は、WHO支援のもと、ヴォランティアで養子縁組のコーディネータをしています。彼女には6人の子供がいて、うち3人は養子。さらにそのうちの一人は、重度の身体障害を抱えているそうです。出席者に向かって、彼女は言いました。
「特別なケアを要する子どもたちを、どうぞ引き受けてください」と。
実際、会場にいた数名が手を挙げ、「私たち夫婦は、養子をもらうことを検討している。障害がある子どもでも、何ら問題ない」という女性も、いました。わたしは、このような人たちに対して、心底、感嘆します。同様の状況を目の当たりにしたことは、これが初めてではありません。インド人、米国人、欧州人……。わたしの身の回りで、養子を育てている人は少なくありません。ニューヨークで、ワシントンDCで、そしてインドで、そのようなカップルを、見てきました。中には、夫の親戚を含め、敢えて障害のある子を我が子にと引き受けている人も、少なからずいます。
子どもに恵まれたなかった我々にも、養子をもらうか否かの話題がでなかったわけではありません。しかし、わたしには無理でした。ましてや身体に障害がある子供を敢えて受け入れるという発想はありませんでした。
だからこうして、何かしら問題のある生き物と、共に暮らし、手をかけるということは、わたしに与えられた、ささやかながらも大切な、やるべきことのようにも、思われます。愛おしい存在が病み苦しむのを目の当たりにするのは、それが人間であれ、動物であれ、辛いものです。
多分、膀胱炎のせいで、このごろはあちこちに粗相をしてしまうJACKに辟易しながら掃除をしつつ、朝な夕なに、ROCKYに薬を与えつつ、猫向け手料理を作りつつ、"Special care” "Special need” を必要とする命を預かることについての意味を、考えさせられています。
◎【MC通信418】4月1日発行より
◎今日から4月です。盛夏に突入しつつあるバンガロールでは、日本的な春のかけらをも感じることはできませんが、それでも季節ごとの自然の変化を見取ることができます。たとえば、遠目に桜を思わせる薄桃色の木の花。これは「ピンク・テコマ」あるいは「ピンク・トランペット」と呼ばれます。同じテコマでも、鮮やかな黄色い花をつける木もあります。薄紫の木の花は「ジャカランダ」です。デカン高原の青空に映えて、ひときわ色鮮やかです。4月から5月の盛夏になると、真っ赤な「グルモハル」の花が咲き乱れます。まるで炎のように中空を染めることから、日本語では「火焔樹」と呼ばれます。
◎わたしは2002年から2005年まで、米国ワシントンD.C.に住んでいました。ここでは毎年、すばらしい桜を愛でることができました。ポトマック河口のタイダルベイスンという水辺の周囲に、毎年満開の桜(ヨシノ)が開花するのです。これは1912年に、当時、東京市長だった尾崎行雄が日米友好の証として送った桜の苗木が成長した桜並木で、第二次世界大戦中も、敵国の花だからと伐採されることなく、市民の手で守られてきました。ブルーシートを敷いて酒を飲んで騒ぐ……という人は当然おらず(←許可されない)、大勢の人々が、ただ花びら舞い散る中、短い花の命を慈しむように眺め歩きます。(14年前の写真→) http://www.museny.com/mihosakata/album2003spring1.html
◎昨日のサロン・ド・ミューズは久しぶりに12人という小人数でした。もっとも、体調不良の方が5、6名いらっしゃり、欠席されていました。これから夏も本番となります。湿気のない暑さは、想像以上に水分を蒸発させ、疲労感を募らせます。倦怠感、頭痛などの原因になりますので、しつこいようですが水分補給を十分に。また乾燥肌の人は、シャワーのあと肌が潤っているうちに、ワセリンやアフターバスオイルなどをたっぷり塗ると、肌から水分が蒸発するのを防ぐことができます。
