オンライン上に情報が溢れかえる昨今。最早、実際に目の前に広がっている現実世界よりも、このヴァーチャル世界の方が、広く深いとさえ思えてしまう。
1996年に米国へ移住するまでは、コンピュータとはほぼ無縁、その数年前にようやく「ワープロ」を使い始めたばかりだったわたしも、この20年の間に、すっかり「インターネット」のお世話になる人生だ。
自分の発信場所は紙媒体だったはずで、ネット上に「無償で」記事を流出し続けるのは「プロのライター」としては、抵抗を覚えていた時期も久しかった。今となってはプロとアマチュアの境界線さえ覚束ないが。
それに加えて、ホームページを作るソフトウエアの不安定さ、ブログの所在の不確かさに、ネット上に文字を残し続けることへの危険性も感じていた。
インド移住以来、使い続けているブログのサーヴァー、米国発のTypepadは有料で、だからこそトラブルの際にもうまく対応してくれるだろうと思っていたが、この10年のうちに、諸々の問題があった。日本のサーヴィスが停止されたり、Typepadのサイトがブロックされたりケースがあり。一時期、閲覧している人のサーヴァーによっては、アクセスできないこともあった。
その不安定さに嫌気がさし、iWebのホームページソフトを使用して、ホームページを作り直し、そこにブログも作り続けていたのだが、そのアップロードにトラブルが生じるようになった。挙げ句の果て、iWebは今後アップグレードされず、近い将来、新しいOSにも対応しなくなるとの記事も目にした。
そんな次第で、このごろは再び安定し始めたTypepadのブログを再活用しようと方向転換している。
書いているテーマがあまりにも散漫で、一つのブログにまとめておくと、のちのちの検索がしにくいことから、これまでも一応は複数のブログにわけていた。それらを、今後もリニューアルしつつ、活用しようと考えている。
今のところ、この個人ブログよりもむしろ人気が高いのは、猫ブログ。うさぎのアリスに負けている。これは、頭を使わず、あっという間に書けるし、気分転換にもなるので、猫らがいる限り、続けられそうだ。
そして、やや悩んだ末に始めた『食べたように、生きている』という食のブログ。インド生活も10年目を迎え、そして生誕半世紀を目前にして、「食べること」と「健康管理」が、人生にとっていかに重要であるか。最優先事項であるかということを、肌身に感じるようになり、ともかくは、食を記録することにした。
今年のわたしの目標は、なるたけ仕事を減らし、ミューズ・クリエイションの活動と、自分のライフスタイルを見直すことを考えている。
これを機に、ホームページも少しずつ刷新しようとしているところだ。
……などと、長々と書いたところで、このような個人的なつぶやきは、読む人にとって面白みなく、スルーされがちだということも、承知している。
短く、あっさりと、を、最早、心がけてみよう。
◎ミューズ・クリエイション。納税カードも取得で、銀行口座開設間近
一昨日、ミューズ・クリエイションのPAN CARD(納税カード)が届いた。これで、銀行口座の開設も近々完了する。先週は、会計士にも会いに行った。実際には、毎年3月末に税金の申告をするのだが、今後、3カ月に一度、彼に収支表などを見てもらい、アドヴァイスを仰ぐこととなった。着々と、「きちんとした組織」になりつつある。
◎7月25日(土)、慈善団体の託児所で、スラムの子らと遊びませんか?
