先が見えない不透明な日々が続くが、こんなときこそ、古来からの叡智を尊び、心身を整えたいものである。
インドには、アーユルヴェーダやヨガを研究、推奨する「AYUSH省」がある。2014年、現在のBJPモディ政権が樹立したあとに発足されたもので、インド中央政府厚生省に属する。近代西洋医学以外の医療政策を統括している部門だ。このサイトでは、同省が提案する健康に関する情報がしばしばアップデートされている。
AYUSHとは、以下の頭文字を表している。
Ayurveda(アーユルヴェーダ/インド5000年の伝承医学)
Yoga & Naturopathy(ヨガ&ナチュロパシー)
Unani(ユナニ医学/古代ギリシャの医学を起源とする印パ亜大陸イスラム文化圏の医学)
Siddha(シッダ医学/南インド、タミル地方に伝わる極めて古い伝統医学で、起源は1万年以上前)
Homeopathy(ホメオパシー/ドイツ起源の自然療法)
このような伝統医学を整え、国連の場で「国際ヨガの日」の発足を提案、実現に至らせたモディ首相の功績は大きい。提案時、モディ首相は以下のように述べたという。
「ヨガは、古代以来のインドの伝統が生んだ貴重な贈り物である。既に5000年の伝統がある。ヨガは身体と精神、思考と行動、抑制と実践の統合を実現させ、また、人と自然の調和、健康と福祉へのホーリスティックなアプローチを実現する。ヨガは単なるエクササイズではなく、自身の中に統合された感覚を見いだすものである。私たちのライフスタイルを変え、意識を高めることによって、幸福への助けとなる。国際ヨガの日(6月21日)の採択に向けて、ともに働こう。」
国際ヨガの日は、2014年12月11日の国際連合総会 (UNGA) において、全会一致で宣言された。6月21日は、北半球において最も日が長くなる夏至に(ほぼ)相当し、世界各地にこの日を特別な日とする考えが共有されているからだとモディ首相は述べたとのこと。
わたし自身、アーユルヴェーダと出会って人生が大きく変わったと言っても過言ではない。中・高時代のバスケットボールで腰と膝を著しく痛め、20代のころから折に触れてギックリ腰になっていた。
30代になってからは、腰痛の頻度が高まり、カイロプラクティックや鍼治療、さまざま試したが治ることはなく、年々、悪化の一途を辿っていた。30代後半には坐骨神経痛なども併発し、この先どうなるのだろうと憂いていたのだが……。
40歳でインドに移住して、アーユルヴェーダのオイルマッサージを受け始めてわずか半年で、ほぼ治った。以来15年。「アーユルヴェーダのある暮らし」のおかげで、我々夫婦はもちろん、家族や親戚も恩恵を受けている。
アーユルヴェーダの偉大なる例は、個人的に知る限りでも枚挙に暇がない。
インドは、奥が深い。
●MINISTRY OF AYUSH (FACEOOK)←最新情報はこちらでアップロードされているのでお勧めです。
このご時世、人生における最優先事項は「健康管理」です。現代の医学ではウイルスに太刀打ちできないということを思い知らされた今、人間が5000年以上にも亘って培ってきた伝統的な療法を見直すべきでしょう。
AYUSH省のサイトには、世界各国の言葉に訳した情報も出てきます。たまに日本語も出てきます。
我が家におけるアーユルヴェーダの理念を取り入れた暮らしについては、先日記したので触れませぬが、ともあれ、この記事、非常に端的に、「健康にいい暮らし」の提言が記されています。
ちなみに「ヨガ」とは、身体を柔軟にしてポーズをとる体操めいたもの、だけを意味するわけではありません。
あのポーズは「アーサナ」と呼ばれ、その他、「プラナーヤマ(呼吸法)」「メディテーション(瞑想)」も含みます。
今回のCOVID-19は、肺の機能にダメージを与えることで知られていますが、その対策として流布されている呼吸法は、まさにヨガの呼吸法です。
口を開けず、鼻から吸って鼻から吐く……。
ともあれ、下記の資料を読んで、暮らしに役立ててください!