◎小人数だと寂しいと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、わたしとしては久しぶりに、ミューズ・クリエイションを始めたばかりのアットホームな雰囲気を思い出し、しみじみといい時間でした。ここ2年ほどは、大勢が集まって賑やかだった一方、わたし自身は運営することに重きを置かねばならず、ゆっくりと金曜の午後を過ごすという感覚を失っていました。大勢のときには大勢なりの、小人数のときには小人数なりの、活動の仕方、楽しみ方があると思います。どうぞ「現在のミューズ・クリエイション」という環境の中で、ご自身ができる活動を、前向きに進めていただければと思います。
◎【MC通信420】4月10日発行より
インドの夏、それはマンゴーの夏。街を黄金色に彩りながら、おいしいマンゴーが出回る時節となりました。去年の今頃もマンゴー情報をお届けしましたが、今年も新しいメンバーに向けてお知らせします。
マンゴーといえば、マハラシュトラ州(ムンバイのあるところ)産のアルフォンソマンゴーが「マンゴーの王様」として有名で、他のマンゴーより一足早い3月ごろから出回ります。
ここカルナタカ州のローカルのマンゴーもさまざまな種類があり、おいしいものがたくさんです。バダミ、バンガパリ、ラスプリ、マリカなどそれぞれに美味なマンゴー。そのときどきの旬のマンゴーを選びたいものです。マンゴーの種類によっては、熟れても緑色のままのものもありますので、購入の際にお店の人に確認を。スーパーマーケットの店員さんでは頼りにならないので、あくまでも果物専門店などの「マンゴー経験豊富そうな店主」に尋ねてください。
マンゴーの中には、早く熟させるための薬が用いられていたり、農薬が多めに使われているものが少なくなく、社会問題になった時期もありました。従っては、路傍の屋台などではなく、信頼のできる店で購入することをお勧めします。並んだ商品がすべて均一に熟れた、きれいすぎるマンゴーの方は、むしろあやしいです。
オーガニック専門店をはじめ、ナムダリズやニルギリズ、ネイチャーズバスケット、トムズの隣の果実店などは大丈夫だと思います。
「アルフォンソ・マンゴーに対しては、本気で挑みたい」という方には、ガンディ・ナガールにある「マハラシュトラ・マンダル」と呼ばれるマハラシュトラ州の組合へ赴くことをお勧めします。毎年3月下旬から6月初旬にかけて、マハラシュトラから直送の、オーガニックのアルフォンソ・マンゴーが販売されています。先ほど問い合わせたところ、営業時間は朝11時から夜9時までとのことです。
Maharashtra Mandal
2nd Cross, Gandhinagar, Tel. Sharmila, 98440-69475
わたしはといえば、11年前に一度訪れたきり、その後はドライヴァーに頼んで何度か買いに行ってもらいますが、たいてい美味です。参考までに、11年前のインド初心者の坂田によるマンゴー・ショッピングの記録を。
http://museindia.typepad.jp/blog/2006/05/post_0248.html
マンゴーは、ともかく香りが命です。匂ってみて、香りが薄いものは、熟れていないか、ケミカルが多く使用されているかのどちらかだと思います。熟れていないものは当然酸っぱくて、おいしく食べられません。色や香りを確かめて、タイミングを見計らって食してください。
ただし、マンゴーは体温を上げる効果があるため、食べ過ぎは禁物です。また食べる前に、マンゴーを水につけて冷やす方がいいと言われています。マンゴーの熱を奪う効果があるのかもしれません。
なお、6月には、市内のラルバーグ植物園で、毎年恒例のマンゴー&ジャックフルーツ祭りが開催されます。近年は、カルナタカ州産のオーガニック・マンゴーも数多く出回るようになり、非常においしいです。6月をお楽しみに。
◎【MC通信425】4月22日発行より
◎移住当初に住んでいたカニンガム・ロードのアパートメントを出て、今の家を購入し、怒涛の内装工事を経て引っ越してから10年になります。毎年この時期には「今年こそ、エアコンをつけるべきか」と思うのですが、本気で暑い時期は短く、「ま、いいか」としのぎ続けて早10年が過ぎました。今年はしかし、「エアクーラー」という、インドに昔からあるタイプの簡易型冷房の進化系、を購入することにしました。近々、配達されます。使い心地はまた、改めてご報告します。
