今は4月27日の夕暮れどき。船室の、左手の窓に、沈みゆく夕日を眺めながら、ペンを執っている……もといキーボードを叩いている。
今日は、ランチをはさんで午前、午後と2つの街に停泊し、2つの寺院を訪れた。その合間に、船内での考古学者によるレクチャーを受ける。船旅の序盤にして、古代エジプトの神秘が炸裂。脳内が混沌としている。
実は今も、サロンでレクチャーの第2部が行われているのだが、今日一日の情報量を消化できていないところに詰め込むのは無理。夫に「あとで要点を教えて」と伝え、わたしは、経験の片鱗を書き留めるべく、束の間、ひとりの時間を過ごしている。
今朝は太陽が昇るころ、アスワンを出航する船のざわめきで目が覚めた。甲板に上がれば、昨日の砂嵐が嘘のように、爽やかな風が吹いている。軽くエクササイズをして、一日のはじまり。
朝食の後、船を降りてコム・オンボ神殿 (Kom Ombo Temple)を訪れる。コム・オンボとは、「金の山」を意味するとのこと。神殿は、ハヤブサの頭を持つ「ホルス神」とワニの頭を持つ「セベク神」の2神を祀っていることから、入口をはじめ全体が二重構造になっている。
紀元前より1000年以上の歳月に亘り増築などが行われており、ローマ皇帝アウグストゥスの時代に完成したという。ゆえに、ギリシャのアクロポリスのような建築も見られるそうだ。(次の投稿に続く)
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