クリスマスを前に、ケーキをたっぷり焼いてます……と思わせておきながらの、猫餌😼
5年前、元野良のNORA姉さんが我が家を住処に決めるまで、わたしは猫のことについて、何も知らなかった。ペットといえばセキセイインコしか飼ったことがなく、中でも最もわたしに懐いていた「ピコちゃん」が不慮の死を遂げた時にはもう、途轍もなく悲嘆に暮れた。
「インコが死んでも、これだけ悲しいのだから、それ以上、大きくて、長生きして、賢い生き物を飼って、先に死なれるのはいや」
と思い続けていた。が、そんなわたしも大人になり、大切な「人間」も看取り、悲しみを乗り越える術を、身につけていた。それでも、ペットに愛情を注ぎ過ぎることには、躊躇があった。一方の夫は、子どものころから犬を飼っていて、いつかは犬を飼いたい、猫には興味がないと言っていた。
しかし、NORAが来てからというもの、マルハン家の事情は一変した。NORAはやがて、屋内に入り、やがて半野良から家猫へと移行した。「愛情制限」などできるわけもなく。溺愛。翌年にはROCKYを保護。その翌年にはJACKを。そして昨年、CANDYが仲間入りした。
「猫の健康診断? なにそれ? 必要?(笑)」くらいに思っていたわたしが、猫らの不調には超敏感になり、ROCKYがあるとき食欲を失って、うずくまったときには、心が砕けそうになった。
病院で検査を受けた結果、先天的に心臓疾患があり、薬を飲み続けねばならないとのこと。それまではドライなキャットフードだけを与えていたのだが、キャットフードを食べず、わたしが作った鶏肉や牛肉の餌だけを食べたことから、猫にも手料理を、と決めた。JACKが膀胱炎になったときにも、その思いを新たにした。
以降、半分以上が手作り料理、半分以下がキャットフードという塩梅だ。調理に際しては、猫が食べていいもの、食べてはダメなものを学ぶべく、あれこれと書籍を購入して勉強した。
2〜3週間に一度、大量の餌を作り、冷凍庫に保管する。材料は、Freshtohome.comで売られている特価の肉や魚を使用。鶏肉、マトン、レバー、イワシなどなど。廉価で新鮮な食材が入手できるのはありがたい。その他、ブロッコリーやカリフラワーの芯、食べ残しで味付けが薄い料理、ご飯や豆の残りなどもすべて冷凍して活用する。もちろん、新鮮な穀物類も加える。
それらを、3つの鍋で一気に調理し、身をほぐしたり、ブレンダーで粉砕したりして、仕上げる。夏の間に買うアイスクリームのパッケージは、猫餌入れに好適で、我が家の冷凍庫は一見、アイスクリーム・ショップ状態だ。
その気になれば、手作りペットフードショップをオープンできると思うくらい、猫らの嗜好も把握できている昨今。我々夫婦、隠居(?)した暁には、猫シェルターを作るかもしれん。
今朝、調理をしていたら、いつものように「いい匂い」を嗅ぎつけて、猫らがやってくる。NORAとROCKY。視線が真剣!
寿命は誰にもわからない。多分、猫らは、わたしたちよりも、早く死ぬ。ROCKYの心臓病と、薬による副作用を軽減してくれるのは、多分、環境と食生活しかない。猫とて生き物。食べたように、生きている。なるたけ元気でいてほしい。できるだけのことはやってやりたいと、思う。
彼らに、どんなに、あれこれと、振り回されているとしても、彼らから、我々夫婦がもらっているものは、かけがえのない感情だ。
1日に何度も、「かわいいね〜」「いいこね〜」と笑顔で言える対象が存在することの幸せ。
ごはんをおいしそうに平らげる様子を見るのもまた、幸せなこと。
みんな、死ぬまで元気でいてください。
最近はすっかりご無沙汰しているが、『うさぎのアリスの猫レポート』。かつてはたいへん、人気がありました。