◎現在の物件に引っ越した当初、西側のITCテックパークは緑の多い敷地でした。ここにはそもそもタバコ工場がありました。ITCとは、インディア・タバコ・カンパニーの略。JT(日本たばこ産業)みたいなものです。ここが4、5年前より大工事を始め、樹木は一掃され、今では巨大なオフィスビルが完成間近です。完成した暁には、我が家に接するあたりにも、再び樹木が植えられるであろうことを期待しています。
一方の北側の敷地は、最近までたくさんの樹木に囲まれた、英国統治時代からの古びたバンガロー(平屋建ての邸宅)がポツンと建っていました。早晩、開発されるだろうと思い続けていましたが、ついには昨年より作業が始まり、まるで小さな森のようだったそこは、赤土を露わにした更地となってしまいました。ここには高層アパートメントが建てられます。樹木を散々切り倒しておきながら、「プレステージ・ウッドランド」という物件ですので、こちらも完成した暁には、木をたくさん植えてくれるのだろうと、小さく期待しています。
10年前、ここに引っ越した当初は、色とりどりのさまざまな野鳥が飛来し、無数の蝶が舞い飛んできていました。なんだか遠い昔のことのようです。
◎日本でも報道されているところの、UBグループCEOの逮捕のニュースについて。地元バンガロールのことでもありますので、知っておいたほうがいいと思われます。最下部にニュース記事のリンクと、それに伴うわたしのコメントをFacebookから転載していますので、ご興味のある方、ご覧ください。
◎インドの大物実業家、英国で逮捕 詐欺の疑い (CNN.co.jo)
http://www.cnn.co.jp/world/35100041.html
英国統治時代に作られたビール醸造所、ユナイテッドブリュワリー(UB)のCEOヴィジャイ・マリヤが、ついに逮捕された。
私が移住したての2005年は、彼のバブルが開花したころ。同年就航したキングフィッシャーエアラインでは、赤いミニスカのモデル的フライトアテンダントを起用し、ビジネスクラスがなく、ファーストクラスとエコノミークラスしかない飛行機を飛ばしていた。乗客に配るアメニティグッズにも無駄が多く、バブル感満点。まったく長期的ビジネスプランに基づいているとは思えなかった。
2008年にクリケットの国内リーグ、IPLが誕生したころが、彼の絶頂期だったろうか。バンガロールのチーム、ロイヤルチャレンジャーを率いての派手な存在感をアピール、その数年後には、ノイダでのF1実現にも、彼は深く関わっていた。
彼の父親ヴィッタル・マリヤは、1947年、インドが独立した時、22歳の若さでUBの代表となった。華々しいキャリアがある一方、病院を作るなどCSRにも力を入れていたらしき人物だが、結婚歴は3度。ヴィジャイは最初の妻との息子だ。
2度目の妻は、友人の妻からの略奪&W不倫婚だったようで、最初の妻が激怒し、新聞広告に「わたしは離婚します」的なアピールをしたとの話を、バンガロールに久しく住むファミリーフレンドに聞いたことがある。ともかく、彼らのスキャンダラスなライフは、昔から話題のタネだったようだ。ヴィジャイ・マリヤを見ると、本当に、いろいろと屈折した子供時代を送ってきたのだろうなということが、察せられる。
インドの財閥は、ファミリービジネスが基本。ビジネスの才覚があろうがなかろうが、自動的にトップに立つケースが多々あり、莫大な遺産を受け継ぎながら、インドの経済を攪拌する。
たとえば「マルワリ」と呼ばれるビジネスカースト、コミュニティの中には優れてビジネスセンスを子供時代から英才教育をするところもあり、ゆえに玉石混交、ひとことで語るに難いのだが。
私は移住後まもなく、ムンバイで開かれた財界人のクリスマスパーティでヴィジャイ・マリヤを見かけた。独特の存在感を放っていたので、ついつい近寄り、「UBシティができるの、楽しみにしてます」なんて話しかけたのだが、軽くあしらわれた。
