COVID-19禍に突入して以来、インドではライフスタイルの変化が、途轍もない速度で進んでいる。渦中にいると、あたかも自然な流れだが、俯瞰すればその変化と成長度合いは顕著だ。
その一つが、食生活にまつわる各種サーヴィス。
ロックダウンに入って以来、食材はほぼ100%オンラインで注文できるようになった。オーガニックの食材も、新鮮野菜も、輸入調味料もなにもかも。ゆえに、自分で料理をする機会が圧倒的に増えたが、たまには外の料理も味わいたい。
フード・デリヴァリーもまた、そのサーヴィスが日進月歩で拡充されている。ロックダウン直後は方向性をつかめずにいたであろう飲食店も、次々にデリヴァリーの態勢を整えていった。
今や5つ星ホテルの各種ダイニングの料理も、家庭で味わえる。
インド都市部におけるフードデリヴァリー・サーヴィスの代表格に「SWIGGY」がある。このサイトのPremiun Brandsを開くと、かつてはなかった高級店が数多く参入している。加えて「健康志向の良質な料理」を出す店も増えていて、その変化には驚かされるばかりだ。
写真は、先日注文したGo Nativeの料理。店舗はバンガロール市内西部にある。写真を見る限り、雰囲気のよい内装である。メニューには、インド料理やイタリアンをモダンにアレンジしたヴェジタリアン料理が並ぶ。
脈絡なく、おすすめの料理を頼んでみた。辛いものが苦手な夫には、ちょっと辛味が強いものもあったようだが(わたしには全く問題ない)、どれも新鮮な食材が使われているであろう滋味が感じられる。
そして、今年のヒットは、すでに何度か紹介したKRUMB KRAFTのパン。
ロックダウンに入った直後、いくつかのアルチザン・ブレッドのベーカリーから注文してみて、最も気に入ったのが、このKRUMB KRAFT。注文から配達までに1〜2日かかるが、新鮮なパンが届けられるのがうれしい。
このごろは、パンだけでなく、そのときどきの焼き菓子が用意されていて、それもまた素朴においしい。
https://krumbkraft.in/
年に一度のニューヨークと日本で、食材をあれこれ調達してきた過去15年。日本食材も含め、今年はインド国内であれこれと調達できるということが実感でき、今後の旅は、スーツケースに占める食材の量は圧倒的に減るだろうと思われる。ありがたいことだ。
インドにおける「利便性の向上」は、「即席(ファスト/インスタント)」とは限らない。食事にせよ、ファッションにせよ、ライフスタイルにせよ、「伝統」や「心身/環境によいもの」「良質なもの」の在り方が再構築され、新たな流通に乗って、消費者のもとに届く。
このあたりは、インドの市場を知るに際して、看過できないポイントにつき、あまりにも語りたいこと、紹介したいものが多い。来年は、「STUDIO MUSE」の動画を通し、現在、インドで次々に誕生しているプロダクツやブランドの一端について、具体的な商品とともに、少しずつ紹介していこうと思う。