[New York 18] 選択肢が多いと悩むのだ。スニーカーひとつをとっても。
A day in Downtown.
日曜日の今日は、夫とダウンタウンへ。昨年はボストンへ行ったこともあり、マンハッタン滞在は短く、ダウンタウンまで足を伸ばさなかった。ゆえに2年ぶり。
またしても、日本食ランチのあと、夫婦揃ってスニーカーを買うべく、アディダス、ナイキをうろうろと。選択肢が多いと、迷うし時間はかかるし、一苦労。ともあれSOHOのナイキストアはかなりクール。4階のマイケル・ジョーダンフロアは、バスケットボール好きにはたまらない空間だ。
買い物をすませ、ウエストブロードウェイ沿いのラデュレでおやつ休憩。10年前のパリ、シャンゼリゼのラデュレで食べたタルトタタンが余程、忘れられないのか、ここに来るたび、「タルトタタンが食べたい」という夫。折に触れ、妻が焼いているではないか。
ウエストブロードウェイから南を眺めれば、今はなき、ワールドトレードセンターの幻影が脳裏に浮かぶ。2001年9月11日。あの日を境に、LIFEは一転した。あの日は、インドに暮らす現在に連なっている。
[New York 19] 思いがけず、ブルーノートでジャズの夜。
Jazz night at Blue Note.
買い物を終えて、街歩きにも疲れた夕暮れ。かつて、折に触れて訪れていたマティーニ・バー、Pravdaに行きたいと思うが、何となく、なくなっている気がする。調べてみたら、やはり2年前に閉業していた。
2001年10月。極めて複雑な思いを抱えながら、夫と二人、ワールドレードセンターの焼け落ちた跡を見に行った。どす黒く焦げたビルディングの壁面。無惨に曲がりくねった鉄骨。映画のセットの中に紛れ込んでしまったかのような虚ろな現実。あの光景に向かって、とてもカメラを向ける気にはならなかった。
重い思いを抱えながら、あの夜、Pravdaでマティーニを飲んだ。人の命も、日々の暮らしも、なにもかもが、軽いようにも、重いようにも、思えた。
Anyway。
東の店が潰れてしまったのであれば、西へ向かおうと、あてどなく歩いているうちにも、ブルーノートの前に来た。30分後にジャズのライブが始まるという。幸い、テーブル席も端っこながら、空いていた。ビール飲みつつ、軽食を食べつつ、リアルな音楽の心地よさ。
いい、日曜日だった。