来週は、ミューズ・クリエイション関連のイヴェントが二つ。一つは平日の午後、ドミニカン・シスターズへ、スラムに居住する女性たちへアクセサリー作りの伝授。これは昼組のメンバーが中心なので、準備にも問題はない。
土曜日には、今度はドミニカン・シスターズの託児所を訪問する。「男組」「働き組」のメンバーがメインだ。今回は、2歳〜6歳くらいまでの小さい子供が対象だけに、高学年の子どもたちに面倒をみてもらう、というわけにはいかない。これまでも100名を超える子どもたちを相手に遊んで来たので、なんとかなるとは思うのだが、参加メンバーが「初めて」の人も多いので、それなりに準備だ。
男性の参加者も多いので、体育会系を充実させるべく、先日、ショッピングモールへボールなどを買いに行った。以前、玩具店で購入した「本気のボウリングゲーム」がかなり高品質で、高価だったものの、今後もあちこちへ持参して使えることを考えると、いい買い物だったと思われる。
そのコンセプトを引き継いで、思い切ってバスケットボールのリングを購入した。上の写真の、小さい方だ。定価は1万ルピーを超えていたが、ニーズがないのか、割引に割引が重ねられ、6,000ルピーほどになっていた。安いプラスチック製のおもちゃなどは、すぐに壊れるし、それを施設にプレゼントしたところで、のちのち子どもたちが遊ぶかどうかも定かではない。
ゆえに、ミューズ・クリエイションでは、頑丈なものを購入し、その場で思い切り遊ぶ、というコンセプトで行こうと思っている。
なにしろボウリングは、大勢の子どもたちの関心を集めて一緒に遊ぶことができる。バスケットボールも、子供10名くらいなら、まとめて一緒に遊べる。バドミントンやサッカーよりは、場所もとらず、大勢で遊べるのがよい。
この店では、バスケットのリングのほか、縄跳びも買った。
バスケットリングは購入できたものの、子供用のボールが売り切れだったので、それはネットで買うことにした。その後、楽器店へ。さすがにギターは購入しない。縦笛(リコーダー)を買いに来たのだ。
1個150ルピーとお手頃なので、5本ほどまとめて購入。家に帰って試してみたら、案の定、音程が微妙にずれているが、仕方がない。これは、「雰囲気」を楽しんでもらうことになるだろう。
このほか、いつものように、手づくりの魚釣りセット、折り紙用の新聞紙、あやとり用の毛糸なども持参する。また、道具を使わない遊び、についても、予めいくつか検討して、実施する予定だ。
現在、参加希望者は十数名。7月25日(土)の午前中、バンガロールにいらっしゃって、なおかつお時間のある方、一緒に子どもたちと遊びませんか? インディラナガールの80フィート沿いにある施設です。詳しくは坂田までお問い合わせを。[email protected]
◎インド。いろいろな面で、サーヴィスの向上。買い物事情はより、便利に。
昨日、ムンバイのタージマハル・パレスホテルから小包が届いた。インドでは、こうして「布に包まれた」郵便物が未だに一般的だ。
先週、夫が出張で滞在した際、ポロシャツを忘れていたようだ。「僕、忘れた気がしないんだけど」と言っていたが、夫のことである。気づかぬうちに忘れてしまっているに違いないと、妻は思っていた。
ご丁寧に、ラッピングされている。さすが、サーヴィスが行き届いていると感心する。
夫のシャツでは、ありません。
なんだか、とても、惜しい! 惜しいけれど、超、インド的。
で、これはどうすればいいの? 送り返すのは、こちらも手間だ。処分させていただいていいものだろうか。やれやれ。なにはともあれ、インドである。
サーヴィス、といえば、以前に比べると、インドの「サーヴィス」は色々な面で、徐々に、確実に向上していると思う。たとえば、我が家が頻繁に使うところのオンラインのスーパーマーケット、bigbasket.com。
普段は概ね、問題ないのだが、先日、500グラム頼んでいたはずのオーガニックのニンジンが、200グラムしかなかった。一応、メールでその旨、苦情を送ったところ、数時間後にメールと電話で確認が入り、半額を返金してくれた。
200グラムといえば、半量以下だから、半額とはいかがなものか、とちょっとだけ思ったが、ともあれ数十円のことである。それをきちんと対応し、次の買い物時に使えるよう、即クレジットにしてくれたことに感激した。
そして先日、3袋購入していたムサンビ(スイートライム)のうち、1袋が古くなっていて、数個が腐っていた。わたしも確認して支払えばよかったのだが、朝からバタバタとしており、メイドにまかせっきりだった。
腐敗したムサンビの写真を撮っておき、改めて苦情のメールを送ったところ、今度はムサンビ全額分が返金された。上の写真が、そのメールの内容である。悪かったのは1袋だけだから、それでは払い戻されすぎ……と思ったけれど、まあ、それならそれで、有り難い。
この対応、24時間以内である。
これ以前に届いた確認メールには、担当者の名前がきちんと書かれていたのも好感が持てた。誰が書いたのかわからない、機械的な対応ほど、誠意が感じられないものはないからだ。
青果物が傷むのは、仕方のないことである。品質管理が徹底されていないのは確かに問題だが、特にオーガニックの食品は、すぐにしおれたり傷んだりしやすい。虫がついていることもある。オーガニックの青果物とは、そもそもそういうワイルドなものだから、購入者は、それを覚悟しておかねばならない。
その上で、こうしてきちんと対応してもらえるのは有り難く、今後も継続して使いたいと思うのだ。インドでの買い物事情、本当に向上していることを痛感する日々だ。