人生3度目のジャイプル旅。あれほど印象深い時間だったにも関わらず、南インドの日常に戻れば、遠い記憶の箱の中。
2020年3月、インドがCOVID-19のロックダウンに突入した後、わたしは動画作りを始めた。さまざまなジャンルの動画を作ったが、中でもセミナー動画や自分史動画の制作は、個人的に極めて有意義な作業だった。
特に「自分史」を語り、編集するに際しては、「わたしは、なぜインドに導かれたのか」ということを、考えざるを得ず。ニューヨークで英語の勉強をするはずが、数カ月後の七夕の夜に、インド人男性とスターバックス・カフェで相席になった。
20代のころ、公私に亘って数々の土地を旅してきたにも関わらず、インドは未踏の地だった。思うところあり、敢えて避けていたともいえるその国の出自の男性と出会い、やがて婚姻し、自ら住みに来た。あの異様な衝動は、自分の意思とは離れた場所から生まれたもののように感じてきた。
自分史動画を編集しながら、「使命」とか「宿命」といった言葉が脳裏を駆け巡った。しかし、それでもまだ、しっくりとこないままだった。
* * *
すでに定め敷かれたレールの上を進んでいる。日本発、米国経由、インド。
時に走り、時に歩き、時に止まりながら。車窓のカーテンを閉じることもあれば、窓を開け放ちて風景を楽しむこともある。
途中下車をしてもなお、再び同じ列車に乗り込み進む。
時に気が急いて、列車の中を走り回る……無意味。時に不安で、重たい荷物を抱えてみる……無意味。
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Amrapaliミュージアムの訪問を終えてのち、いただいたギフト。ミュージアムの外観が描かれたバッグと、ミュージアムの目録と、小さな箱。
箱を開ければ、小さなペンダントが入っている。これは、なんと読むのか……? 夫に尋ねた。
「कर्म(カルマ)」
その言葉を聞いた瞬間、はっと覚醒するような感覚に囚われた。それだ。カルマだ!
腑に落ちた。
ペンダントを握りしめる。このたびのジャイプルにて、この言葉を授かったこともまた、意義深いことであった。
【以下、weblio辞書を整理して転載】
「カルマ」とは、インド哲学や宗教において、個人の行為や意識が生み出す善悪の実体であり、それが次の生に影響を与えるとされる概念である。カルマは、人間の行いや心の働きが宇宙の法則によって報いられるという考え方に基づいている。具体的には、善行を積めば幸福な生活や良い転生が得られるとされ、逆に悪行を積むと苦難や悪い転生が訪れるとされている。
◉「カルマ」の語源
「カルマ」の語源は、サンスクリット語の「कर्म」(karma)であり、「行為」や「業(ごう)」を意味する。この言葉は、インドの古典語であるサンスクリット語に由来し、インド哲学や宗教において重要な概念として扱われている。また、カルマの概念は、ヒンドゥー教や仏教、ジャイナ教などのインド起源の宗教に共通して見られる。
◉「カルマ」に関連する用語・知識
*「カルマ」の梵語とは、「कर्म」(karma)であり、「行為」や「業」を意味する。梵語は、インドの古典語であり、ヒンドゥー教や仏教、ジャイナ教などの聖典が記されている言語である。カルマの概念は、インド起源の宗教に共通して見られ、人間の行いや心の働きが宇宙の法則によって報いられるという考え方に基づいている。
*仏教においては、「カルマ」は「業」とも呼ばれ、人間の行為が次の生に影響を与えるという考え方が基本である。仏教では、カルマが蓄積されることで輪廻転生が続くとされ、悟りを開いてカルマを断ち切ることで、輪廻から解脱し、涅槃に至ることができるとされている。
*「業(カルマ)」とは、カルマの日本語訳であり、人間の行為や意識が生み出す善悪の実体を指す。業は、善業と悪業に分けられ、善業は幸福や良い転生をもたらし、悪業は苦難や悪い転生をもたらすとされている。業は、インド哲学や宗教において重要な概念であり、人間の行いや心の働きが宇宙の法則によって報いられるという考え方に基づいている。
*スピリチュアルな観点からの「カルマ」は、人間の魂が持つエネルギーの総体として捉えられることが多い。スピリチュアルな世界では、カルマは前世や今世、来世にわたって影響を及ぼすとされ、自分自身のカルマを浄化することで、より良い人生や魂の成長が促されると考えられている。
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