実に久しぶりに、平穏な週末を過ごしている。ここ数日のバンガロールは気温も下がって涼しく、蚊の発生も少なめになり、少しずつ「過ごしやすい街」に戻りつつある。
思い返せば4月下旬にデング熱を発症して以来、直後に米国旅行、帰国後もなんだかんだで立て込んでいて、先週末はようやくゆっくりできるかと思いきや、夫もわたしも体調不良で芳しくなかったこともあり、今日、この日曜日の静寂がとても、ありがたい。
夕べはアーユルヴェーダのオイルマッサージを受け、心身ともにリラックスできた。
実は体調不良、というのは、我が家に限ったことではなかった。この2週間ほどの短期間に、ミューズ・クリエイションのメンバーだけでも、実に10名以上が発熱や嘔吐、下痢などの症状に見舞われていたという。40数名中の10名超とは、かなりの高確率だ。
もっとも、ミューズ・クリエイションのメンバーに限らず、周辺の人々(国籍を問わず)で体調を崩したという話は、今年はかつてなく、耳にしている。
モンスーンを控えたこの時期は、朝晩の冷え込みが顕著になると同時に、食品に雑菌などが繁殖しやすく、ウイルス性の疾患にかかりやすい時期でもある。発熱の傾向には、デング熱の症状に似ているケースも目立つことから、血液検査を受けたと言う人もいる。
メンバーには週に1、2回送信しているところの「通信」にて、しつこいほどに告知をしているのだが、ここで改めて記しておく。
◎発熱、嘔吐の際は、とにかくこまめに水分補給を。
ココナツウォーターやエレクトラル(詳細はこちらを)などのほか、ムサンビ(スイートライム)ジュース、レモンジュース、リンゴジュース、スイカジュースなど、自宅で作って飲むのもいい。脱水症状の傾向が見られるときには、果汁に塩を少々いれるのがポイント。上記のうち、いずれも自宅にない場合は、水に塩少々と砂糖(ハチミツでもよい)を加えて飲むのもよい。レモン汁を加えると、おいしく飲める。インドでは、特に暑い地域で「ニブ・パニ(レモン水)」がよく飲まれているが、これは水にレモンの絞り汁と砂糖と塩(岩塩が好ましい)を加えたものである。普通の水よりも速やかに、体内に吸収される。
◎サラダ、生もの、冷たい飲料を極力控えて胃を守る。
空腹時に冷えたビールをがぶ飲みしたり、氷たっぷりの冷たい飲料を飲むのは、普段はもちろんのこと、この時期の胃袋にはかなりダメージを与える。また、いくら洗浄したとしても、加熱していない生野菜は避けた方がいいだろう。このほか、加熱したものだとしても、エビや貝類など魚介類、マッシュルームなどのキノコ類も避けた方がよいと言われている。疲労が溜まっている、体調が芳しくないなど、免疫力が落ちている人は特に、加熱されたマイルドな味付けの、消化のよい食事がお勧め。辛み、油脂の強い料理は避けた方がいいだろう。
……と、諸々、頭ではわかっていても、つい飲み過ぎ食べ過ぎてしまう我。書きながら、自身を戒めているところだ。
さて、一昨日金曜日のミューズ・クリエイションの集いであるところのサロン・ド・ミューズでは、『ミューズ・クリエイション3周年&NGO化記念ポットラック・ランチパーティ』を開催した。
「あなたは、教祖様ですか?」
と問いかけたくなるこの写真。夫は、会社を休んで自宅で仕事をしていたことから、乾杯の音頭をとってもらったのだった。ちなみに我が家では、最近「インド服の部屋着」がブームである。もちろん以前から気づいていたことではあるが、伝統服とは、その土地の気候やライフスタイルに沿った形で育まれている。
デング熱になって以来、蚊に刺されぬ服装をせねばと思った時に、わたしも夫も、インドのクルタ(トップ)や、男性はパジャマ(ズボン)、女性はチュリダー(足首のあたりが細いパンツ)やサルワール(ダッポリしたパンツ)がいかに機能的か、ということを再認識した次第である。
そんなわけで、ANOKHIやFABINDIAの衣類を見直している昨今。夫のクルタは、先日ANOKHIで購入して来たばかりのものだ。
そんな前置きはさておき、乾杯の際に、
「ミューズ・クリエイション、1周年、おめでとうございます!」
と、挨拶をする夫。1周年かよ!