ちなみに会場は、タージマハル・パレスホテルのバンケット、すなわち室内だったにもかかわらず、サングラスを着用、後ろに龍の刺繍が施されたGジャン(?)という、昭和のヤンキーみたいなファッションであった。
彼が溶かしたお金で、いったいどれほどのCSRが実現できただろう……などと想像するも虚し。彼に限ったことではない。ともあれ、「お金とは、いかに使うべきなのか」ということを、こういうニュースを目にするたびに、考えさせられる。
お金を稼ぐことのたいへんさ、を体験していない人は、お金に対するリスペクト、のようなものが、欠けてしまうのかもしれない。一概にはいえないが。飛行機会社を作った時点で、もはや、地に足がつかなくなっていたのだな、などと思いを馳せる。
◎【MC通信426】5月1日発行より
◎日本はゴールデンウィークなのですね。ということに、先ほど気がつきました。インドもまたMay Dayの三連休でお休みの方も多く、ご旅行中の方もいらっしゃるかと思います。わたしはといえば、昨日今日と、自宅でのんびり過ごしています。近所の建設工事もお休みで、加えて車両の音もほとんど届かず、とても静かで平穏です。そのせいか、野鳥が庭に遊びに来たりもして、久しぶりにリゾート的な高原都市の表情を見せている我が家界隈のバンガロールです。
◎先週のサロン・ド・ミューズは日程を変えたのに加え、旅行に出られた方も多かったようで、参加者は10名ととても少なかったのですが、下準備しておいたスコーンの生地を皆で型抜きして焼いたりするなど、こぢんまりと楽しいひとときを過ごしました。スコーンのレシピをお尋ねの方がいらっしゃったので、最下部に添付しておきます。思えば以前は、折に触れてクッキングクラスも実施していました。レシピはそのときのものです。ちなみに5年前、初めてのミューズ・チャリティバザールでは、カフェ・ミューズでスコーンを出しました。前日、メンバー有志で250個ものスコーンを焼いたことが、懐かしく思い出されます。参考までにそのときの記録です。http://museindia.typepad.jp/2012/2012/12/scone.html
◎先週の金曜日、わたしはダンス・エクササイズのワークショップに参加しました。米国発のYPOというグローバル組織に夫が属しており、伴侶向けの有意義なプログラムも多々あることから、わたしも昨年後半より、積極的に参加しています。その一環としてのイヴェントで、著名なスーフィー・ダンサーによるワークショップです。他のメンバーから、彼女はすばらしいとの評判を耳にしていたこともあり、彼女の動きを見るのが楽しみだったのですが、この日はあくまで講師として、ぐるぐると回転するところのイスラムの踊り、スーフィーダンスの起源を語り、理念を語り、参加者に動きの指導をしてくれたのでした。自分の右の手のひらを見つめながら、音楽に合わせて、ゆっくりと時計回りに回転し続ける……。大切なのは、自分の軸を安定させること。無心に回り続けるうち、内なる神が見えてくる……ということでしたが! 三半規管が弱いわたしにはとても無理。ちょっと試してみましたが、たちまちめまいで、一人で見学状態でした。
◎物理的に回転するのは苦手ですが、わたし自身は、自分の精神的な在り方をして「心に、生き方に、軸(芯)を持つこと。目まぐるしい時代の流れ、あふれんばかりの情報が轟と渦巻く世の中に、振り回されないこと」を敢えて意識して暮らしています。さもなくば、気持ちは四方八方、飛び散って、散漫で不確かになってしまいます。環境変化が著しい場所に身を置いている身としては殊更に。毎年年末に、夫と二人でアーユルヴェーダグラムに1週間ほど滞在していますが、瞑想のクラスで教わることの一つが、「自分の身体を貫く芯をイメージすること」です。まっすぐな透明のガラス棒のようなものを芯に据えて、凛と揺らがず。その思いを新たにしたワークショップでもありましたが……。師匠の動きを見られず、三半規管が弱くて内なる神に出会えそうにない自分が、少々残念ではありました!
