17日の深夜、バンガロールを発ち、インドネシアのバリへ飛んだ。ベンガルール国際空港からデンパサール国際空港まで、インディゴ (IndiGo)の直行便が就航していることから利用。しかし、国内線と同じエコノミークラスのみの小さめ機材で、同じサーヴィスにての約7時間のフライトは、かなりタフであった。
18日午前中、バリに到着してのち、今度はジョグジャカルタに乗り換えて約1時間半。更に空港からボロブドゥールまで車で約1時間半の旅を経て、ようやく最初の目的地に到着した。近そうで遠い往路であった。
今回の旅は、基本的に夫の仕切りである。当初はバリだけに滞在する予定だったが、以前、友人に勧められたボロブドゥールの仏教遺跡を見に行こうということになり、最寄りのジョグジャカルタ空港に降り立つこととなった。
滞在先は、ボロブドゥールの小高い丘の上に立つリゾート。界隈には他にもモダンで洗練された高級リゾートがあるが、わたしはサイトを一瞥し、絶景かつ伝統的な建築のこのリゾートを選んだ。ちなみに夫からは「ちゃんと写真を確認して比較して」といつも言われる。
人に話すと意外に思われるが、わたしは旅の前に、旅先や滞在先の写真を入念に見ることを敢えてしない。インターネット以前にガイドブックの編集者をしていた者としては、文章のみで想像し、現場入りしたいという「古風な」願望がある。写真は参考程度にとどめたい。
今となっては旅行の前に、あらかじめ写真を見て、その写真と同じ場所に赴いて、自分も同じ場所から写真を撮る……という旅のスタイルが一般的だ。しかし、欧米の昔のガイドブック(ミシュランやロンリープラネットなど)は、ほとんど、文章ばかりだったものだ。
もちろん、当たり外れはある。しかし今回は、このリゾートを選んで本当によかった。初日、到着した直後は靄で見えなかった山が、翌朝はほんのりと、墨絵のように浮かんで見えた。富士山にそっくりの麗しい山! 標高2,930mの活火山であるムラピ山(Merapi)だ。その山の右手に、ボロブドゥール遺跡が小さく見える。朝日、夕日を眺められるすばらしいロケーションだ。
食事はナシゴレンやガドガドなど、ローカルのお勧め料理を主に楽しんでいる。到着した18日は、我々の結婚記念日をささやかに祝す。2001年7月18日、蒸し暑いデリーでの怒涛な結婚式から、瞬く間に23年の歳月が流れた。二人こうして、今、共にいられることに感謝だ。
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