桁数の多い非日常的数字には強いのに、桁数が極めて少ない日常的な数字には弱いマイハニー。弱い、というよりは、どうでもいいと思っている、と解釈すべきか。彼の時間や数字に対する概念は、わたしのそれとは異なりすぎていて、その「どうでもいい感じ」の生き様には、もはや深みさえ感じるこのごろだ。
まずはスパークリングワインで乾杯。SULA BRUTの巨大ボトルと、CHANDON BRUTの普通のサイズを数本準備。前回のクリスマスパーティのときに、わたしが巨大ボトルと写真を撮ったのだが、ボトルがちっとも大きく見えなかったので、メンバー女子に持ってもらうことにした。大きいんです。
実は、ミューズ・クリエイション結成3周年目にして、ポットラック・パーティはまだ2度目、である。前回は半年前のクリスマスパーティのときだった。
それ以前は、ポットラックよりも、デリバリーを頼んだほうがいいと言うメンバーのほうが多数だったことから、そのようにしていたが、現メンバーは、ポットラックでもよい、ポットラックがよい、という人の方が目立ったので、実施した次第。そのときどきのメンバーの意向で、フレキシブルに、である。
もちろん、出来合いのものを持ち寄るのでもノープロブレム。今回はクリスマス時にも増して、華やかで盛りだくさんの料理が一堂に会した。これもまた、大切な思い出。ということで、ここに写真を残しておく。
ちなみに冒頭の写真のかわいらしいケーキも、メンバーの一人が作って来てくれたものだ。
チキンビリヤニ(インドの炊き込みご飯)。ヒジキ入りの炊き込みご飯おにぎり。
こうして並べてみるだけでも、目にも麗しくおいしそうな料理! このほか、遅れて来た方のサツマイモの料理もあった。お気づきの通り、みなさん丁寧に調理され、盛りつけも配慮されている。
特に細かに打ち合わせたわけでもないのに、このいい感じのヴァラエティ。
もちろん、見た目だけでなく、味も本当に、おいしかった!
それに引き換え……ど〜んと最近ブームの豚肉3キロ分! 下には肉汁たっぷり、キャベツと大根が埋まっている。余ったら冷凍しておいても味が落ちないので、敢えて多めに調理したのだが、それにしても、他の料理に比べて繊細度に欠ける。
ワイルドな男の料理。である。だいたい、この重量感ある巨大鍋を抱えるだけでも「腱鞘炎もの」だ。
豚肉を、モリモリとスライスして供しつつ、今後はもう少し、日本的な盛りつけも美しい丁寧な料理もすべきだと、思い直したのであった。
こちらはホテルのパティシエによるケーキ。このほか、手づくりのお菓子としては、シフォンケーキやバナナケーキ、アーモンド&マンゴー風味のタルトなども持ち寄られた。あいにく写真を撮り忘れてしまった。どなたか撮っている方がいたら送ってください。記念に載せておきたいので。
それにしても、こうやって料理を持ち寄るというのは、いろいろな意味でいいことだ、と痛感した。
海外駐在経験が豊かな熟女メンバーの、料理の内容、盛りつけ、そして持参する小道具全般の「ぬかりのなさ」「濃(こま)やかな心遣い」は、若い世代にはいい勉強になるはずだ。いや、わたしにとっても、勉強になる。
20代の若女子メンバーの中には、「こういう機会は初めてだから、緊張する〜」という人もあった。そんな人も、一度経験すれば慣れるし、レシピを交換し合ったり、アイデアを参考にさせてもらうなど、学ぶことはたくさんあるからだ。
今後、他国、他都市に駐在した時にも、そのような経験はきっと役立つことだろう。
もっとも、そんな若女子たちが持ち寄ってくれたお菓子や料理も、十分においしかった。
★
折に触れて書いていることではあるが、0と1の間の「1」の違いは、大きい。
慈善団体訪問のときにも、みなさんに伝えていることであるが、最初の一歩。0から1を踏み出すときが、一番、勇気がいる。緊張もする。けれど、一度1を経験したら、あとは、ずっと楽になる。2と3の違いよりも、3と4との違いよりも、遥かに意義深い0と1の違いを、まずは踏み出して欲しい思う。
皆無と経験あり、の違いは、偉大だ。
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せっかくの集い。食べて飲んで語り合う……というのでもいいが、「クリエイティヴ集団」としては、なにかしら出し物をしてほしいものである。と、しつこくメンバーには声をかけていたのだが、なかなか率先してやってくれる人はおらず。
まずは隗より始めよ。
ということで、今回、急遽結成、MUSEMETAL!
