世界がCOVID-19に席巻された2020年。生きている人間にとっては未曾有の環境のなか、無数の人々が「第一線」で健闘されている。言うまでもなく、医療関係に従事する人たちにとっては、途轍もなく過酷な歳月だろう。
1月下旬、インドに最初の罹患者が報告され、3月下旬にロックダウン開始、バンガロールは他都市に遅れて7月ごろから感染者が急増し始めた。そんな中、在留邦人を含む多くの人たちにとって、SAKRA WORLD HOSPITALの存在が、どれほど心強かったかしれない。
SAKRA WORLD HOSPITALは、バンガロール郊外にある日本企業(セコム医療システム60%/豊田通商40%)による総合病院だ。2014年の開院当初は印キルロスカ・グループを含む3社体制だったが、2016年よりセコムと豊通による日本の2社体制に移行している。
2018年に、マネジメントに関わる日本人駐在員や看護師各位が、ミューズ・クリエイションのメンバーと共に、慈善団体のニューアーク・ミッションやホスピスの訪問に同行された。また1年前にミューズ・クリエイションのメンバーとSAKRA WORLD HOSPITALへ慰問に訪れ、小児病棟で小さな患者さんと交流したり、リハビリ病棟で歌や踊りを披露した。
そんな経緯もあり、日本人駐在員各位とは個人的にも交流があることから、彼らがこの状況下、どれほど真摯に尽力されているか「ごく断片」を垣間見る機会があった。
幸い、我々夫婦は特に問題なく年の瀬を迎えられているが、9月から10月にかけて感染者が激増した時期、わたしの親しい友人(インド人)の義父がSAKRA WORLD HOSPITALに入院した。その直後、彼女夫婦も次々と感染した。その際には、同院の在宅治療パッケージ (Home isolation package)を通して治療を受けていた。無事に快癒した彼女たちは、適切な対応を心から感謝していた。
https://www.sakraworldhospital.com/covid-19-home.../
ちなみにインドでは8月ごろから、遠隔でのヴィデオ問診、薬の処方、24時間ヘルプラインなどを含む在宅治療プログラムが、大手病院で次々に準備されてきた。また検査数が圧倒的に増えたのもこの時期だ。
幸いにも現在、バンガロールは新規感染者数が減っているようで、少し心安らぐ年末だ。タフであろう日々の中、現場にいるみなさんが笑顔で踊っている以下の動画を見て、うれしく思った。無論、油断はできないのだろうが、少しでも、前線で働く人たちが肩の荷を降ろし、深呼吸をする時間が増えればと祈る。
Merry Christmas.
●医療に携わる日本人駐在員の方々と、生死渦巻く慈善団体へ。(2018年8月)
●無償で緩和ケア。ホスピスが救う患者の尊厳と家族の未来(2019年8月)
●病院にて。子どもたちと遊び、再起する人とその家族の中で歌い踊る。(2019年8月)