富士山によく似たムラピ山の西側に位置するボロブドゥール。思い出深き2泊の滞在を経て昨日の朝、車に乗り込む。目指すはムラピ山の南側に位置するプランバナン寺院にほど近い村。ジョグジャカルタを通過して、2時間あまりのドライヴだ。
インドネシアの古都と呼ばれるジョグジャカルタとその周辺。車窓からの情景は、のどかな田園風景が続き、ノスタルジアを刺激される。豊かだな……と思う。わずか数日の滞在ながら、ここに暮らす人々の温厚な優しさに心が安らいでいる。のんびりと、穏やかに微笑む人々……。
途中でまたしても、バティックの工房に立ち寄った。ここでは染色の体験もできるとのことで、旅行者らしき人たちの姿も見られる。前回同様、店舗に並ぶ衣類は機械製品ばかりだったが、アートはどれも、この工房の手作り。この旅の思い出に、夫は『ラーマヤナ』のラーマ王子とシータ姫をモチーフにしたものを、わたしはボロブドゥール寺院と桜の花に似た木がモチーフの作品を買った。バンガロールに帰って、額装してもらおう。
緑まばゆき田園に横たわる田舎道を走り抜け、鬱蒼と狭い山道を通過し、小高い丘の只中に立つホテルに到着。切り立った庭から見晴るかす景観のすばらしさ! ボロブドゥールからは富士山のように左右対称の山頂を見えていたムラピ山。ここからは火山の噴火を思わせる独特の姿で、富士山というよりは桜島。緩やかに、なだらかにのびる裾野が美しい。
このホテルも夫が予約してくれていたのだが、彼もこんな眺望だとは知らなかったとのこと。彼曰く、プランバナン寺院に近いホテル候補は2カ所あったという。もう一つのホテルの方がラグジュリアスだが、こちらのホテルの方がレストランが有名だということで、食を優先した模様。確かにホテルの建物よりも、隣接するレストランの方がゴージャスで、眺めもすばらしい。
遅めのランチを楽しんで、満たされるひととき。このまま昼寝でもしたいところだが、わずか1泊の限られた滞在。コーヒーを飲んで、プランバナン寺院へ向かうべく準備をする。
今回のインドネシア旅。わたしは7泊するのだが、後半の4泊はバリのウブドでゆっくり過ごすので、前半の詰め込んだスケジュールはやむなし、なのだ。
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