左から、MANAMETAL, MIHOMETAL, AYAKAMETAL。
何のつもりだ。と、自分でも思うが、もう、止められない。
生誕50周年を目前にして、「やりたい」と思うことは、躊躇なくやってしまえ、たとえ世間にドン引きされても。と思える境地に達しつつある。
もちろん、人様にご迷惑をおかけしない程度で、ではあるが。
で、これは、何の真似なのだ。とお思いの方もあるだろう。
これは、日本の3人のティーンエージャーと本気ヘヴィメタバンド(神バンドと呼ばれる)からなる「BABYMETAL」というバンドの「真似」である。
1年ほど前だったか、ネットでBABYMETALのことを知り、女子の歌はさておき、バンドの音にすっかり心を奪われた。iTunes Storeで2曲ほどを購入して、たまに聴いたりもしていた。このバンドは、日本よりも欧州ほか海外で人気があるらしいく、そのライヴの様子などをYOUTUBEで見たりして、一人盛り上がる夜もあった。
そのようなことを、Twitter上に書いたところ、それを見たメンバーの一人から「うちの娘が、BABYMETALのファンで、踊りまくっているんですよ」との情報を得た。MANAMETAL(中学生)のことである。
時を同じくして、母娘でメンバーになられた新メンバーのお嬢さん(20代)も、BABYMETALを聴いているという。しかも日本では舞台経験などもあるチーム歌のメンバーだ。
3人揃った。
というわけで、先週の金曜日、「来週、結成する?」ということになり(というか、わたしが勝手に結成を決めた)、ちょうど夏休みで学校がお休みということもあり、パーティに参加予定だったMANAMETALのお母さんにも連絡をし、『メギツネ』という曲を披露することになったのだった。
即ち各自自主トレ。ぶっつけ本番、である。服装は、「赤と黒」ということにした。
歌う曲は『メギツネ』。小道具のお面は、ネットで「きつね/お面」で画像検索し、解像度の高いものを選んでカラープリントし、厚紙に貼って補強、切り取って作った。
こうして見ると、立体的に見えるから、我ながらすばらしい。このごろは、NORAとのツーショットセルフィーも、かなり上手になった気がする。この場合、キツネを含むスリーショットだが。
ところでなぜ、わたしがこんなひらひらしたミニスカートを持っていたのか。という点であるが、これはミニスカートに見えてミニスカートではない。
6年ほど前にドバイへ行った時、パーティ用にと購入していた膝丈のスカート。一度も着るチャンスがないまま、クローゼットに眠っていたのだった。これは使える、と閃いたのは、前夜のことだ。
スカートのウエスト部分をぐいぐいと胸元まで引っ張り上げてベルトで止め、折り返して短く見せているのである。お腹の部分がごわごわしているので、ジャケットで締め付けており、苦しい。しかも、タイツも暑苦しい。
このタイツは、2年前に、バンガロールで一時期(一瞬)活動されていた「ディープピープル」というバンドのライヴで「スペシャルゲスト」として参加した際に1度履いたきりのを、発掘した。なんでも、とっておくものである。
なぜわたしが、ヘヴィメタに反応するのか、といった小歴史については、ディープピープルのライヴ出演時の記録にくどいほど記したので、ここでは割愛する。ご興味のある方は、2年前の記録をご覧いただければと思う。
■ハードロックに歌い踊る! クレイジーな土曜の夜。 (←Click!)
ちなみに今回、我が担当のセンターは、歌とちょっとした踊り。左右の女子は、力一杯の踊りとかけ声、という役割分担だ。日本語の歌詞くらいすぐに覚えられるだろうと思ったら大間違い。昔は何度か聴いただけで「自然と」覚えられたはずの歌詞。いまでは何度聴いても覚えられない。
さらには踊りもある。
YOUTUBEの動画を見ながら、時間をみつけては朝な夕なに踊ったこの5日間。わたしが大音響で歌い踊っていると、必ず「ミャオミャオ」「ミャオミャオ」と鳴きながらNORAがやってきて、非常に心配そうな目でわたしを見つめるのである。
猫なりに、尋常ならない雰囲気、なにかしらの不安や恐怖を覚えているのかもしれない。すまないと思いつつも、みほさんは止まらないのである。
なにしろぶっつけ本番である。踊りの左右が揃わないなど、いろいろあったが、踊り慣れているMANAMETALのワンダフルなダンスのお陰で、観衆も盛り上がり、未完成ながらも達成感である。
これらの写真は、「いかにも3人の息が合っている」風に見え、しかも「3人そろって、かわいく見える」貴重なショットだ。……すみません。
それはそうと、「本物」のBABYMETALは、こちらである。
パンチが効いてるでしょ?!
