度重なる海外取材に飽き足らず、短い休暇もまた、取り憑かれたように、旅をした。
好奇心が爆走し、疲れ知らずだった。少々、体調を崩しても、たちまち回復した。
プライヴェートは、100%一人旅だった。取材では行けなかった土地を中心に。
中国、モンゴル、バリ……。フリーランスになってからは、3カ月の長期休暇をとって、欧州を列車で放浪した。
一人旅ゆえ、時間は潤沢にある。カメラとフィルム、地図、そして筆記具が必携品だった。
今なお、何冊もの旅ノートは、大切な宝物だ。
この1992年、バリ旅の記録もまた。歳月を重ねてなお、ページをめくれば、32年前が瑞々しい。
20代半ば。まだ「丸文字」など書いていて、こればかりは恥ずかしい。
キャラが違うやろ!
「かわいげ」など望まずに、しっかりと、自分の文字で書いておくべきだった。
自己肯定感低めに、しかし諦められず、自らを鼓舞していた20代の葛藤。
自分らしさを見つめて、自分らしさを愛おしめばよかった。
あなたは、あなたらしく、あなたのままで、よかったのだ。
わたしは、わたしらしく、わたしのままで、よかったのだ。
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