◎【MC通信427】5月4日発行より
◎5月になりました。これまでも幾度か記しましたが、今月末で5周年を迎えるミューズ・クリエイション。現在に至るまで、のべ158名のメンバーが在籍されてきました。これまでもメンバーの入れ替わりは多かったのですが、今年はかつてなく、ご異動・ご帰任のメンバーがたくさんいらっしゃいました。1月4名、2月2名、3月6名、4月7名。合計19名です。毎週のように、去り行くみなさんを見送りつつ、名簿の、エクセルのセルを次々に削除しつつ……。いろいろな思いが心を去来します。が、みなさんが別れのご挨拶のときに、ミューズ・クリエイションで活動できてよかった、ここでみなさんと出会えてよかったと、前向きな言葉を残されるのを耳にすると、続けていてよかった、と思わされます。
◎わたしは、東京での20代、米国での30代は、旅の多い人生で、自分をして「東西南北の人」などといい、単身で放浪する日々こそが自分らしいと思っていました。インドに移住してからも、バンガロールとムンバイの二都市生活ほか出張も多く、あちこち飛び回っていたのですが、この5年間は、かなり勝手が違いました。多くの行き交う人々を見守るように、定点に立ち続ける「澪標(みおつくし)」のようだったとも思います。旅をするからこそ見えてくることもあれば、定点に留まるからこそ見えてくることもあり……。正直にいえば、そんな自分の変化に5年連続で違和感たっぷり! なのですが、人生において、異なる視点を持つための、貴重な経験をさせてもらっているのだとも感じています。
◎メンバーが激減した数カ月でしたが、今年に入って新しいメンバーが8名、入られています。最新の名簿を下部に添付していますので、どうぞご覧ください。また、現在はBcc.にて通信をお送りしていますが、8月頃から活動開始予定の「朝組」待機メンバーが5名、近々入会のメンバーが3名、いらっしゃいます。お子様のお迎えの都合で午後の活動には参加できない方に向けての「朝組」については、また後日、参加予定メンバーのみなさんとのメールのやりとりを通して、具体的な活動について検討したいと思っています。
◎今日はOWCに入会希望の4名の方とともに、リーラのコーヒーモーニングに赴きました。顔なじみの役員の女性が、一足先に訪れていたわたしと会うなり「このごろは日本人メンバーが少ないので、誘って欲しい」と声をかけられました。その直後に4名が入会されたので、とても喜ばれました。いろいろな国籍のメンバーが揃ってこそのOWC。まだ未入会で興味のある方は、ぜひ参加されることをお勧めします。
◎【MC通信428】5月9日発行より
循環する水で空気を冷やす、エアクーラー。そこそこ、いけます。
わたしが初めてエアクーラーを見たのは、デリーの実家にて。大きな扇風機を備えた箱型の装置で、下部に水槽があり、水がモーターで背面のフィルター上部に循環して、風力で湿気を部屋に撒き散らすことで室内の温度を下げるというものです。つまり、乾燥した夏には好適なものです。
拙宅はこの10年間、エアコンなしで凌いできましたが、今年、隣地の樹木が伐採され、大規模工事が始まったことから、てきめん、室内の温度が上昇しました。今年はエアコンを買うべきかと思っていたところ、英語の家庭教師の先生にエアクーラーを勧められました。Amazon.inで確認したところ、デリーの実家にあった旧式のものとは異なり、移動できるシンプルなものがいくつものブランドから販売されていました。リヴィングに大きいものを1つ、書斎に中型を1つ、購入しました。
レヴューはどれも一長一短なので、適当に選びました。リヴィングの大きなものは、想像以上に大きく、音もかなりうるさく、風力を最低に設置しても暴風なので、これは失敗したと思いましたが、金曜日にみなさんが集まったときには、あまり音も気にならず、暑さも和らぎ、かなり役立っております。書斎の中型も、うるさいとはいえ、近所の工事の騒音に比べれば大したことはなく、結果、どちらも役立っています。なお、大多数のインドの人たちは、「風力大」「音量大」に慣れているので、この商品のクオリティは致し方ないかもしれません。
Advantage
・エアコンのように、工事が必要なく、廉価。
・エアコンのように身体を冷やしすぎない。
・電気代があまりかからない(と思う)
・湿気が多い時には、水を入れなければ単なる扇風機代わりとなる
・窓を開けるなど換気のいい場所で使うことから、新鮮な空気を得られる。
Disadvantage
・見た目がよくない。
・音がうるさい。(日本人にとっては)
・風が結構、強い。(日本人にとっては)
・最初の数日間、フィルターが超、臭い
フィルター臭については耐え難く、速攻でサーヴィスセンターに問い合わせたところ、2、3日使うと消えるとのこと。仕方なく、換気のいいところで使い続けていたら、臭いは取れました。なお、どのブランドがいいのか、といったことは、わたしにもよくわかりません。他にもいいものがあるかもしれません。ゆえに、諸々のサイトなどを比較検討の上、ご購入されてはどうかと思います。夏が終わらないうちに。
願わくば、日本の家電メーカーに、いい感じのエアクーラーを開発してほしいです。最初から臭くないフィルター付きで、音が控えめのものなど。空気清浄機市場はここ3、4年、劇的に成長していますが、このエアクーラーも、かなりニーズはあると思われます。
http://www.amazon.in/s/ref=nb_sb_noss_2?url=search-alias%3Daps&field-keywords=air+cooler
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