食事も一段落したところで、今度は「デンギ・シスターズ」による『生まれてはじめて』の披露だ。デング熱を英語で発音したところの、デンギ。わたしがデング熱を発症した数週間後に、彼女(AYAKAMETAL)もデング熱にやられたことから、ユニット名を「デンギ・シスターズ」とした次第。非常に安直ながらもインパクトのある名前だ。
彼女は一人でも歌えるのだが、せっかくなので、明るい歌詞の部分(神田沙也加)を彼女、暗い歌詞の部分(松たか子)をわたしが歌うことにした。が、これもぶっつけ本番である。さすが舞台経験があるだけあり、彼女の声量はすばらしく、最早ミュージカル状態であった。
チーム歌の現リーダーは、ピアノ&音楽の先生でもいらっしゃる。彼女の演奏に、静かに聴き入る聴衆……。
引き続き、「誰か、なんか、出し物ないの〜?」「なんか、芸やってよ〜!」としつこいまでに絡む我。今まではこういう行動には出なかったのだが、このごろは切に思うのだ。異郷の地では、ぜひとも、前のめりに。と。
「次回、やります」という人もあるのだが、その次は、多分、訪れない可能性も高い。ということを、この3年間の経験を通して思う。月下美人の夜、にしても然り。今年は例の雹(ひょう)ですべての葉がだめになり、花が咲かなかった。
人生、遍く、一期一会である。
無理強いをするつもりはないのだが、ひょっとすると「やってもいいけど、やっぱり恥ずかしいし、やめておこう」的に思っている人が、必ず一人や二人、いる。そういう人たちに、出て欲しいのである。
踊ったり、歌ったり、楽器を演奏したり……。日本人は子どものころから学校で音楽に親しみ、ハーモニカやリコーダー、ピアニカなどもでき、もちろん個々人で習い事をしている人たちは、ピアノやフルート、ヴァイオリン、サックスなど、さまざまな楽器を操れる。
そんな風に、多くの人が一様に音楽、あるいは美術(図画工作)、更には体育などをきちんと習得している国民は、世界広しといえども、日本が上位5本の指に入るに違いないと思う。ひょっとすると世界一ではないか、とさえも。
ゆえに、そういう技は、この内輪のイヴェントでだけでなく、慈善団体の子どもたちの前でも披露して欲しいとも、思ったりするのだ。その歌や音楽は、間違いなくインドの子どもたちの、大人たちの、心に深く刻まれる。
というわけで、やや無理があったが、取り敢えず、勝手に音楽を流し始めて、フォーチュン・クッキー。
続いて、ミューズ・クワイア・ダンサーズによる、ジャパン・ハッバでも披露したところのJAI HO!
実は、ダンサーズではないにも関わらず、しっかりと踊りを覚えていた熟女2名は、柱の陰でこっそり踊っていた! 踊る星飛雄馬の姉、星明子状態だ。ピンクレディー世代は、ついつい、踊ってしまわずにはいられないのである。間違いない。
そして太極拳の実演。こうなったら、もう何でもあり、なのである。ちなみにミューズ・クリエイションのメンバー、現在、日本人の先生から太極拳を習っている人が多く、健康ブームである。わたしもつい最近、習い始めたが、まだまだ超ビギナーにつき、先輩らの動きを見守るばかりであった。
そんな次第で、なにがなんだか、という感じであったが、無事に3周年とNGO化を祝する宴は幕を閉じたのだった。諸々、暑く、熱かった。
3周年を迎えた今日まで、のべ105名の女性たちが、このミューズ・クリエイションに関わって来てくれた。前向きに、有意義にありたいという願いのもと、運営を続けているが、そのことを理解し、実践し、ともに活動をしてくれる人たちが集まってくれることを、本当にありがたいことだと思う。
楽しい、という言葉に偽りはない。楽しくなければ、わたし自身、続けていく意味がまったくないからだ。
ややこしい人間関係とかトラブルを避けたいがために、昔から一人での行動が中心だったわたしが、こうして続けられているのは、だから、集まってくれている人たちのお陰である。という思いを改めて、実感している。
ところで、TwitterやFacebookで告知をしたが、先日、世界一周旅行中の日本人男子大学生からミューズ・クリエイションに関するインタヴューを受けた。彼のホームページに記事が掲載されているので、ご覧いただければと思う。
ミューズ・クリエイションのことを、ついつい熱く語ってしまったのだが、主旨をきちんと汲み取ってくれ、簡潔に、丁寧に書いてくれている。
■バンガロール在住の日本人女性有志による社会貢献NGO (←Click!)
久しぶりにのんびりとしていることもあり、ついつい長くなってしまった。
さて、今夜は久しぶりに、親戚とのディナー。
来週はROCKYの手術、テキスタイルの買い物ツアー、慈善団体訪問と、イヴェントが続く。よく食べよく寝て体調も万全に、ぼちぼちいきたいと思う。